LINEの功罪と将来のあるべき姿

はじめに

メッセージ系サービスでは、SLACKをビジネスで使うことが増えている。発音が似ているがSTOCKというサービスも最近知った。色々なメッセージ系サービスが出現しているが、日本ではLINEが非常に支配的だ。セキュリティの問題が最近ニュースでも取り上げられているが、それは驚くべきことではない。そもそも、LINEは韓国企業の日本子会社であったことは有名だろう。また、LINEの躍進をライブドアの人材が支えたことはあまり知られていないし、マスメディアもあまり言及しない。LINEの国際戦略を担うのは、LINEの韓国子会社だという。LINEがソフトバンクの資本配下に入っても、実際のデータの運営と国際戦略を韓国子会社が担う状況が改善されない限り、日本の企業とは言えないだろう。

LINEとは

LINE株式会社は、韓国NAVERの100%子会社として設立した。日本で法人登記をしているが、その最高意思決定を行う株主は韓国人役員だ。LINEの利用率の高いのは被災地だ。そもそもLINEは被害日本大震災を受けて、日本人のために何かできないかとNAVERの日本子会社の人たちが考えて2011年6月にリリースした。なぜわずか3ヶ月で開発できたのかといえば、手本があったからだ。WhatsAppが米国で2009年5月に、カカオトークが韓国で2010年3月に、WeChatが中国で2010年10月に相次いでリリースされた。LINEはこれらの先行アプリを参考にしながらもスタンプや絵文字などの日本文化を見事に加えて爆発的に日本を中心にヒットしたサービスと言える。NAVERとLINEの資本関係を考える上で注意が必要なのがLINE Plusだ。これは日本企業であるLINEの子会社となっているが、NAVERも出資している韓国法人だ。そして、海外展開はこのLINE Plusが主導していて、スペインや台湾、タイ、米国などのオペレーティング会社を統括している。つまり、いわばLINEの司令塔だ。そして、LINE株式会社はLINE Plusの親会社であるが、実質的には日本でのビジネスのオペレーティング会社として子会社であるLINE Plusに統括されている。さらにこのLINE Plusはデータセンターの運用やデータの統括をしている。
出典:hack letter

Zホールディングによるインターネット企業グループ

LINE株式会社の有価証券報告書によると、同社の税引前損失は、2020年12月期第四半期の税引前損失は241億円だ。前年度の362億円よりは損失額は低下しているが、赤字額は半端ない。2019年12月に、ヤフー株式会社とLINE株式会社をZHDを通じて経営統合すると聞いたときには正直びっくりした。すでにソフトバンクとLINEはLINEモバイルを共同で設立していたので、何らかの構想はあるかと想像していたが、さすがだ。現在は、Zホールディングの傘下にヤフー株式会社とLINE株式会社がそれぞれ100%子会社として再編した。問題は、Zホールディングの株主だ。一部の少数株主を除くと実質的にはソフトバンクと韓国NAVERがそれぞれ半々で出資している。つまり、韓国子会社だったLINE株式会社が、日韓の共同子会社になったということだ。韓国の支配が半減しても前述したLINE株式会社の韓国子会社であるLINEプラスがデータの運用や国際戦略を担うという構造が変わらないのではないか。韓国子会社のLINEプラスがさらに中国でデータを運営していたとなると、日本のデータは中韓には丸裸にされている懸念が拭えないと感じる。


出典:ソフトバンクのプレスリリース

今後の課題

日本ではLINE、中国ではWeChat、韓国ではカカオトークだけど、世界ではどうか。WhatsAppは20億人超だ。さらに、Facebookメッセンジャーではアクティブユーザが10億人を超えるという。FacebookがWhatsAppを買収したため、世界ではFacebookグループが圧倒的なドミナントだ。


出典:Digital in 2018

個人情報の漏洩対策

LINEに登録するとスマホに登録している電話番号に対して、利用者本人の許諾も取らずに知り合いではと横展開する。初めて使う人は大人でもびっくりする。え!なんでこの人からLINEのメッセージがくるの?と聞かれても答えられない。これを防ぐ方法はあるのだろうか。韓国らしい強引な手法だ。違和感を感じる日本人は多いだろう。

韓国政府によるデータの傍受

韓国政府がLINEのデータを傍受しているとFACTAオンラインが報じた(2014年6月)。日本の内閣官房情報セキュリティセンターとの協議でも大韓民国国会情報院は認めたという。LINEのデータは日本国内で閉じているわけではない。日本国外のデータセンターで韓国企業が管理・運用しているとすると日本の法律では統治できないというジレンマがある。

LINEの脆弱性への対応

独立法人情報処理推進機構(IPA)はLINE株式会社に対してソフトウェアの脆弱性を通知した。しかし、WikiによるとLINE株式会社は一部の脆弱性を認めたものの、全ては認めず解決を図ったかどうかも不明だという。少し古い話だが、ベッキーのスキャンダルではLINEの抜け道(クローン)を使ったものではないかと言われている。

若者のLINE離れ

若者の間で、少しずつLINE離れが起きているとの見方がある。調査会社のマクロミルが2016年1月に行ったインターネット調査(15歳以上のユーザーが対象)ではLINEユーザーは、15~19歳が11.6%、20代が24.8%だったが、17年7月の再調査では15~19歳は10.3%、20代が20.7%となったとある。親世代がLINEを使いだすと、その子供たちはLINEを使いたくなくなるだろう。その気持ちは理解できる。その場合に、どのようなアプリが使われることなるのだろう。

映像系SNSへの移行

TikTokの利用者は2020年時点で7億人を超える。2016年9月に中国で、2017年9月に中国以外でリリースされた後は一気に人気を博した。特に人工知能を活用して、利用者のいいねを分析して、利用者ごとに表示するコンテンツを変えている。TikTokを運営するバイトダンスは、中国で人気のニュースアプリToutiao提供で先行して成功し、その資金をTikTokに投入して成長を加速させた。広告でのマネタイズスキームも工夫している。映像系では今後も新規サービスがしのぎを削ることになるだろう。

あるべき姿

個人的には日本人による日本人のための日本語のチャットアプリが今後でてほしいと希望する。オープンソースを活用する動きもあるが、まだ決めては出ていない。ソフトバンクとNAVERとヤフー連合の舵取りをどこが主導するのかも気になる。日本ではソフトバンクが主導権を持っているような報道が多いが、NAVERもしたたかだろう。苫米地英人がCEOを務めるコグニティブリサーチラボが2017年からチャットアプリ「フォートトーク」をリリースした。2014年の香港の暴動では、政府に傍受されないメッシュ通信技術を活用した「FireChat」が活躍したが、その後普及したとは聞かない。音声中心の「Clubhouse」はテレビ番組ホンマでっかで紹介されて話題にはなったが、登録しているアドレス帳へのアクセスを許可するため注意が必要だ。LINEは日本ではコミュニケーションの必需品の位置を確固たるものとしていると考えられていたが、近年の若者のLINE離れの傾向も指摘されている。LINEがセキュリティを高め、親会社・子会社離れをして、信頼できるサービスに脱皮するのか、それとも信頼できるサービスへの切り替えを賢明なのか。子供達の安全安心だけではなく、日本人が丸裸にされているとしたら放置はできない問題だ。

以上

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