はじめに
土谷教授の著書「クオリアはどこからくるのか?」を読んで感じたことを「意識を意識したことがありますか?」という書き出しで、アマゾンに投稿した。今後、意識や感情、心、感性などについての研究が進むことを期待する。今日は意識は一体身体のどこで処理されているのだろうという素朴な疑問から松果体という内分泌線に注目してまとめてみた。
第3の眼
松果体(Pineal Gland)とは、脳に存在する小さな内分泌線だ。大脳は左脳と右脳に分かれているが、松果体はそのちょうど真ん中にあるというのが特徴だ。松果体は、セロトニン由来のホルモンであるメラトニンを産出する。いわゆる体内時計とも関係していると考えられれている。人の松果体はグリーンピースほどの大きさ(8mm)で、赤灰色だ。脊椎動物のほぼ全ての種は松果体を有している。松果体は生物進化の観点からは、萎縮した視細胞である。両生類や爬虫類の一部では光を感知する頭頂眼と呼ばれる光を検知する器官と連結しており、その意味から松果体は第三の眼と呼ばれる。
(出典:シャルル・ボネ症候群)
ギリシャの医学者ガレノスによる論
ローマ帝国時代のギリシャの医学者であるガレノス(129年頃から200年頃)は、解剖学的著書「身体の部位の有効性について」をまとめ、その知見は17世紀まで医学的思考を支配した。その著書の中でガレの図は松果体を「魂の最初の道具」と表現した。
スピリチュアルな側面
松果体は第3の眼として次のような記述もあった(参考)。子供の頃は松果体が大きいけど思春期に縮小するというのは本当なのだろうか。
松果体は子供では大きいのに対して、思春期になると縮小し、メラトニンの生合成量も減少する。性機能の発達の調節、冬眠、新陳代謝、季節による繁殖に大きな役割を果たしているようである。なお、松果体腫瘍とは違って、松果体の石灰化はヒトの成体においてよく見られる変化である。16歳を過ぎた頃から、松果体にはカルシウムやマグネシウムが盛んに沈着するようになり、やがて石灰化して、X線撮影をすると骨と同じように容易に見えるようになる。
ルネ・デカルトの人間論
フランス生まれの立つ学者であり数学者であり、合理主義者の祖であるルネ・デカルト(René Descartes、1596年3月から1650年2月)は、二元論として、世界には物質と精神という全く異なる実態があることを提唱した。デカルトは、大脳も中脳も小脳も左右に分かれているのに、なぜか松果体飲みが脳の中で左右に分かれていない唯一の器官と信じた。デカルトは魂は身体全体と結合し、魂は身体のどの部分にも存在していると指摘した上で、松果体の役割を重要視した。
チャクラの観点
チャクラとは、タントラまたはヒンドゥー教の秘教的あるいは内的伝統と総称される古代の様々な瞑想法である。チャクラの定義は宗教により異なる。多くの仏教では5つのチャクラに言及するが、ヒンズー教では6つもしくは7つのチャクラに言及している。下の図では、第6のチャクラが眉間で第3の眼、つまり松果体を示しているようだ。
(出典:チャクラを整える)
まとめ
人間は右脳と左脳で機能分化が進み、脳梁も発達している。脳には二人のパーソナリティが存在するともいうが、これを束ねている脳梁に意識があるのだろうか。それとも松果体に意識があるのだろうか。それとも魂というものは全身に存在するのだろうか。松果体が子供の頃に大きくて、思春期になると小さくなるというのは本当なのだろうか。松果体の神秘の構造を科学的に解明することができれば、テレパシーのようなSF的な行動も実現のものとなるのだろうか。今回は、ほぼ呟きのレベルでした。
以上
最後まで読んで頂きありがとうざいます。
拝