はじめに
東京大学の図書システムで脳に関する図書を数冊取り寄せた。そのうち、興味深い内容だと思った4冊について、気になる点を備忘メモとして残しておいた。右脳と左脳の役割分担についてもっと詳しく知りたいと思った。このブログでも脳に関して検索すると108個もヒットした(参考)。
書籍1:脳
著者:アイザック・アシモフ
訳者:桜井靖久
出版:白揚社
概要:
・アリストテレス(BC384-322)は、脳は血液の冷却装置だと思っていた(p12)。
・甲状腺腫の多いスイス地方の外科医は、1883年に特に理論的根拠もなく、46人の甲状腺腫を完全に切除した。その結果、甲状腺を完全に摘除すると生命にとって危険であることがわかった(p36)。
・神経繊維は、ニューロンと言われる神経細胞の一部である(p78)。
・誕生時の人の脳は約350gであり、成人の脳は平均1,450gである(p100)。
・最大の象の脳は6,000g、最大の鯨の脳は9,000gである(p101)。
・大脳皮質100億の神経細胞は、神経インパルスに伴った化学的電気的変化を受ける(p114)。
・言語運動を支配するブローカの中枢は右でなく左大脳半球にある。大部分の人が右利きだとも説明できる。しかし、左手利きの人々でさえ、通常は左大脳半球が優勢である(p120)。
・人間の光受容体は、錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)という2つの細胞によって作られている(p185)。
・生涯に脳に記憶できる情報量は、1,000兆ビットと計算される(p221)。
書籍2:脳の力
著者:塩月正雄
出版:読売新聞社
概要:
・エチケットとはそれぞれの社会の人々との付き合い方の規則であり、マナーとは他人に対して自分がとるべき処置や態度である(p.11)。
・エチケットは自分の意思がなくても守れるが、マナーは自分の脳の力で判断する以外にない(p12)。
・誰もができるエチケット(規則)を守るのはやさしい。しかし、百万人といえども我行かんと世情の風習に抗っても人の心を守るマナーを示しえる人物は少ない(p14)。
・高度に発達した脳は、2−3分間でも血流が止まってしまうと草ってしまう(p23)。
・成人の脳には1時間あたり45リットルの血液を送り込む。体全体の約20%に相当する。そこに含まれる酸素は3リットル、ブドウ糖は4g(p23)。
・脳細胞は約数100億個だ。赤ちゃんの全身の細胞は約2兆個で、成人だと50兆個になる。3年で約80%の細胞は新しい細胞と入れ替わる。しかし、脳の細胞は入れ替われない。
書籍3:「頭のいい人」は脳をどう鍛えたか
著者:保坂隆
出版:中央新書
概要:
・脳は約140億個の細胞で構成されている(p4)。
・人の脳は、全体では約1,000億個。大脳だけも約140億個もの細胞で形成されている(p19)。
・シナプスは1つの神経細胞に平均で1万個、多いものでは10万個ほどついている(p20)。
・能力の大変は普段水面下で眠っている(p21)。
・普通の人は生涯に神経細胞の5%程度しか使わない。アインシュタインでさえ8%程度しか使っていなかった(p22)。
・脳は70歳になっても機能をアップできる(p25)。
・脳は楽しいこと、心地のいいことが大好き(p27)。
・脳が疲れている状態のままで鍛えようとすれば、むしろ逆効果(p30)。
・サルは片方の脳を削除しても頭の働きにはほとんど影響がない(p155)。
・どの民族でも右利きと左利きの比率は大体9対1ぐらいの割合(p158)。
書籍4:感情を持つ機械
著者:N・コールダー
訳者:中村嘉男
出版:みすず書房
概要:
・人類が自然界で生き残り、今日まで発展してきたのは、高度に発達した推理力を保有するためだけではなく、この能力が他の諸々の知的能力と釣り合っていることにもよるのである(p18)。
・げんぞんする少数の狩猟種族の特徴である寛容と慎みは立派な行いの一つの手本であるが、文明が人々の行動に与えた功績もまあ過小評価すべきではない(p18)。
・脳細胞そのものを刺激しても痛みは起こらない(p24)。
・感覚器からの情報が不十分であると、脳は感情的に動揺するかもしれない(p43)。
・松果体は、脳幹の背側にある西洋梨状の腺であり、ルネ・デカルトが、人間の魂の座であるとみなした(p49)。
・口の渇き、胃の痛みなどは実は脳がでっち上げたものだからである。感情あるいは動因が発するのは脳からなのである(p70)。
まとめ
以前、TEDの動画を視聴して言語を操れるのは人類だけか(参考)を投稿した。イルカやサルも言語を話せそうだけど、人類が使う言語とはレベルが全然違う。この理由を知りたいと思った。個人的な仮説だけど、人類は右脳と左脳で役割分担をしているけど、イルカやサルは左右の機能が同じだ。つまり、人類は機能分担しているけど、イルカやサルは負荷分散だ。特にイルカは人類に匹敵するほど知能が高いけど、24時間完全に眠ることはなく、少なくとも一定の間隔毎には水面に浮上して呼吸する必要がある。サルも外敵に襲われたらすぐに逃げることが大事だ。その意味ではネアンデルタール人の左脳と右脳は機能分化していたのだろうか。もし、右脳と左脳で機能分担が起きると、右脳では例えばイメージを処理し、左脳では言語を処理する。つまり、例えばりんごを見たときに、これはりんごだと右脳も左脳も認識する必要があるけど、それを認識するには、りんごという固有名詞が必要だ。逆に言えば、固有名詞のないものは認知されず、見えていても見えない。聞いていても聞こえない存在になるのではないだろうか。そのような記述を探したけど、残念ながら見つけることはできなかった。論文などをもっと調べてみたい
以上
最後まで読んで頂きありがとうございました。
拝