はじめに
農業の自動化の現状と課題として、4月27日に受けた深尾教授の講義で気づいたことを2回に分けてすでに投稿した。TED-Ed動画を見ていると、農業に関するものがあったので、今日はこれにした。古代からのグローバルな観点から論じていて、これはこれで興味深い。関心のある方は視聴してみてほしい。
(出典:TED動画)
農業の起源
農業の起源は人類の起源とも密接に関連する。地球は46億年前に誕生した。そして初期の猿人が700万年前から440万年前、猿人が420万年前から140万年前、さらに原人が250万年前から5万年前に出現したと言われている。ネアンデルタール人等の旧人が35万年前から4万年前、そしてクロマニョン人等の新人類が20万年前以降に出現した。ただし、人類が猿人→原人→旧人→新人と直線的に進化してきたわけではない。過去にはさまざまな種類の人類が存在したけど、大多数の系統が絶滅して、生き残ったのが現代人に進化したということだ。個人的な関心ごとは右脳と左脳の機能分化が進んだのがいつの時代だったかだけど、ここでは農業の話に戻そう。農業の起源は1万年前ということになっている。ただ、これも異論がある。日本においては縄文時代は今から13,000年くらい前から2,300年くらい前までの約1万年間とされており、この時期には栽培もしていた。世界最古の農業はどこだったのか。
(出典:世界の歴史マップ)
地球の約40%は農場
国連食糧農業機関(FAOによると、世界の農地面積は約50億ヘクタールだ。これは世界の地表面積の38%に相当する。この約3分の1が農地利用で、残り3分の2は家畜を放牧するための牧草地だ。農地の約10パーセントが果樹、アブラヤシ農園、カカオ農園などの恒久的な作物に利用されている。さらに21%が灌漑用地となっている。世界の人口は増え続け、1961年から2016年の間に2倍以上に増えており、食料に対する需要はより高まっている。世界の一人当たりの耕作地面積は、1961年から2016年の間に連続的に減少している。下のグラフに示すように、1961年には一人当たり約0.45ヘクタールだったものが、2016年には0.21ヘクタールにまで減少している。
(出典:FAO)
最初の農業の特徴
動画では初期の農業は拡大と搾取(expansion and exploitation)が特徴的と断じていた。つまり、森林を伐採し、樹木を取り除き、開墾して、農地としたという意味だ。これは実は現代も続けられている。国連の報告によると、2015年以降毎年失われる天然林の面積は約10万平方キロメートルだ。世界の森林破壊は熱帯を中心とした限られた地域で起きている。2010年から2030年までに起こる森林破壊の約80%は、下に示したようなエリアに集中している。急速に進む森林破壊の原因はさまざまな需要が引き起こしている。そこで生産されている農作物や木材、紙、また採掘される石炭や金属などは、日本を含めた世界中の国々で利用されている。このままの勢いで森林破壊が続けば、地球上からは緑が失われてしまうことになる。
(出典:WWF)
これからの農業の特徴
これからの農業はいかにあるべきか。これまでのような環境破壊は許されない。世界中の人々が安全に安心して生きていけるようにするには、動画の中では、食品ロスの削減を通じて食糧生産の最適化と世界的な植物性食生活への移行の両方を進める必要があると指摘している。農業革命はそれぞれの地域の特性や状況に合わせて行われるべきだろう。例えば、日本では農業従事者の高齢化が進んでいるため、農業の自動化や省力化が待ったなしの課題だ。一方、人手の問題がまだ顕在化していないエリアであれば、より経済的な農機具で農業の生産性を高めることが重要だ。どのようなエリアでも状況の見える化を通じて、食品ロスなどの無駄が生じないように、少ない農薬で効果的に農作物を飼育すること、自然社会のエコシステムに対する深い理解を示し、自然との協調を進めることなどが挙げられる。
(出典:YouTube)
8つの質問
すでに記述したものも多いが質問とその回答をレビューしてみたい。
Q1) How long ago did humans begin to farm?
人類が初めて農業をしたのはいつかという設問だ。動画では1万年前と解説していた。
Q2) True or false? Approximately 60% of our planet is farmland.
地球の地表面積のうちの約38%が農地や放牧地だ。動画では60%ではなく、40%と解説していた。
Q3) What are some characteristics of the first agricultural revolution?
初期の農業の特徴は何かという設問だ。動画では「expansion and exploitation(破壊と搾取)」と解説していた。
Q4) What are some characteristics of future farms?
将来の農業の特徴についての設問だ。選択肢には、「Low-cost agricultural practices(低コストの農業)」、「Use of high-tech interventions such as drones and sensors(ドローンやセンサーなどの最新技術の活用)」。「Intertwined farmland and natural habitats(農地と自然の共存)」;「All of the above(これら全て)」が選択肢として示されていた。これら全てが正解だ。
Q5) Revolutionizing farming will require
革新的な農業に求められるものはないかという設問だ。「A global shift toward plant-based diets(世界的な植物性食生活への移行)」と「Optimizing food production and reducing food loss(食料生産の最適化と食料ロスの削減)」があり、この両方だ。
Q6) The first agricultural revolution had many damaging effects on the environment. What are some of the long-term negative effects of the first agricultural revolution?
第一次農業革命は、環境に多くの悪影響を及ぼしましたが、どのようなものがあったかという設問だ。第一次農業革命は、森林の木を切り、その土地を農業のための平地にさせたなので、英語にすると「The first agricultural revolution is cut wood in the forest and let the land like a plane for agriculture.」という感じか。
Q7) Many farmers around the world are using low-cost agricultural practices that are eco-friendly. Can these practices be adapted and used worldwide? Or they specific to local environments?
世界中の多くの農家が、環境にやさしい低コストの農法を実践しています。これらの農法は、世界中に適用できるか。それとも、その地域特有のものかという設問だ。農家は環境にやさしい低コスト農法を試みているが、それは世界的な方法ではなく、ほとんどが地域的な方法であると考えるので、英語では「The farmers try to use low-cost agricultural practices that are eco-friendly but it is mostly local not the global way.」という感じか。
Q8) To revolutionize the future of farming, we will need global cooperation. What are some ways countries around the world can work together to conserve our existing farmland and use them sustainably?
これからの農業に革命にはグローバルな協力が必要だ。既存の農地を保全し、持続的に利用するために、世界各国が協力する方法にどのようなものがあるかという設問だ。これからの農業は、センシング機器やコンピュータを使って、適材適所、適時、適切な方法で実現される。また、そのデータは蓄積され、ビッグデータとして、より効率的な農業のあり方に活用されると考えたので、英語では「Future farming will be realized in the right way, right time, and right place by using sensing equipment and computer. Also, the data will be accumulated and will be used as big data for a more efficient way of agriculture.」というか感じか。
まとめ
深尾教授の講義に続いて農業について考えてみた。地表の38%が農場や放牧地とは知らなかった。人口の増加に伴って、食糧への需要が増大すると食料の供給量が増大した。今後もさらに農作業の高度化により、農作物の収穫高は増大するだろう。心配なのは効率化を重視しすぎると、リスクに脆弱な体制になることだ。様座な植物がkんざいして生きているような大自然に近い生物環境を構築することが求められているのだろうと思う。
以上
最後まで読んで頂きありがとうございます。
拝