日本人の起源:海退や海進、鬼界カルデラ大噴火を生き残った逞しい縄文人

はじめに

今回は、氷河期の海退や温暖化に伴う海進や鬼界カルデラの大噴火などを時系列に並べ、日本と東アジア、ヨーロッパの交流の流れを次の2つの投稿でまとめた。

その1:海退や海進、鬼界カルデラ大噴火を生き残った逞しい縄文人(⇨ 今回の投稿)
その2:土器から紐解く民族移動の可能性、縄文人とシュメール人の関係(明日の予定

縄文人は、元々は大陸と日本が陸続きの時からの民族が縄文海進によって大陸と切り離された日本列島に残った民族だと考える。しかし、前後して鬼界カルデラの大噴火などあり、想像を絶する危機に直面した縄文人は逞しく生き残った。明日投稿予定の内容を含めて、日本人とシュメール人の不思議な関係性や日本人の起源の秘密などの解明が進むように微力を尽くしたい。

(出典:筆者が記載)

歴史の振り返りと民族移動の可能性

海退期(2-3万年前)

現在は温暖化が問題となっているが、地球は温暖化と寒冷化を繰り返している。これまでの温暖化は徐々に進み、噴火や天変地異等により寒冷化が一気にしかも長く続く。最後の氷河期は2-3年前がピークであり、その頃は現在の水面よりも80m程度は低かったという。この辺りは、以前投稿した「太古の時代から地球規模で温暖化の流れを考えたら過去5回の大量絶滅期やオールトの雲に行き着いた。」で詳しく記述しているが、5,000年前には現在よりも14度も温暖化だった。

鬼界カルデラの大噴火(7,300年前)

九州の沖合50kmで硫黄島が位置するあたりを噴火口とする巨大な大噴火が、約7,300年前に発生した。鬼界アカホヤと呼ばれる火山灰は、九州東部や四国で30cm、関西で20cm、東北まで飛来した。火山灰は壊れたガラスの破片のように尖っているので、火山灰を吸い込むと気管や肺が傷つけられる。2cmほどの降灰では健康な人でも呼吸器に障害が出る大変な事態だ。偏西風の影響で九州の北部の被害は比較的少なかったようだが、逃げる方向は海しかない。朝鮮半島に向かうか、中国大陸に向かって非難する人たちもいたのだろう。

(出典:大隅史談会

縄文海進(6,500年前)

鬼界カルデラの大噴火が発生したのは7,300年前となっているが、この時期は2-3万年前の氷河期の海退期から海進期に変遷する時期だった。下の図に示すように、10万年前の温暖な時期には海進が進んでいて今よりも10mほど高かったため、四角で示す茨城県エリアはほぼ水没していた。2-3年前の氷河期では逆に今よりも海面が80mも低いため、東京湾がほぼ陸地になった。そして縄文海進と呼ばれる約6,500年には海面が上昇した。現在、伊霞ヶ浦周辺で大量に見つかる貝塚はほぼこの頃の海岸線と考えられている。

(出典:茨城県霞ケ浦環境科学センター

ヨーロッパの海進

日本が縄文時代だった時期に温暖化に伴う海進が進んだが、これは日本だけの現象ではない。ユーラシア大陸では12,000年前から7,000年前にかけて海面が約100m上昇した。海面の上昇速度は初期は1年で6mmから10mm程度だったが、最も激しい時期には1年間に30mmから60mm上昇した。これは全体としての平均値であるため、局部的にはさらに激しい海進が進んでたと推察される。ヨーロッパにおける洪水伝説は、実はこの時期の海進を示しているのではないだろうか。

(出典:Early Holocene sea level rise

海進の影響の大きな中国

世界各地に洪水神話がある。これは温暖化が進み、海面が現在よりも100mも上昇したとすると本当に脅威だ。以前「災害が頻発する日本では、治山治水の推進に加えて都市レベルでの提携などで助け合いたい。」において海面が50m上昇した場合の中国・韓国・日本のシミュレーション結果を示したが、中国の北東部はほぼ海となる。朝鮮半島も特に西側を中心に海だ。中国では平野が広いことに驚くが、温暖化をストップしないと最も被害を受けるのは中国かもしれない。日本でも、この時期には諏訪地方のような高いところに避難している。東日本大震災においても神社は被害を受けなかったというのは、海進が進んだ時期に神社が建立されたためなのかもしれない。日本に住んでいた縄文人はこのような海進や鬼界カルデラの大噴火を乗り越えて生き残った人類と言える。感謝しかない。

(出典:海面上昇シミュレーションシステム、電総研

まとめ

ヘブライ語と日本語の類似性については以前も投稿した。あっぱれとか、ありがとう、さようなら、すけべー、ハッケヨイなど日本の生活に根ざした言葉で類似点が多いのが特徴だ。しかし、数字はひー、ふー、みーではない。ヒーフーミーの出典はカタカムナだった。シュメール語やヘブライ語とカタカムナの共通点が見えてくると面白いと思ったけど、そこまでは辿り着かなかった。ただ、温暖化と寒冷化はほぼ10万年周期で繰り返している。そして、それは単に温度が高くなったり、低くなったりするだけではなく、海面が上がったり下がったりする。海面が下がるときは、陸地が広がるとはいえ氷河期だ。生物が生き残るには大変な世界だ。一方、海面が上がるときはこれまで住んでいた場所が海となってしまう。温暖な時期とはいえ、非常に過酷な世界だ。麒麟や馬などは、首や足を長くすることで生き残り、ワニやカバ、亀などは水中でも生活できるように進化したものが生き残った。人類は2足歩行で呼吸器系を頭上にまとめることで生き残った。そして、生き残った人類は、きっと東西南北を彷徨い、安心して生活できる終の住処を探しただろう。古代を考える時には、地形が年代によって異なることをイメージすることが大事だと感じた。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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