古代の文字やカタカムナ文字から考える日本の起源。縄文時代以前にも多様な文字文化があったのか。

はじめに

言霊は聞いたことがあるけどよくわからない。ましてや「カタカムナ」とはなんだろう?元CAの吉野信子さんが下のような本を発行している。サブタイトル等に興味を覚えて買ってみた。吉野さん自身がカタカムナの存在を偶然知り、のめり込んで、謎解きをするように古代の言葉の不思議を紐解いたと言う内容だ。彼女の推察では、カタカムナは縄文時代以前のアシア族が使っていた言葉であり、アシア族は今のアジアの地域で生きていた人だ。そして、このアシア族の言葉=カタカムナをベースに日本語が作られた。これはまだ仮説であり、本当のこと、事実として確認されたこと、そうでないことなどが混じっているかもしれない。ただ、縄文時代に日本には言葉がなかったというのは自分も違うと思う。このカタカムナだけではなく、複数の神代文字や古代文字が存在しているようだ。先に「ヘブライ語と日本語との類似性」を指摘したが、古代文字の研究も興味深い。まずはどのような文字があるのかを概観してみたいと思う。

神代文字

漢字が導入される以前の日本には言葉はなかったという説がある。現在の教科書や学会はこの説に基づいている。しかし、本当なのだろうか。そうではなく、漢字伝来以前にも日本では文字が使われていたというのが神代文字で、30以上の神代文字の存在が指摘されている(世界の文字)。その中でも特に古史古伝とかかわりが深いとされる文字は次の5つだ。多様な日本語の素養は、こうした様々な言語を融合した結果の特徴であると考えると理解できる。

1) アナイチ(天名地鎮) – 太占と関係があるという。
2) ヲシテ – 『ホツマツタエ』に使われた文字。
3) サンカ文字 – 豊国文字を基にした三角寛の創作とされる。
4) 豊国文字 – 『上記』(うえつふみ)において用いられる。
5) カタカムナ文字 – カタカムナ文明で使われていたとされる。

アナイチ文字

日本語の数字の読み方には、いち・に・さんという呼び方の他に、ヒー・フー・ミーという呼び方がある。子供の頃になんでヒー・フー・ミーという呼び方があるのと母親に聞いたことがあるが、「なんでだろうね。」、「昔からそういうのよ」と納得できる答えではなかった。下のような音節文字になっている。しかも、ヒフミヨイムナヤと続く。これって、数字の数え方そのものじゃないか。一番右の列の文字に「・」を追記したものが一番左の文字で、これは数字だ。しかも百、千、万、億まである。万の次が億ということは、億の次は兆なのだろうか。左から2列目の「ケ」に相当する数字は一体なんになるのだろう。文字は47種類で表音文字だ。

出典:平田「偽字篇」

アナイチ文字をアイウエオ順に並べる

先のひふみ順のアナイチ文字をアイウエオ順に並べ替えてみると、いわゆる母音と子音をうまく組み合わせて文字としていることがわかる。外人がカタカナを覚えるのは結構大変だと思うけど、このアナイチ文字なら非常にロジカルなので覚えやすいだろう。古代の人もこの文字なら口伝で伝わったものを文字に残すことも可能だったのではないだろうか。

ヲシテ文字

先のアナイチ文字はどちらかというカタカナの文字と類似性があるが、このヲシテ文字はひらがなとの類似性があるように感じる。特に「え」は現代のえと非常に似ている。ヲシテとは、教えるのヲシと成し遂げるのテの造語らしい。ヲシテ肯定者はオシテ文字は漢字文献より古代からあると主張する一方で、ヲシテ否定者は古代の日本では8つの母音があったから漢字伝来以前ではないという。どちらが正しいのだろうか。ヲシテ肯定者はそもそも古代の日本語の母音は5つだと主張する。母音は5つと思っていたけど、こんな点が論点になるとはびっくりだ。

サンカ文字

サンカとは山地などに住む不特定の人々を指す言葉とされるが、その定義は様々だ。山間部に逃げた古代の縄文人だという説や、室町時代のゆう芸人という説などがある。また、サンカを示す漢字も山窩、山家、三家、散家、傘下、燦下などがあるという。ただ、下に示す文字を見る限りはいわゆる象形文字の類に感じる。タはたんぼを、ハは葉っぱを示し、ヒは太陽を示し、ヤは矢を示している。アナイチ文字ともヲシテ文字とも明らかに異なる文字だ。

豊国文字

豊国文字(とよくにもじ)は、いわゆる上記(ウエツフミ、上紀、上津文、大友文献、大友文書とも書く)に用いられている神代文字だ。上記とは、古史古伝の文書で、ウガヤフキアエズ王朝を含む古代日本の歴史などについて書かれているという。ウガヤフキアエズ王朝とは、大和王朝が成立する前に、大分を中心に存在した日本の古代王朝のことで、豊国王朝や日向王朝、高千穂王朝とも呼ばれている。神武天皇以前の古代王朝で、火々出見命の子鵜萱葺不合命が開いた王朝とされる。これら古伝文書によるとこの「ウガヤフキアエズ王朝」は少なくとも74代にわたり繁栄したらしい。それによると大分の地から全国を統一し、各国にタケルと呼ぶ領主を任命し、その勢力範囲は中国大陸や朝鮮半島まで及んでいたという。しかし、現在はその存在は否定されている。

出典:https://ugaya.jimdo.com

カタカムナ文字

本論にやっと辿り着いた。しかし、カタカムナ文字について書き始めると長くなるので、ポイントだけを示したい。カタカムナ文字は非常に神秘的な文字だ。円と直線を組み合わせた48の音に対応した文字があり、その文献は縦書きや横書きではなく、螺旋状に書かれる。その中央には三種の神器である八咫の鏡、草薙の剣、勾玉を象徴したと思われるヤタノカガミ、フトマニ、ミクマリと呼ばれる図形だ。また、アナイチ文字と同様にヒーフーミーという文字が数字の一二三に呼応している。ヒーフーミーという数え方は日本古来のものなのだろう。

まとめ

カタカムナ文字からカタカナが派生したという説もある。カタカムナ文字だけではなく、多くの古代文字が日本にあることはなぜか現在の日本では否定されている。第二次世界大戦のあとGHQは多くの貴重な古代の図書を梵書(ふんしょ)として処分したという。本当なのだろうか。GHQは日本の占領戦略の一つとして「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画WGIP(War Guilt Information Program)」を定め、言論統制をしたという。現在の日本人の子供たちは非常に優秀で成績も良いけど、自信ややる気が世界の先進国の子供と比べて格段に低いという調査を過去に見たことがある。国連発表の幸せ度ランキングでは157カ国中53位(2016年度版)だった。一人当たりのGDPと幸せ度は相関関係があるが、下の図にあるように日本の幸せ度は韓国より低い。これはなぜなのだろうか。かつての日本人は誇りに満ちた民族だった。いつから自虐的な民族になってしまったのだろう。もっと日本人が自分自身に、自分の郷土に、そして日本の歴史や生い立ちに自信をもつことが幸せ感の向上につながるのではないだろうかという気がする。

以上

参考サイト
世界の文字
神代文字10

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