はじめに
今日は安全について考えてみたい。言葉で語るのも良いけど、今日は参考となる動画を調べて、整理してみた。文字では伝えにくいことも動画であればストレートに伝えることができる。自分で動画を作ることにも将来的にはチャレンジしたいと思うけど、今回は世の中で出回っている動画からこれはいい!というものをピックアップしてみた。
なぜ安全が大事なのか
日本語では安全と安心をセットで使うことが多い。英語でこのニュアンスを訳そうとすると「Safety, Security and Peace of Mind」だろうか(出典)。このうち、Saftyは事故や事件などによる損害や健康への影響などのリスクが少ない安全状態だ。一方のSecurityは、外部の脅威から個人を守る高い壁のような存在にする安全行動だ。最後のPeace of Mindは安心に相当する精神的なものだと言える。
労働災害の怖さ
下の動画は労働災害は怖いものだけど、防げるものという観点から現場の安全を守ることが労働者を事故などから守る事になる。同時に、会社のリスクを低減するという意味でも重要なものだ。
(出典:KAIZEN BASE)
不安全な状態と不安全な行動が事故につながる
なぜ事故が起きるのか。その背景には不安全な状態や、不安全な行動が起因している。場合によってはその両方が原因となっているケースもある。安全な行動と安全な状態を徹底しても3%の事故は防げない。しかし、逆に言えば、行動と状態を安全にすることで97%の事故を防ぐことができる。これは徹底するしかないだろう。
(出典:fdma)
さまざまな事故事例
事故にはどのような事例があるのか。さまざまな現場を想定して、それぞれの現場で起こりそうな事故をまとめてみた。
熱中症事故
事故は季節に影響を受ける。熱中症は夏場で注意すべき現象だ。最近では空調服を着用するケースが増えているが、空調服を利用できないケースもあるし、空調服自体が壊れることもあるかもしれない。熱中症の仕組みとその対策を理解しておくことは必要だろう。
(出典:YouTube)
スマホ事故
スマートフォン(スマホ)の所有率は、最近の調査では86.9%だ。そして、スマホの利用した事故も発生している。下の事例は、スマホの利用しながら踏切を渡ろうとして、渡りきれずに、踏切内にいる状態で列車が通過して、死亡した悲惨な事故だ。何が悪いかったのか。どうすれば良かったのだろう。
(出典:YouTube)
機械の事故
食品製造業における事故事例(コーヒ豆の焙煎工程での事故)
下の動画はコーヒーの豆の焙煎をしている機械に異物があり、それを拾おうとして事故に遭った。原因は機械を止めずに作業をしようとしたことだ。近道行動をしてはいけないとは分かっていたが、結果的に四本の指を失う悲惨な事故に遭遇してしまった。このような事故が再発しないようにするには、異物を取り出すときには機械を止める、異物の取り出しには治具を使う、非常停止ボタンを装備するなどの対策が必要だ。事故が起きないような状況に改善することと、事故につながるような行動を抑止することが必要だ。
(出典:YouTube)
漁業における事故事例(船から網の引き上げ時の事故)
近道行動は事故の原因となるもう一つの事例だ。シラス漁船のベテラン船長が網を引き上げようとして、異物に気づき、巻上機を止めることなく異物を取り上げるという行動が事故につながった。安全バイアス行動の結果、右肘から下を失った。
(出典:YouTube)
工事の事故
屋内配線工事での事故事例(天井配線時の転落事故)
ビルの屋内配線工事に立ち会うことが多い。天井裏には十分なスペースがある場合はラッキーだけど、防火壁で区切られていたり、敷設するスペースがない場合や、既存のケーブルがスパゲッティのように乱雑になっているケースなどに遭遇することがある。三本のケーブルをアンカーで引っ張って4名ほどで作業をするのであれば、アンカーロープを引く人と、脚立を支える人、アンカーを誘導する人などで作業分担をする必要もあるだろう。今回のケースでは被災者は71歳と高齢で、安全帯のフックをかけていたアンカーの強度も弱かった。改善すべき点は多い。
(出典:YouTube)
天井工事での事故事例(プレキャストがずれて墜落)
スラブデッキの作業中に、プレキャストの掛口(インサート)を引っ掛けて、プレキャストがデッキからずれて作業員ともども転落するという事項だ。安全帯もなく、ずれ止めフック金具の溶接も不十分で、その確認作業も目視確認のみだった。対策としてはフック金具の打撃確認やその確認マークをつけるなどが考えられる。
(出典:YouTube)
重機の事故
工事現場や工場内では各種什器を利用することが多い。利用には細心の注意と安全行動が求められる。
フォークリフトの災害事例
フォークリフトに関連した事故はどのようなものが想定されるのだろう。例えば、フォークリフトが方向転換のために後進した時に歩行者にぶつかるなどが考えられる。このような事故を無くすにはどのように対策すれば良いのだろう。歩行者の歩行ルートとフォークリフトの運転スペースを分離することや、フォークリフトの運転中に何らかの音を鳴らすなどの方法もあるかもしれない。
(出典:YouTube)
リフトに潜む事故事例
フォークリフトを倉庫で利用する時にもさまざまな事故が想定される。例えば、トラックに荷物を積む時にもトラックのドライバーとの意思疎通がズレると大きな事項につながる。パレットを持ちげようとして、隣の山のパレットを落とす懸念もある。そこにもし人がいたら大変な事故につながる。この場合にも、構造的な発生しないような積み上げ方法にするとか、侵入の禁止や管理を強化する必要がある。
(出典:YouTube)
運転の事故
自動車の運転でも事故の発生が懸念される。
運転時の事故事例
下の動画は交通安全の観点からの注意喚起だ。約束の時間に間に合わせようとして危険な運転や速度超過をすると事故につながりかねない。荷物を釣り上げるブーム付きのトラック車両でブームを下さずに移動すると電線などに引っ掛ける事故も懸念される。大型車両の停止時には車止めを励行しないとサイドブレーキの効きが甘い時などは大変な事故につながる。大型車両の場合には歩行者などの巻き込み事故なども懸念される。細心の注意と安全運転が求められる。
(出典:YouTube)
軽井沢のバス事故
2016年に軽井沢で起きたスキーバス転落事故が発生した。死亡者15名、負傷者26名というかなり深刻な事故だ。その直接の原因は運転手の操作ミスとされるが、それだけではない。運転手の経験不足、運転経路の変更、車両の欠陥の可能性、企業のブラック体質、乗客もシートベルトをしていなかった。多くの教訓を得たが、風化させてはいけない事故の一つだ。
(出典:YouTube)
事故を未然に防ぐための安全対策
ここまでさまざまな事故事例を見てきた。構造的に事故をなくすことは可能なのだろうか。人の不注意は無くせないが、人の操作をできるだけ少なくして機械化や自動化を進めれば、事故をゼロにはできなくても削減することが可能かもしれない。しかし、安全対策はこれで十分ということはない。
運転支援システムでの過信は厳禁
自動運転の技術革新が進んでいる。レベル1は運転支援で、完全自動運転はレベル5だ。自動運転については自動車メーカーだけではなく、IT業界も加わり生き残りをかけた戦いが現在進められている。現状では、まだまだレベル1の運転支援システムのレベルの車両が多い。これだけでも助かるけど、あくまで運転する人が責任を持つべきレベルであり、実際さまざまな限界も見えている。これらの課題を解決することが求められている。
(出典:YouTube)
労働災害を防ぐための対策
労働災害は、テクノロジーの革新だけでは解決しない。大事なことは作業員の行動や安全な作業状況を堅持する必要がある。そのためには安全管理者による安全教育や啓蒙活動を粘り強く徹底する必要がある。
(出典:YouTube)
まとめ
ここまで各種ケースでの事故事例をレビューしてみた。事故を未然に防ぎ、安全を確保するにはどのような対策が必要なのか。そもそもなぜ事故が起きるのかを人間の行動面や心理面から分析、対策するとともに、絶対安全に向けての努力と、絶対安全を確保できない時の機械的安全の整備、そして、機械的安全の整備で十分でない場合には、残っているリスクを関係者で共有し、注意することが安全対策の基本だ。最後の注意関係にのみ頼らず、根本的な対策を進めるには、管理者や経営者の積極的な関与が不可欠だ。
以上
最後まで読んで頂きありがとうございました。
拝