鎖国が完成した1641年に珈琲は日本(江戸)に上陸。適度な珈琲摂取は脳卒中や肝ガンの発生を抑制。

はじめに

駒澤大学の近くのスターバックスに行ったらメニューがちょっと違っていた。スタバは料金が共通と思っていたけど、この店は独自のメニューで料金もちょっと高め。でもそれ以上に美味しいのと店内がゆったりとしているのも良い。三密回避のために席を間引くよりも、少し高めにして、少ないお客様でも経営が成り立つようにすることができればそれもアイデアだ。しかし、料金が高いとやはり疎遠になるリスクがあり、その辺りの匙(さじ)加減は難しい。水筒の歴史は以前調べたけどで、今回はコーヒーについて調べてみた。

コロナ禍における珈琲

大好きなスタバも緊急事態宣言を受けて休業や席の間引きなどがあり、徐々に利用が減少し、自宅でのテレワークしながらコーヒーをいただくことが多くなった。図1によるとリモートワークの経験者のやく4割は自宅でコーヒーを飲む頻度が増えている(参考1)。そういう人たちは、自宅で楽しむコーヒーに対しても味や香りにこだわりを求める。

図1 自宅で飲むコーヒーの頻度の変化(出典:PR TIMES)

珈琲というネーミング

コーヒーのことを珈琲という漢字を使う。誰がネーミングしたのだろう?調べると、宇田川榕庵(よあん)という幕末の蘭学者だった。当時は発音から哥非と書いていたが、図2に示すように、女性の髪を飾る玉飾りの意味の「珈」と、玉飾りの紐を意味する「琲」という漢字を用いたセンスは素晴らしい。宇田川榕庵は、珈琲以外にも「酸素」、「水素」、「窒素」、「元素」、「圧力」、「還元」、「分析」といった専門用語も生み出している。

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図2 珈琲という絶妙なネーミング(参考2)

蘭学者の師弟系図

蘭学者とは、外国との交流を禁止されていた江戸時代において許されていたオランダ経由で日本に入ってきた文化や技術に精通した学者だ。近代科学や医学、農学に通じていた。宇田川榕庵は、図3の系統図によると宇田川玄随から数えて3代目だ。宇田川家は津山藩(現在の岡山)の医師であり、宇田川玄随は漢方医学よりも西洋医学が優れていると気づき、蘭学を学び、我が国最初の内科医学の翻訳書(西説内科撰要)を著した。なお、解体新書は西洋の外科医学の翻訳書だ。玄真は松阪市出身の宇田川玄随の弟子だったが、のちに養子となり、西説内科撰要に新説や訂正を追加し増補重訂西説内科撰要を出版した。そして、先の榕庵は、美濃大垣藩の医師江沢養樹の息子だったが、宇田川玄真の養子となって志を継いだ。

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図3 宇田川家三代の系統図(参考3)

コーヒーの歴史

図4に示すように1258年頃にエチオピアもしくはイエメンでコーヒーが発見され、1510年にエジプトのカイロに世界初のコーヒ店が誕生したという。そして、驚くべきはヨーローパよりも日本に伝わったのが早く、1641年には日本にも伝わったという。

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図4 コーヒーの歴史(出典:パーフェクトコーヒー、参考4

コーヒーの伝来ルート

13世紀にアラビア地方でコーヒーが発見されたが、図5に示すように最初はコーヒーは東に向かった。この世界地図には日本への伝来が記載されていないが、先の年表に合わせるとインドネシアを経由して17世紀には日本に伝わったのだろう。ヨーロッパにも同じく17世紀に伝わり、アメリカ大陸には18世紀になってから伝わったという。陸地はシルクロードだが、海洋は海流のルートに沿って伝わったと考えるのが自然だろう。

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図5 コーヒーの伝来ルート(出典:Origin of Coffee、参考5

世界の珈琲消費量

現在、世界では珈琲を何杯ぐらい飲んでいるのだろう。下の図によると、最多はルクセンブルグの2844杯で毎日8杯近く飲んでいるという。1ヶ月ほど旅行したフィンランドが1212杯で2位、エストニアが469杯で18位、リトアニアは409杯で21位だった。喫茶店は確かに多かった。では、日本は何位かというと調査対象の最下位の30位で340杯だ。日本ではコンビニコーヒーや缶コーヒーを楽しむ人もいるので調査前提を調べる必要があるが、まあ伸び代がまだまだあるということか(笑)。
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図6 各国のコーヒー消費量(出典:Gigazine、参考6

日本の珈琲消費量と推移

日本国内での珈琲消費量は、リーマンショックが起きた2008年の後少し減少したが、それ以外ではほぼ右肩上がりで増加している。2016年に46万トンを突破した。興味深いのは日経株価との連動性がありそうなことだ。株価が増加すると気持ちに余裕ができて、コーヒーの消費量が増加するのだろうか。また、少し古いデータ(2014年)だけど、1週間で11.13杯。うち家庭で飲むのが7.04、つまり毎日1杯飲んでいるのが平均像ということだ。次に多いのが職場や学校だ。これにはコンビニ珈琲や缶コーヒー、アンバサダー珈琲などが含まれていそうだ。


図7 日本国内の消費量の推移(出典:Strainer、参考7

珈琲摂取と健康との関係

珈琲にはカフェインが含まれている。一時期、デカフェを頼むこともあったけどスタバで追加料金(50円)が必要となったので、もっぱら普通のホットを頼んでいる。当然飲み過ぎは良くないが、適度な珈琲摂取は脳卒中や肝ガンの発生を抑制する傾向が調査で確認されたようだ。ただ、その因果関係はまだ良く分からないという。注意すべきは、これは相関関係がありそうだということだ。したがって、珈琲が好きでもない人が珈琲を飲んだから身体に良いとは言えないし、珈琲大好きな人が珈琲をやめたら癌になるとも言えない。まあ、身体の内からの声を聞いて、身体が欲しているものを飲んだり食べたり、運動したりするのがいいのでしょう。
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(出典:国立ガン研究センター、参考8&参考9)

まとめ

今回は珈琲のネーミングから、珈琲の伝来ルート、そして健康への影響と興味を持ったものを気まぐれに調べてみた。驚いたのは珈琲の伝播ルートだ。リモートワークでおうちでお仕事をする人が増えているが、その分外ではなく、お家でコーヒーを楽しむ頻度も増えているようだ。コロナに感染しないことも大事だけど、免疫力を高めることも重要だ。そのためには、適度な睡眠、適度な食事、そして適度な運動が重要だ。たまには、美味しい珈琲を飲みに街を散歩するのも一興だと思うけどどうだろう。

以上

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