サイトカインは外敵への攻撃システム。ホメオスタシスは体内の神経系、内分泌系、免疫系の制御システム。素晴らしい仕組みだ。

はじめに

人類だけではないけど生命の神秘の奥は深い。ウイルスが体内に入ったことを検知して、免疫細胞が活性化して、ウイルスを退治する仕組みなどは超ハイテクだ。それでも、過剰に反応しすぎて、逆に病気に重篤になることもある。人間も機会も程々が一番と言うことだろうか。今回は、サイトカインやホメオスタシスなど聴き慣れない用語が多いけど、できるだけ分かりやすく解説することにチャレンジしたい。

サイトカインとは

サイトカインとは、細胞と細胞の間の情報伝達を行う連絡係りの役割を行うものだ。つまり、細胞と細胞がどのようにして連絡を取り合うかというと、ある物質を分泌する。そこで分泌される生理活性タンパク質をサイトカインと呼ぶ。サイトカインは、免疫系の調整や炎症反応の惹起(じゃっき)、細胞の増殖や分化の調整など様々な発症の抑制に大切な役割を果たす。サイトカインの代表的な物には、インターロイキン(IL)やインターフェロン(IFN)、増殖因子(TNF)などがある。この中で特に有名なインターフェロンは、ウイルスや主要細胞などの侵入に反応して分泌され、ウイルス増殖を阻止したり、免疫系の調整をしたりします。

(出典:中外製薬)

サイトカインストームとは

サイトカインとは、前述の通り、細胞と細胞の間の情報伝達を行う連絡係りの役割を行うものです。しかし、例えば肺の中にウイルスが侵入し、インターフェロンなどのサイトカインが分布され、免疫細胞が活性化し、感染した細胞を感染する。ここでウイルスが除去されれば良いが、何らかの理由で、過剰なサイトカインが分泌されると、正常な細胞今でも攻撃する。これをサイトカインストームと呼ぶ。新型コロナウイルスが引き起こす肺炎の重篤化の一つのメカニズムがこのサイトカインストームだ(参考)。

(出典:朝日新聞

ホメオスタシスとは

ホメオスタシスとは、外部環境が変化しても身体が常に健康な状態に保つような生態恒常制維持機能が働いていて、この恒常性をホメオスタシスと呼ぶ。身体のホメオスタシスのために、神経系、内分泌系、免疫系の3つがお互いにバランスを保ちながら、健康維持や病気治療を行う。つまり、外部からのウイルスの侵入や熱などの刺激を神経系が受けると発熱し、内分泌系でホルモンが分泌されて臓器の機能を保つ。同時に免疫系と連携して体内の異常を認識し異物の侵入を防いだり、阻止したりする。

バイオメティクス

生命の不思議を工学に生かす学問をバイオミメティクスというが、身体のホメオスアシスのために、神経系と免疫系と内分泌系が三権分立のように連携して機能しているのは興味深い。例えば、これを社内の人間関係に関連付けてみると、神経系はクレームの受付担当、内分泌系は営業担当、免疫系は保守担当といったところだろうか。お客様からのクレームを受けたら、すぐに営業担当や保守担当に連絡する。営業担当は、クレームの内容に応じて必要なエスカレーションをかける。保守担当はクレーム担当や営業担当からの指示を見ながら修理に走る(笑)。

f:id:hiroshi-kizaki:20170328184403p:plain

(出典:ameblo

まとめ

子供の世界でいえば、いじめに気づいた子供(神経系)と、その子供と連携して周辺に助けを呼ぶ子供(内分泌系)と、それに応じていじめっ子に注意する勇気のある子供(免疫系)が連携すれば、いじめを撃退できる。でも、いじめに気付かず、助けも呼ばず、助けもしなければ、いじめはエスカレーションして悲劇となってしまうかもしれない。そんなことを連想させるほどよくできた仕組みだと感心した。しかし、なぜにこれほどに精緻な小宇宙が体内に存在するのか。生命の神秘の奥は深い。

以上

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ITプロ人材のマッチングプラットフォームなら Bizlink をクリックしてみてください。
最新情報をチェックしよう!