昆虫は5億年前から生きる大先輩だ。昆虫の生態研究の先にロボティクスの未来はあるか。

はじめに

今日は昆虫の話です。参考にしたのは、やはりTED-Ed動画だ。人が誕生したのはせいぜい700万年前だけど、昆虫が誕生したのは今から5億年も前のことだ。昆虫にもさまざまなタイプがあったと思うが、現在も生き残っている昆虫には、協力し合うという遺伝子が強いという。例えば、黒大蟻と油虫とてんとう虫の関係では、黒大蟻は、油虫を食べようとするテントウ虫を追い払う。その代わりに黒大アリは油虫から甘い蜜をもらう。まるでホームセキュリティセコムのような用心棒を担い、報酬を得ている。これが自然界の中で自然に構築できているのがすごいと思う。

(出典:TED-Ed動画

昆虫の脳

人の体重は平均どれくらいだろうか。成人男性で78Kg、成人女性では65kgが平均値だ。一方、ミツバチの体重は平均では90mg(0.09g)なので、人は蜂の体重の87万倍だ。一方、ニューロンの数では蜂が100万に対して、人は1000億なので、約10万倍だ。体重1kgあたりのニューロン数で言えば、蜂の1.1万個と人間の1.3万個はほぼ同程度と言える。

(出典:一色出版

バイオハイブリッド

生物の知恵を科学に活用する「バイオハイブリッド」の研究は世界中で進められている。東京大学先端科学技術研究センター神崎研究室の照月大悟特任助教は、バイオハイブリッドに関する研究を進めている。例えば、アカエイ型ロボットは、アカエイの活動方法を模倣してアカエイ型ロボットが青色の光に誘導されて移動する。例えば、下の図のような足長蜂に関して、照月教授は次のように説明される。

アシナガバチは一つの巣の中にいる多数の仲間の顔を個々に見分けることができます。オスのクロコオロギは他のオス個体と喧嘩をしますが、喧嘩に負けると一定時間回避行動を行うなど、認識的な行動をとります。昆虫は学習行動もできます。例えば、ショウジョウバエは視覚を用いた場所学習をすることがわかっています。また、私が研究しているカイコガの匂い源探索行動のように、人間を大きく超えた匂い検出能力を発揮する昆虫もいます。


(出典:minsaku

収斂進化(Convergent evolution)

収斂進化では、異なる系統の生物が環境要因などで同様の選択圧に曝されることにより似た形態に進化する現象をいう。例えば、空を飛ぶ鳥と、鳥型の怪獣と昆虫はそれぞれ全く異なる遺伝子を持つ生物だけど、空を飛ぶという目的の中で似たような進化を遂げている。下の図のように一見異なる分類にもドライバー遺伝子に変位が生じる可能性が指摘されている。


(出典:EurekAlert

ロボティクスへの応用

日本では人型ロボットというと鉄腕アトムのようなロボットやペッパーのようなロボットを連想しやすい。しかし、例えば、幅数mmのアリを分解して、これを精緻に再現するような蟻型ロボットのようなものが開発するような研究も進められている。これらに通信機能を具備させれば、バイオIoTになるのだろうか。


(出典:MDPI

まとめ

今日は虫の脳や虫の器官の精密さに驚くとともに、ロボティクスへの応用の可能性に期待感が高まる。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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