日本人の貯金好きの原因は遺伝子か?!
これは世代にもよると思うが、特に高齢者の日本人は貯金が好きだ。日本人の個人資産のうちの現預金の比率は52%、金額ベースで892兆円という(参考1)。日本のGDP(約500兆円)の1.8倍の現預金だ。国民が貯金好きなのは一概に悪いとも言えないが、世代間のギャップが高まりすぎるのは問題かもしれない。
新奇探索性とは
貯蓄好きとは直接リンクしないかもしれないが、新しいことにチャレンジする傾向が高いかどうかは、脳科学者の中野信子によると、日本人の遺伝子にその原因があるという(参考2)。新しいことにチャレンジする性格を「新奇探索性」と言い、その新奇探索性はドーパミンのD4レセプタタイプ(DRD4)の長さで決まるという。そしてその傾向は、例えば、DRD4が7回繰り返すものの比率は、日本人では1%、デンマーク人が14%、スペイン人は18%という。
フィンランド人はアジア人系人種?
フィンランド人はこのDRD4が7回繰り返す比率が6%と低い。中野信子さんは、この理由は「フィンランドの人々がもともとアジア系の人種だったことに由来するのかもしれない。」と説明している。バルト三国を訪問した時に、フィンランドやリトアニア、ラトヴィアではそれほどでもなかったけど、エストニア人にはアジア人の遺伝子を感じた。エストニアの古い農家は日本の古い農家との共通点が多かった。エストニア人はヨーロッパの日本人と言われているらしい。中野信子の説明をもっと聞きたいと思った。日本人の起源に関わるかもしれない。
大企業の内部留保と非正規社員の比率
話を貯蓄好きに戻す。貯蓄好きの性壁が大企業の経営者の判断にも影響を与えているのだろうか。企業経営者を利益を上げることを求められている。そして、同時に社員の生活を守る責任も有する。しかし、下の図を見ると、労務コストを切り下げるために正規社員を非正規社員に切り替えて、それによって得た利益を内部留保として溜め込んでいる図式に透けて見える。東京都の知事は希望の党の中で内部留保に対する税金を提案していたが、財源がほしい財務省も無理筋と見放していた。
(出典:すくらむ)
政府の非正規社員率が高いのは厚生労働省
下の図によると、民間企業の非正規社員比率は38%だという。官公庁では財務省や法務省、国税庁は10%程度と非常に低いが、最も非正規社員比率が高いのは厚生労働省の46%だ。それぞれの省庁にはそれぞれの事情があるが、非正規社員が高い省庁は、業務を見直して、民営化できる要素が残っているのではないか。
(出典:月間「KOKKO」)
まとめ
今回は、貯蓄好きから遺伝子の話、内部留保、そして非正規社員と話が転々としてしまった。貯蓄好きなことは問題ではないが、企業が内部留保に走ると非正規社員が増えて、結局国力が低下することにつながらないだろうか。AIやロボットの進化に伴い、特に中間層の仕事がなくなると予想されている。企業が利益確保や内部留保を強化することは悪いことではない。しかし、競争力を高めて、収益率を上げるのではなく、労務費をカットして、内部留保を高めているのだとすると、再考すべき部分もあるのではないだろうか。難しい問題だ。
以上
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拝