はじめに
大学の図書館の雰囲気は好きだ。京都にいる時は同志社大学や京都大学の図書館によく通った。名古屋に単身赴任していた時は名古屋大学のキャンパスや図書館を利用させてもらった。縁あってこの10月からは東京大学大学院の科目履修生として東京大学のキャンパスを学生の立場になったことはすでに投稿した通りだ。東京大学の総合図書館に入るのは今日でまだ2回目だけど結論から言うと素晴らしい。どこが良いのかと言う点と、さらに改善して欲しい点の2点について考えてみた。なお、アイキャッチの画像は東大総合図書館とは関係ないのでご承知おきください。
東京大学本郷キャンパス
大学別のキャンパス敷地面積ランキングでは、トップが九州大学の246ha、2位が金沢大学の192ha、東京大学は10位の61haだ。そのうち、本郷キャンパスだけでも、土地面積で402,682㎡(約40ha)だ。コロナ禍対応で現在は閉じられているが、東京大学の代名詞とも言う赤門は、加賀藩第 13 代藩主前田斉泰が徳川第 11 代将軍家斉の息女溶姫を正室として迎えるにあたり、その住まいである御守殿とともに 1827(文政10)年に建立された朱塗りの門で、正式名称を旧加賀屋敷御守殿門と言う。なぜ加賀藩が現れるのかといえば、そもそも江戸時代には、この地の大部分は加賀藩上屋敷によって占められていたからだ。広々としたキャンパスは銀杏並木など自然が多く、散歩するだけでもリフレッシュする。
(出典:Google)
東京大学総合図書館
東京大学には、学部別の専門図書館と総合図書館がある。総合図書館には蔵書が約130万冊、内外の貴重なコレクションを多い。明治10年(1877年)の東京大学の開学以来140年の歴史を有しています。
(出典:筆者の撮影)
吹き抜けの大階段
図書館に入ってびっくりするのは、正面入り口の目前に1階から3階までの吹き抜けの大階段だ。大理石が張り詰められていて、その階段全幅を真紅の絨毯が敷かれている。まるでハリウッドスターが駆け上るレッドカーペットだ。映画の舞台に出てきそうな素晴らしい設計だ。
(出典:総合図書館)
本館3階がメイン
図書を閲覧するのは本館3階がメインだコの字になっていて、蔵書がぎっしりと並んでいる。4階はアジア研究図書館となっていてアジアを中心に各国の原書が並んでいる。2階はプロジェクトボックスが並んでいるが、残念ながら今は使えない。これが使えると嬉しい。1階は幅広いジャンルの雑誌や新聞などを閲覧できる。5階は簡単な休憩室になっている。
(出典:東京大学)
素晴らしい点
図書館の雰囲気
吹き抜けの大階段には驚かされるが、閲覧フロアの装備も素晴らしい。明治か大正の時代にワープしたような重厚な雰囲気だ。土曜日の午前中は学生も少なかったが、午後になると学生が増えてきた。総合図書館は、年末年始などを除き、平日は9時から22時半まで、土曜・日曜・祝日は9時から19時まで利用できる。
充実した図書
図書の検索ツール(OPAC:Online Public Access Catalog)も充実している。OPAC端末で探している図書のキーワードを入力すると、どこの図書館のどのフロアのどこにあるかがすぐにわかる。必要があれば印刷もしてくれる。図書が保管されている場所もコードを見ればすぐにわかる。図書館の良いところは、調べたいキーワードで図書を見つけ、その図書が並んでいるところには読みたい本が揃っていることだ。今日も、チーズのことを調べたくて、OPACでチーズと入力すると、チーズに関係する図書が複数表示されたけど、ほぼ保管されている場所は同じだったので、まとめて閲覧できて便利だった。
Wi-Fi完備・電源完備
最近の図書館では、Wi-Fi完備と電源完備は当然だけど、その当然のことをきちんと対応しているのが嬉しい。ただし、全ての閲覧コーナでパソコンを使えるわけではないけど、感覚的には半分程度は使えるので、全く不便はない。広い机の上で、調べた本を並べられるだけ並べて研究に没頭できる。こんな幸せなことがあるだろうか(笑)。夏目漱石の三四郎はこの辺り本当に上手に描写しているので引用する。
その翌日から三四郎は四十時間の講義をほとんど半分に減らしてしまった。そうして図書館にはいった。広く、長く、天井が高く、左右に窓のたくさんある建物であった。書庫は入口しか見えない。こっちの正面からのぞくと奥には、書物がいくらでも備えつけてあるように思われる。立って見ていると、書庫の中から、厚い本を二、三冊かかえて、出口へ来て左へ折れて行く者がある。職員閲覧室へ行く人である。なかには必要の本を書棚からとりおろして、胸いっぱいにひろげて、立ちながら調べている人もある。三四郎はうらやましくなった。奥まで行って二階へ上がって、それから三階へ上がって、本郷より高い所で、生きたものを近づけずに、紙のにおいをかぎながら、――読んでみたい。けれども何を読むかにいたっては、べつにはっきりした考えがない。読んでみなければわからないが、何かあの奥にたくさんありそうに思う。— 夏目漱石、『三四郎』
改善してほしい点
館内カフェテリア
昨日は朝9時のオープンとともに入館して、色々と調べ物をしていた。12時になるとお腹が空く。結局キャンパスを一回出て、ピアノの生演奏をしているレストランでハンバーグ定食を頂いた。美味しいけど、どちらかといえば雰囲気が良い店だった。でも、Wi-Fiも不十分で、電源もないため、早々に図書館に舞い戻った。総合図書館の5階には簡単に休憩コーナーがあるが、もう少し自販機を増やすとか、軽食をいただけるカフェテリアとかあれば繁盛するのにと思う。まだ、別館の地下1階は訪問していないけどライブラリープラザと、地下2-4階の自動化書庫は2018年(平成30年に開館している。
個室閲覧
図書館の閲覧コーナでは基本マスクをして、無言を強いられる。電話がかかってきた時や、会議をしたいときに、個人で使えるような個室があると助かる。2階には、セミナールームが並んでいるが、半分が工事中だった。使い方もよく分からないので、もう少し調べて、トライしよう。別館地下には閲覧個室があるようなので今度行く時はチェックしてみたい。一人一人がゆっくりと作業できる場所は貴重だ。
まとめ
自宅から総合図書館までちょうど1時間ほどか。東大の最寄駅には、本郷三丁目と東大前、根津駅などがあるがどこからもそれなりの距離だ。これから何回ぐらい通うのだろう。残念ながら授業は対面ではなく、オンライン(ZOOM)だけど、リアルな図書館は魅力的だ。しばらく通って総合図書館の図書を読み尽くすぐらいに活用したいと思う。
以上
最後まで読んで頂きありがとうございました。
拝