数文字の起源:古代文字の神秘と沖縄とインカを結ぶ藁算の不思議

はじめに

縄文文化には神秘を感じる。そもそも縄とは何か。縄とは細かな繊維を撚り合わせたものだ。日本では藁縄が一般的だった。では、藁(わら)とは何か。藁とは、稲や小麦などイネ科植物の茎を乾燥させたものだ。藁は堆肥として活用したり、藁人形としたり、雨風を防ぐ蓑(みの)や藁葺き屋根としたり、足を守る草鞋とした。縄文時代は狩猟文化の時代と言われていたが、今では農耕をしていたことも確認されている(参考)。4,000年から5,000年前の長野「井戸尻・縄文遺跡」からは農耕用石器が発掘されている。そんな縄文時代に文字はなかったというが本当だろうか。

古代文字(数字)

カタカムナについては以前も投稿した(参考)。このカタカムナだけではなく、アナイチ文字、ヲシテ文字、サンカ文字、豊国文字などについて解説した。現代の日本の通説では、これらの古代文字はなかったことになっているが、これは戦後GHQが多くの貴重な古代の図書を梵書(ふんしょ)として処分したという。一方、世界的な数文字の歴史を振り返るとこれも興味深い。

バビロニア人の数字

一般的には、約6000年前のメソポタミア地方のシュメール人が数字やくさび形文字を発明し、紀元前2000年頃に古代バビロニア人は60を基数とする数字を発明したという。数字の発展によって、天文学の研究が進み、分数や小数の概念も存在していた。

(出典:非ヨーロッパ起源の数字

古代ギリシャの数字

古代ギリシャでは、頭音(アッティカ)式と呼ばれる数文字とアルファベット(イオニア)式と呼ばれる数文字があり、通常は後者をギリシャ数字という。数学ではα、β、γなどを使うこともあるが、これはイオニア式数文字を活用しているためだ。

アッティカ式数文字


(出典:地球ことば

イオニア式数文字


(出典:mikeo-410

カタカムナ式数文字

日本人は、「1、2、3」のことを「ヒー、フー、ミー」と数える習慣がある。学校では習わないけど、母親やその母親の世代では普通に使っていた。20をハタ、30をミソ、40をヨソ、50をイソ、60をムソ、70をナナソ、80をヤソ、90をココノソ、100をモモというが、これらの名残りは年齢や地名に色濃く残っている。元々は大和言葉のヒーフーミーに、漢字が壹、弐、参と割り当てられ、その漢字の読みであるイチニーサンが標準となったようだ。


(出典:吉野信子オフィシャルサイト

沖縄の藁算(わらざん)

下の図は、沖縄県立博物館の子供向けに解説した博士カードを抜粋して、編集したものだ。沖縄では人頭税が廃止される1903年までは藁算が使われていた。竹富島の民族博物館には、藁算の展示が残っている。この藁算は家畜の頭数を計算したり、家族の数を調べたり、さらには計算器のようにも使ったという。中国の歴史書「随書倭国伝」の中の倭人の風俗に、「文字は無く、ただ木を刻み縄を結ぶだけ」と記録されている。この歴史書は邪馬台国の頃の日本について書かれた物である為、藁算は、古墳時代以前より日本本土でも使用されていたと考えられていて縄算(なわざん)とも言う。f:id:hiroshi-kizaki:20171128195632p:plain
(出典:沖縄県立博物館

インカのキープ(Quipu)

南米のインカ帝国では、キープと呼ばれる縄文字を使っていた。紐に結び目をつけて情報を伝達する方法だ。キープは、物品の種類やその数を記録するのに用いられ、納税などの際には必要不可欠のものだった。インカでは16世紀後半、住民や資源の実態調査のためスペイン人官吏がアンデス山脈を駆け巡ったが、情報集めはいたって楽だったらしい。キープ・カマヨックと呼ばれる地方の名士がキープによる住民台帳を保持していたからだ。インカのキープと沖縄の藁算は類似点が多いが、唯一の違いはキープは縄の色までを含めて情報源とした事だという。同じような縄文字が、インカと古代の日本で使われていたというのは何を意味するのだろう。

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(出典:阪急交通社

マヤの数字

古代マヤ文明は20進数を使っていたという。一説には両手と両足の指を使うと20だからという。画期的なのはゼロの概念をすでに持っていたという点だ。ただ、数字を見ていると、5進数のようでもある。
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(出典:数から数学へ

ヘブライの数字

ヘブライ語の古典的な記数法が次の図だ。いわゆる旧約聖書やユダヤ歴でも、ゲマトリアとして知られている。ヘブライ語聖書やユダヤ暦などでは、これらの文字を組み合わせて数字を表現している。
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(出典:数から数学へ

まとめ

数字というのは不思議な記号だ。エストニアに旅行した時には、骨董屋で古いそろばんや計算尺を見つけて興奮したのを覚えている。最近は、ネットで丸いそろばんがあるのを知った。デザインも中国の陰陽が示している。縄算は北海道や千葉でも戦前まで使われていたという。それ以上に何故インカ帝国が突然、出てくるのだろうか。古代の日本人はインカまで旅したのだろうか(笑)。数字は面白い。
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(出典:マイナビニュース)

以上

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