はじめに
労働安全コンサルタントの受験勉強の時間を確保するために、本日から受験日までのゴルフの朝練習は控えることにした。その代わりに、部屋内での素振り50回して、過去問題へのトライ等を強化している。ふと疑問に感じてネットで調べていて、失業等の給付に係る積立金が急減していることに気づいたので、少しまとめてみたい。
積立金残高の推移
下のグラフは厚生労働省が発行する「雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要」からの抜粋だ。ここで注目したいのは、積立金残高が平成27年の6.4兆円から令和4年の0.05兆円に急減していることだ。受給者が急増しているわけでもない。原因は、国庫負担率を削減したためだ。平成19年に25%から13.75%に減少し、さらに平成29年には2.5%にまで削減した。つまり、国の財政改善を優先するためにこの積立金に目をつけたためだろう。
(出典:厚生労働省)
このままではやばい?
2021年12月10日のBusiness Journalにおいてジャーナリストの日向咲嗣さんは次のように記載していた。
このままでは、雇用保険財政が破綻する――。インターネット上に、そんなデマとも事実とも判別しづらい情報が流れたのは、11月18日のこと。口火を切ったのは、“中央官庁の元官僚”を自称するアカウント。その人物が「雇用保険財政がヤバイ」と、ツイッターで発言したのだ。積立金の残高推移のグラフを示しながら「リーマンとか就職氷河期より積立金が枯渇していて、保険制度としてはかなり厳しい」とのツイートは、たちまち1500件以上リツイートされ、3000を超える「いいね」が付いた。反発も少なくなかったが、これにより「雇用保険は破綻寸前」との認識が一気に広がっていった。情報源は、 “自称元官僚”がツイートする少し前に、厚労省のサイトにアップされていた翌日開催の審議会資料である(11月19日開催の労働政策審議会・職業安定分科会雇用保険部会の資料)。確かに、そのグラフを見れば、コロナ禍前の令和元年に4兆4000億円あった積立金が、令和3年末には4000億円まで激減していることが一目瞭然。平成14年以来の危機なのは間違いない。ところが、元官僚が指摘しているリーマンショックが起きた2008年の積立金は5兆円を超えていて、枯渇などしていないことも、これまた一目瞭然だったが、直近の危機に目を奪われて、誰もそのことには気づいた様子はなかった。この情報を、国会議員の文書通信交通滞在費(文通費)について発言していた橋下徹氏が「こういう改革も文通費に敏感な者たちの集団でないと無理」と引用リツイートして、文字通り賛否両論の意見がさらに広がっていったのだった。
(出典:2021/12/10のBusiness Journal)
まとめ
法政大学の経営大学院に入学することを決意したのは、学費の200万円のうちほぼ半額の100万円以上が補助金として支給されるためだった。このような大判振る舞いが可能となったのは、失業者が減少し、積立金が増大したため、失業保険率を下げるかどうかの議論があり、保健料率を下げるのではなく、必要な支出を増やすべきという結論だったと漏れ聞いた。しかし、それだけに止まらずに国庫から負担の軽減を行うことがセットされていたと気づいた。雇用保険財政の国庫負担を25%から2.5%に減らさなければ、新型コロナという難局も乗り越えられたのではないだろうか。しかし、下げた保険料率を戻すことも、国庫負担率を戻すことも難しく、一般会計からの税金投入に踏み切るようだ。大事なことはセーフティネットをしっかりと整備することだと思うが、この辺りの議論は素人のじぶんには厳しいので、これぐらいに留めておきたい。
以上
最後まで読んでいただきありがとうございました。
拝