神山まるごと高専:教育界のイノベータが激励する熱い円卓会議だった。

はじめに

これまでも何度か神山まるごと高専(仮称)については投稿した。本日久しぶりに神山まるごと高専の円卓会議があり、非常に興味深かったので、感じたことをまとめたい。我々は微力だけど、無力ではない。一人一人の力は小さいけど、志を持って突き進むことは本当に素晴らしい。その意味ではこのプロジェクトを実践する皆様には尊敬しかない。

鈴木寛(すずかん先生)

日本の教育者であり、社会学者であり、元政治家でもある。1964年2月5日生まれ。現職は東京大学の公共政策大学院の教授や慶応義塾大学の教授だが、日本の教育をなんとかしたいという強い思いに溢れた人材だ。

23%の意味

すずかん先生が最初の発言は23%の意味だ。1980年代には子供のいる世帯は46.2%と約半数だった。しかし、2017年にはこれが23.3%まで減少した。4分の1以下だ。これが何を意味するかと言えば、日本の世帯の75%には子供がいない。これが政治家が教育費に税金を投入できない理由だという。確かにそうかもしれないけど、子供のいる世帯ではなく、子供もしくは孫や曽孫のいる世帯にすれば、比率は逆転するのではないだろうか。

(出典:流転三昧

子供・孫のいない世帯は約4割

子供を持たない女性の比率は、1990年で約38%だ。逆に言えば62%は子供を持つ。しかし、その子供が子供を持たない、つまり孫を持たない比率が11.9%なので、合計すると50.2%とほぼ半数が子供持たない、もしくは孫を持たない比率だった。

(出典:国立社会保障・人口問題研究所

高等教育に対する公財政支出の対GDP比

対GDPでの高等教育の比率は、OECD平均で1%強だが、日本は38位と、0.5%と出遅れている。ただし、これは2004年での調査である。初等教育から高等教育までの教育機関に対する支出のGDPの比率を2021年9月に発表した結果を見ると、日本はOECD加盟国の下位25%に入った。2018年は加盟国の平均支出がGDPの4.9%だったが、日本はわずか4%にどどまっていた。これはまずい。

(出典:文部科学省

神山まるごと高専開校へのマイルストーン

すずかん先生が絶賛しているのが神山まるごと高専だ。何が素晴らしいかと言えば、世界で競争力のある教育機関が高専であり、社会で使える学生が高専。高専の強みや、相対性理論を理解でき、かつハンダごてを使えること。つまり、高度な理論も理解するし、泥臭い実技もできる。そんな高専に目をつけた寺田さんを絶賛していた。

神山まるごと高専とは

現在の構想では、学費ゼロを目指している。東京大学でも苦学生の入学を広げてから良くなった。ハングリー精神の高い学生を集めて、育てて、社会との循環を目指す。もうワクワク感しかない。

育てる学生像

神山まるごと高専が目指すのは、デザインとテクノロジーの両面に秀でた学生だ。仲間と一緒につくる力、隣人と生きる力、そしてコトを起こす力。これがモノをつくる力に通じる。それが育てる学生像だ。

高専卒業後のキャリアパス

神山まるごと高専のチャレンジングな目標は、その卒業後のキャリアパスだ。なんと就職を30%、進学を30%、そして起業を40%としている。この40%の起業は簡単ではないが、ここを徹底的に鍛え、支援するのが神山まるごと高専の最大の特徴だ。

開校に向けての予定

ほぼ1年後の2023年4月に開校だ。まだ校舎もできていないという。湘南藤沢キャンパス(SFC)も開校時には校舎もなく、生徒も先生も一緒に建築現場で汗を流した。そんな経験も素晴らしいし、いまだにSFCの一期生は結束が高いという。基本全寮制なので、校舎よりも学生寮の方がまずは優先かもしれない。
 

まとめ

何かを変えようとした場合には、マスを変えるのではなく、まず一人を変える。そして、その一人が二人を変える。二人が四人を変える。そんなふうに指数関数的に変化を起こすことができれば、大きな変化を実現する。一人一人説得して、挫けながらも諦めずに粘り強く頑張る。最初反対していた人も時間をかけると強力な賛同者、協力者になる。そんな力強いエールをすずかん先生が励ましていた。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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