自然災害で最も懸念すべきは巨大噴火かもしれない。巨大地震との連動も心配だ。

はじめに

自然災害で最も怖いのは火山の噴火ではないだろうか。以前も「日本人の起源:海退や海進、鬼界カルデラ大噴火を生き残った逞しい縄文人」で投稿したように、約7,300年前に大噴火した鬼界カルデラの影響で西日本はほぼ壊滅的な被害を受けた。今は穏やかな富士山だが、1703年(元禄16年)11月には房総半島近海を震源に元禄大地震が発生し、4年後の1707年(宝永4年)10月4日には南海トラフのほぼ全域で断層破壊を伴う宝永地震が発生し、さらにその49日後の1707年(宝永4年)11月23日に噴火し、噴煙は標高2.3万mに達した。2019年から2021年は新型コロナ禍が全世界に影響を与えたが、今後地震や大噴火が発生するリスクは拭えない。

桜島の噴火を背景にして

6年前の2015年9月28日に鹿児島の佐多岬に出張した。その途中に桜島の横を通過した時に桜島が噴火していたので、記念写真を撮った。地元のタクシー運転手は噴火があっても日常なので特に驚く様子もなかった。しかし、毎朝天気予報で風向きは必ずチェックすると言う。この日は特に風もなく、噴火がまっすぐに上昇しているが、こういう日は大丈夫だという。しかし、風向きが住んでいるところに向かう日は超ヤバい。

(出典:桜島を背景に写真)

火山の噴火は何がヤバいのか

御嶽山が2014年9月27日に噴火した。自分の同僚も当日御嶽山に登山されていた。幸い、登山ルートが被害の少ないところだったので無事だった。当日は地震等の前兆がなく突然、噴火した。最初の噴火から数分の間に3回の爆発があったという。御嶽山で特に問題となったのは噴石だが、噴火の怖さはこれだけではない(参考)。もっとも怖いのは下の図のように溶岩流や火砕流、火山泥流だ。特に火山泥流は時速144kmと超高速だ。登山道を選ぶときに、ここまでは多分想定できないが、尾根に沿って登山するのが賢明かもしれない。

噴火に伴う噴出物

火山噴火時には、前述の噴石に加えて、火山灰が発生する。例えば、桜島では2012年や2013年には600万トン以上の火山灰が噴出している。年間の爆発回数も1960年代や1980年代に比べると2000年代は倍増している。ちょっと心配だ。

(出典:みんなの桜島

火山灰の被害

火山灰は噴火によって発生した軽石や岩石が細く砕かれたものだ。そして、その粒子の直径が2mm以下のものを火山灰と呼ぶ。そして火山灰は小さいものだと0.1μmと非常に軽量かつ通電性があり、水と混じると凝固するという特徴がある。PM2.5に対応したマスクを何重にしても、0.1μmの火山灰をシャットアウトすることはできない。そして、軽く小さな火山灰ほど遠方まで運ばれる(参考)。


(出典:japias)

火山灰の被害比較

降灰にもっとも影響を受けるのは人体の健康と農作物、そして航空だ(参考)。人体の特に呼吸器系は0.1mmの火山灰でも健康被害が出たり、喘息患者の症状が悪化する。農作物は、特に稲作に影響があり、降灰がある範囲では1年間は収穫が出来ない。最後の航空では、ジェットエンジンに影響を与える可能性があり、降灰がある範囲では運航が規制される。仮に富士山が噴火した場合には火山灰の影響から羽田空港だけではなく、成田空港も一定期間利用が規制される可能性が高い。

電子機器への影響

火山灰に限らないが、電子機器のマザーボードに埃やPM2.5や火山灰が付着すると、誤動作の原因になり得る(参考)。火山灰は乾燥していれば絶縁体だが、水に濡れると導電性が高まり、電子機器の動作に悪影響を与える可能性がある。今後、エンジン車がEV(電気自動車)に移行するとエンジンの障害はなくなるが、電子機器の誤動作が懸念される。モーターも故障するかもしれない。リスクはゼロではない(参考)。

大規模火山噴火の懸念

鹿児島から50kmほど南の屋久島近くには、鬼界カルデラがあり、約7300年前に噴火があり、四国の住人が壊滅した。雲仙普賢岳の千倍規模の噴火が6千年に1度ぐらいの頻度で発生しているという(参考)。また、その噴火の間隔が大きくなるほど噴火の規模も大きくなるという。被害の規模が非常に広範囲でかつ長期間にわたるのが大規模火山噴火の特徴と言える。そして、その影響大きすぎるためにその抜本対策が後回しになっているのが最大の課題かもしれない。大噴火に対する対策には、ハード的な対策とソフト的な対策がある。前者は、例えば、火山噴火物の流れを抑える減勢工、泥流等を安全な地域に導く導流堤、大きな岩石の流下を防ぐスリットタイプのえん堤、泥流などを堆積させる遊砂地、流出物を安全に流下させる流路工などの整備だ。一方、後者は、火山噴火に伴う土砂災害のシミュレーションをもとに土砂災害予想区域図(火山砂防ハザードマップ)の作成、リアルタイムハザードマップの提供体制の構築、監視カメラや各種センサーによる情報伝達体制の整備等の実施だ。特に、ハザードマップを作成して、被災想定とそのリスクを関係者と共有することは効果的だ。

(出典:ハザードマップ

まとめ

地震・雷・火事・親父は、ひらがなで書くと「じしん・かみなり・かじ・おやじ」だが、これはもともとは「じしん・かみなり・かじ・おおやじ」だったという説がある(参考9)。おおやじとは「大風」、つまり台風だったという。そうすると、ここに含まれずにやばいのは、火山と津波だろう。ともに地震の原因だったり、地震の二次被害だったりと関係は深い。台風であれば、直撃までの進路を予想してタイムラインで対策を打てるが、突発的で被害が甚大な地震や噴火に対しては、日頃から最悪のケースを想定しておくことが重要だ。万一の際には、火山灰との接触を最小に抑えるするしかないのだろうか。また、火山の噴火と巨大地震の連動も気になるところだ。大自然の前では人類はまだまだ無力なことを謙虚に理解し、その上で、対策を検討していく必要がある。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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