ロボット:感情を持つロボットがもたらす創造と破壊

はじめに

前回は感情を持つロボットの可能性を探るため、その前提となる感性工学についてまとめてみた。今回は、ロボットの可能性やロボットの将来について深掘りしてみたいと思う。感情を持つロボットがもたらす創造と破壊というテーマで3回に分けて次のように投稿したい。
・感性工学(⇨ 昨日の投稿
・ロボットの将来(この投稿)
・今後の検討課題(⇨ 明日の投稿

ロボットの将来

お掃除ロボットの満足度

一般家庭で最も使われているロボットといえばお掃除ロボットだろう。代表格がiRobot社のルンバだ。2016年10月末で国内累計販売が200万台を突破した。市場調査・コンサルティングのシード・プランニング社はすでに掃除ロボットを利用している400人に調査したところ、利用は「ルンバ」が圧倒的に多く、購入の動機では「便利そうだった」がトップ。そして、73%の利用者がお掃除ロボットに満足している。今後、多彩なロボットが家庭内で受け入れられるかもしれないと期待が高まる。


(出典:シードプランニング

サービスロボットの成長分野

サービス分野でのロボットの利用用途を一覧にしたものが下の図だ。2020年での市場規模が最も大きいのは、移動支援の1660億円、検査メンテナンスの1038億円、食品加工などの980億円だ。移動支援には、装着型の移乗支援、非装着型の移乗支援、屋内外での移動支援などが含まれる。現在のサービスロボット市場は、お掃除ロボットが牽引した。また、台数は少ないが、一台2.5億円で販売されている医療用ロボット・ダヴィンチも含まれている。今後は適応範囲が広がり、その適用例や台数も拡大する見込みだ。
(出典:事業構想大学院大学

サービスロボットの可能性

学生時代に鈴鹿市にある本田技研でアルバイトをしたことがある。まだ、溶接を人間が対応していた。自分もラインに投入されて、夭折した箇所が山となっている部分をドリルで削って平らにするパートを担当した。暑いし、うるさいし、眩しいし、これは大変だと痛感した。しかし、これらの作業は現在はインテリジェントな産業ロボットが担当する。日本の産業ロボットは世界シェア1位だが、サービスロボットでは欧米企業が先行している。2012年に0.9兆円、2015年に1.6兆円だったロボット市場が2035年には約10兆円に増加すると予想している。5年でほぼ倍増というペースだ。従来は産業用ロボットが主体であったが、今後はサービス分野でのロボットが主流になるという予想だ。2035年には9.7兆円まで急成長すると予測されている。

(出典:事業構想

キャズム理論

ニューメキシコ大学の社会学者エベレット・M・ロジャーズ氏はイノベータ理論を提唱した。この理論では、消費者を、イノベーター、アーリーアダプター、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードの5つに分類した。市場全体に浸透するには、アーリーアダプターまで浸透することが重要で、そこには普及率16%の壁があると言う考えだ。そのためには2.5%のイノベーターが指摘する不満や改善要望を真摯に取られて、改善する必要がある。このモデルに沿って考えれば2019年まで利用者のニーズやウォンツを満足する製品にブラッシュアップできるかが勝負だ。


(出典:SwingRoot

まとめ

ロボットには多大な期待がかかっている。東日本大震災とその後の津波で被害を受けて福島原子力発電所の内部を観察したり、ジブリのサンプルを取り上げたりするのに、さまざまなロボットが投入されたが、熾烈な環境のなかでは太刀打ちできなかったようだ。いまでは、内部の観察や、ジブリの取上げのための専用ロボットが設計され、現在現地で展開されようとしている。汎用性のあるロボットが、まるで鉄腕アトムのように活躍するのはまだまだ先のようだ。東京オリンピックで現実的に活躍したのは、お掃除ロボットだ。コロナ禍に強行した東京オリンピック&パラリンピックだったけど、きめ細かく消毒するロボットは空港や病院などで大活躍したようだ。

(出典:パラサポWeb

以上

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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