新型コロナは本当に危険なのか?4つの疑問。

はじめに

大阪を中心に感染者が急増しているとテレビなどマスコミが報道している。東京オリンピック・パラリンピックは果たして開催されるのだろうか。コロナ禍の鎮静化が求められているが、そもそもコロナ禍対応には疑念も多い。例えば、陽性者が死ねばコロナによる死者とカウントしたり、陽性者と感染者を区別しなかったり、陽性者の判定基準が無駄に厳しいなどだ。指定感染症を2類から4類に変更すれば医療崩壊が防げるという意見もある。でもマスコミはそんなことを報道しない。適切に対応するにはコロナのファクトを見極めることが先決ではないのだろうか

SIRモデル

コロナがどのように感染するのかを計算するためのモデルが考案されている。それがSIRモデルだ。Sは未感染者、Iは感染者、Rは免疫保持者(または隔離者)だ。つまり、人をSとIとRの3つのグループに分類され、SとIの積に比例してIに移行し、Iの一定比率がRに移行するという考え方だ。前提条件によるが、このシミュレーションでは、感染者のピークは総人口の3分の1弱。最終的には9割が感染する。収束までに200日ほどかかる。無理にピークを抑え込んでも感染者をゼロにはできない。かといって規制を緩和すると感染者(陽性者)が増加し、世論に推されて規制を強化することになる。


出典:https://club.informatix.co.jp/?p=140

新型コロナの飛沫感染ルート

新型コロナが感染する方法は主に次の3種類のうちの1)と2)だという。
1) 飛沫感:粘液性のないエアロゾル。ソーシャルディスタンスを2mというのは、100μmまでのエアロゾルは2mまで飛ぶか落下すると水分が蒸発して、乾燥し、感染性を失うためだ
2) 物を介する感染:粘液性のある大きな飛沫は外側が乾燥しても内部のウイルスは感染性を保持するために感染源となる。マスクの主な役割はこちらかもしれない。
3) 空気感染:咳やくしゃみで放出されたエアロゾルは乾燥して空気中に漂う。コロナでは乾燥して感染性を失う。麻疹や水痘、結核などは感染性を保持するので厄介だ。


出典:https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

陽性者は死亡理由に関わらず新型コロナによる死者とカウントか?(疑問1

NHKまとめによると、2021年2月20日時点での新型コロナによる死者数は7443人とある。この7443人の人たちは新型コロナが死因の死者と理解していた。しかし、そうでもないようだ。つまり、コロナ感染者が死亡したらコロナによる死亡とカウントするようだ。正確に言えば、PCR検査で陽性と判定された人が死亡したらコロナによる死者としてカウントするようだ。横浜市などでは明らかに死因が異なるものは除外するが、東京都や千葉県など44の自治体では真の死因を精査していない。これはどうなのだろう。疑問が残る。

出典:https://www.yomiuri.co.jp/national/20200614-OYT1T50084/

陽性者は必ずしも感染者ではないのか?(疑問2)

PCR検査を受けて陽性か陰性かを判定するがその基準がなかなか難解だ。国会質疑応答において、陽性者は必ずしも感染者とは言えないという答弁があった。これは感度と特異度のトレードオフとの関係と言える。つまり、感染者を陽性と判定する陽性的中度を高めるのか、非感染者を陰性と判定する陰性的中度を高めるのかのトレードオフだ。この両者を同時に高めることはできない。

出典:日本疫学会

PCR検査の基準は無駄に厳しすぎるのか?(疑問3)

何を持って陽性と判断するかの基準がネットで調べた範疇では見つからない。ウイルスが6万個あれば感染者なのに、現在のPCR検査はウイルスが6個あれば陽性と判断していると聞いたが、これの裏が取れない。PCR検査では微量のウイルス遺伝子の特定部位を取り出してもあまりに微量だと判定できないため、倍々に増幅している。この増幅回数をサイクル数Ctと呼ぶ。当然ながらこのCtが多いほど多く増幅されるので、陽性的中度は高まり、陰性的中度は低下する。驚くべきは、このCt値に国際基準がないことだ。このため、日本のCt値は40だけど、台湾では35で、中国は37~40、米国は40前後という。下の図ではCt>35の60サンプルから5サンプルで増殖に成功したが、5つとも重篤な病気ではなかったという。陰性的中度はどの程度なのだろう。疑問が残る。

出典:Eurosurveillance

 

厚生労働省はなぜ2類相当を5類に引き下げないのか?(疑問4)

新型コロナの感染は、飛沫感染と物を介する感染を注意すべきであり、空気感染はない。それなのになぜ、結核や水痘などと同じような法定感染症に指定するのだろう。立命館大学の上久保教授は、新型コロナを指定感染症を外すべきと提言している。医療崩壊するというのは、元気な軽症者も重篤患者と同じ対応を法的にせざるを得ないからだという。多くの有識者もインフルエンザと同程度の五類感染症扱にすれば経済問題もコロナ問題も解決すると主張している。
出典:diamond.jp

2020年8月には、2類相当からインフルエンザ相当の5類への引き下げを容認する考えも政府内で出ていたが、なぜか見送られた。なぜ見送られたのかという経緯は分からないが、再度検討すべきではないのだろうか。調べると、厚生労働省は2021年1月7⽇に2022年1⽉31⽇まで指定感染症として延長すると決めて医療関係団体などに通知した。どういうことなのだろう。なぜ、マスコミはこの辺りのことを追求しないのだろう。疑問が残る対応だ。

出典:厚生労働省

まとめ

コロナ禍は客観的に見たら鎮静化に向かっているのではないだろうか。もちろん変異種については注意が必要だが、マスコミが煽りすぎの印象がある。それよりも、陽性的中度や陰性的中度がどのように推移しているのか、2類の指定伝染病にすることが本当に適切なのか、5類への変更の妥当性や効果などをもっと冷静に研究すべきではないのだろうか。素人にとっては調べれば調べるほど疑問が残るトピックだ。

以上

最後まで読んでいただきありがとうございました。

追伸)令和3年1月22日に厚労省から検査方法についての事務連絡が出されているので、付記する。

出典:https://www.mhlw.go.jp/content/000725744.pdf

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