未来対談:産業用ロボットの課題と未来への展望

はじめに

NewsPicksをご存知の方も多いと思うけど、今回はNewsPicks Expertが主催する未来対談だ。NewsPicks Expert(NPEx)は、企業や団体が専門家や経験豊富な個人にいろいろな案件を依頼できるサービスだ。専門技術に自信のある個人はこれに登録すると、関連する案件が来た時に対応しますかと聞いてくる。自分も登録していて、何度か対応した。なかなか面白いマッチングサービスだ。今回は、そんなNPExが主催するオンラインでの未来対談に参加した。

NewsPicks Expertの未来対談

司会役はNPExの女性で、対談するのは、株式会社FAプロダクツの高見守部長と、株式会社MIRAの山本圭介代表取締役だ。共にロボットやAIの営業の経験が長い。いろいろなお客様からロボットの導入の案件の相談を受け、試行錯誤しながらロボットを導入し、数多くの成功と失敗を経験されていることが感じられる良い対談だった。
(出典:NewsPicks Expert

未来対談:2030年の産業用ロボットが活躍する未来

今回のアジェンダは特に次の4つだった。現場で経験に裏付けられた対談で面白かった。

・産業用ロボットが活躍するファクトリー/ラボラトリーオートメーションの現状
・普及における課題、先進的な取り組み事例
・産業用ロボットがもたらす未来
・質疑応答

気になったこと

対談を聞いていて気になったことやポイントを報告しておきたい。

ロボットフレンドリー

今回の対談のキーワードは「ロボットフレンドリ」という用語だった。初めて聞いた言葉だったけど、確かに重要だ。その意味は2つある。一つは、ロボットを導入してロボットが活躍するには、ロボットが成果を出せるような環境やインフラを整備することが重要だ。例えば、掃除ロボット「ルンバ」が活躍するには、ルンバが掃除しやすいようなテーブルや椅子やバリアフリーな床が大事だ。これをルンバブルと呼ぶ。これが一つ目のロボットフレンドリーだ。2つ目は後で述べる。

(出典:対談資料より)

競争と共創

日本には20万拠点の生産向上があるらしい。ロボット系のSEは現在2万人ほどで、とても足らない。しかし、この2万人がそれぞれ無駄なく活躍しているのかといえば、そうでもない。似たようなA社からの案件や、B社からの案件をそれぞれが担当し、設計し、導入し、検証している。企業のノウハウを守る必要はあるけど、共通化できる部分は多い。共通化できない部分はそれぞれの企業が知恵を絞って競争すれば良いけど、お互いに共通化できるものは共通の資源として共創することが必要だし、そのような仕組みを作ることで日本の未来は開かれると感じた。

ロボットエンジニアリング

以前、経営大学院の授業で、アイリスオオヤマの大山会長の話を拝聴した時に次のような話を投稿した。ロボットを活用して、生産性を高めるような仕組みを作り上げるロボットエンジニアの需要は今後さらに高まるものと確信した。

給与はあげるが人件費はあげない
アイリスオーヤマはロボットへの投資を積極的に実施している。超多品種少量生産を支えるのがロボットだと思って質問した。その結果は予想を大きく超える回答だった。つまり、中国の工場にはロボットを7000台ほど投入している。これは20年前から始めたことだ。そして、それを支える理念が「賃金はあげるが、人件費は上げない」だった。実際に中国工場の社員の賃金を毎年2桁ベースで上げている。それを実現するのは生産性の向上だ。しかし、人の頑張りには限界がある。それを支えるのがロボットだ。人が一人で担当した作業を人一人とロボット1台で対応したら生産性が向上するので、賃金をあげる。そうすると、ロボット2台を活用する方法、ロボット3台を活用する方法を社員が頑張って考える。そして生産性が高まれば賃金は上げるが、トータルの人件費は上げない。そんな好巡回を実現したアイリスオーヤマはやはり凄いと思う。

ロボットのAI化

事前に募った参加者からの質問の中に「ロボットのAI化」があった。ロボットのAI化は着実に進んでいるが、やはり機械なので、精度の問題がある。例えば、精度90%までは簡単に実現するが、精度95%となると難しく、さらに精度97%というとかなり困難なケースがあるという。パッケージに詰める場合に、現在の規定は、例えば200gを下回ってはいけないけど、プラス20gまでは許容するようなルールがあり、これをロボットに適用するのは結構辛い。そうではなく、210gを平均値として、±5gの誤差を95%の精度で実施なら設計しやすい。200gを下回るものがたまにあっても許容することができるかどうかがポイントだ。

日本と海外の違い

事前に募った質問には、日本と海外の違いについてもあった。登壇者からは、日本では工場のロボットに花子さんとか太郎君とか名前をつける。これは多分、鉄腕アトムだったり、ドラえもんだったり、日本のアニメ文化の影響もあるだろう。そんなロボットに親しみを感じる文化は第二のロボットフレンドリーと言える。そんなことが日本の特徴だという指摘があった。

まとめ

1時間の対談だったけど、非常の中身が濃く、気づきの多いセミナーだった。また、機会があれば、参加したいと思った。NPExのオファーに、先日は都合が会わずに断ってしまったけど、また対応したいと思った。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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