はじめに
2015年に技術士(電気電子部門)にチャレンジ。合格を前提に技術士(総合技術監理部門)にトライして奇跡的に運良く合格することができた。そもそも資格取得の勉強を始めたのは、息子の中学受験の勉強が始まった時だ。こどもが一生懸命に勉強しているのに、父親はゴルフか昼寝ではどうかと妻から叱責を受けたのがきっかけだ。息子の受験勉強に合わせてモバイル系のMCPC2級の受検勉強を始めたのが2009年だ。
資格チャレンジの始まり
2009年当時は、携帯電話の電波対策や電波調査の仕事を担当していた。モバイル系のMCPC2級の資格は、会社からも推奨されていたのでトライすることにした。テキストを勉強すると、非常に体型的に整理されているのと、そもそも自分の担当分野でもあるので、一気にのめりこんでしまいました(笑)。首尾よく合格し、その翌年の2010年にはMCPC1級に受検して合格した。さらにその翌年の2011年にはMCPCのSMC(Senior Mobile Consultant)に受検して合格した。1番の難関は1級で出題された計算問題だけど、これも勘が的中したのはラッキーだった。
コンサル系の資格
MCPCのSMCはコンサルタントと名打っているが、SMCだけを取得したらすぐにコンサルができるわけでもない。また、MCPCと連携した資格にITコーディネータがあったので、面白そうだったので、翌年の2012年はこれにチャレンジして合格した。このITコーディネータは集合研修を何度もなんども行い、その時に一緒してもらった仲間や講師の方とは今も交流がある。ただ、これだけでもコンサルできる訳ではない。
IEEE WCETへのチャレンジ
息子も中高一貫校に入学したし、どうしようかなあと思案していたら、MCPCが連携しているIEEE WCETと言う英語の難しい資格取得を勧められた。モバイル無線技術の専門資格だ。説明会に参加したら、まだまだ合格者は少ないので、希少価値もありそうだとこれにチャレンジすることにした。2013年春の試験ではわずかに数点不足していて、IEEE本部の女性から「惜しかったね。あなたの職歴に興味があるので、ぜひもう一度トライして!」と英語の激励のメールをもらった。根が単純なので、女性からの激励に感激して、再度秋にトライして、見事に合格した♪その後も機会が合えば、IEEE WCETの研修の説明会や講習会にはお手伝いをさせてもらうことになった。2012年から2019年まで年2回ほどの説明会や研修会で体験談を話したり、受験のコツのような講師をさせてもらった。その時の経験や知見はその後に非常に役立った気がする。IEEE WCETについては、次のブログを参照。
技術士へのチャレンジ
その頃会社から、技術士にチャレンジして合格したら50万円の報奨金を支払うというキャンペーンを企画しているのを知った。建設業法という法律があり、下請け工事会社に4000万円以上を支払うような案件には専担の監理技術者を指定する必要があるが、この監理技術者になるのが難しい。しかし、技術士を取得すると簡単の講習会に受講するだけで、監理技術者になれるためだ。技術士は、学生時代にもなれるといいなあと僚友と話し合ったこともある。技術士は、文科省が認定する国家資格で、技術部門最高峰の資格とも言われているだけあって、ハードルが高い。まずは一次試験。これは選択式の筆記試験だが、ジャンルが多く、特に理科や化学、数学など文科省らしい出題が多い。特に苦手な化学には手を焼いたが、当時大学受験を目指していた息子に指導を請うと「え、これ基本問題よ」と優しくバカにされた(涙)。。。
一次試験がなかなかむずい
奮起して頑張って勉強し、なんとか基準を大幅にこれる好成績で合格した。でも、これには理由があって、本来は電気電子部門を目指すので、一次試験も電気電子部門を目指すのが自然だが、この電気電子部門の試験問題がむずい!昔習ったブリッジの抵抗とかインピーダンスとかの解き方はすっかりと忘れた!というか授業などほとんど寝ていて理解していない。技術士試験の場合には、一次試験の部門と二次試験の部門は同じでなくても良い。どこかの部門の一次試験に合格していれば、20の部門のどこでも二次試験を受けられる。
経営工学で一次試験を無事突破
このため、どの部門の一次試験なら合格できそうかと情報部門や経営工学部門、環境部門とかを見てみると、意外と経営工学部門の合格率が高い。しかも、問題も知識レベルが多く、興味のある部門も多い。これならいけそうと経営工学部門を選択した。知らないことが多かったが、その分大変勉強になった。特に、工場経営とか、モーションスタディとか、財務分析とか、20年以上前に中小企業診断士の勉強をした時の記憶が蘇ってきた。
技術士の二次試験へのチャレンジ
ということで、一次試験をクリアして、二次試験に臨むが、経費節減の大号令があり、報奨金の件は終了と連絡を受ける。それはないでしょう!と憤慨するがもう受験モードに突入しているので勉強を継続した。高額な外部研修の費用は全額補助してくれるので助かった。しかし、この二次試験がまたムズイ!専門分野も発電とか、送電とか、電気設備とか、強電分野の出題も多い。筆記試験もまたムズイ!600字詰めの原稿用紙で合計7枚(1枚ものx2、2枚ものx1、3枚ものx1)も書くので、書く能力が求められる。
添削では真っ赤
会社からの支援を受けて、NTT系の添削を受けるが、これが書いても書いても、真っ赤になって返ってくる。褒められることは10回に1回ぐらいで、残る9回は論旨不明、浅い、5W1Hになっていない、起承転結になっていない。。。もうボコボコ。
技術ノートも作成しようとするが、いまいち乗らない。うまくいかないということでスランプ気味の時に、受けたセミナーで技術ノートの作り方を学ぶ。字を書くことが嫌な私は、パワーポイントで枠組みをつくり、これに編集していく方式に強く賛同し、その後一気に100枚の技術ノートを仕上げる。そして、この技術ノートを見ながら600字の論述をして、過不足を感じた部分を踏まえて技術ノートを加筆・修正する。
技術ノートでの特訓
これを2−3回繰り返すことで、技術ノートの質が一気に高まるとともに、書く技術が格段に向上した。さらには、論述した内容をスマホで録音して、日々ヒアリングすることで、論旨の流れの悪いことに気づいたり、キーワードが適切でないことに気づいたり、そして内容の記憶への刷り込みに成功した。これは非常に有効な勉強方法だった。
電気電子部門に合格後のチャレンジ
このようにして電気電子部門の受験に十分な手応えを感じたので、口頭試験を待たずに、筆記試験合格のタイミングから総合技術監理部門の勉強を開始したので、無事ストレートで合格できた。ただ、総合技術監理部門では、すきやき塾の鳥居先生に直接指導をお願いしたが、これがまた辛口だった。もうボロクソに言われ、一般に合格した翌年に伯をつけるために総監にトライする輩が多い=私のこと?。論文を書いても、書いても、ボロクソ。もうくじけそうになったが、なんとか自分を信じて、耐えて、勉強を継続したのが大きい。
SukiYaki塾の鳥居先生の特訓
総合技術監理部門では口頭試験も難関だ。鳥居先生にお願いした1回の予定が、3回まで増えた。1回目はもうボロクソというか、自分でもダメだと思った。2回目は自分ではまあまあと思ったけど、やはりダメ出しがいっぱい。最後の3回目でなんとか及第点をもらえたが、この3回がなければ、とても口頭試験を合格することはできなかったと思う。
口頭試験にチャレンジ
しかも、口頭試験は午後の1時からなのに、当日は会場のスタジオ8に9時に行き、月刊技術士を読んでいたら、興味深い記事があったので、その部会に参加したいと幹事の方にメールした。しかも、午後から総監の口頭試験でドキドキしているという余計なことまで書いていた。口頭試験では、予想した質問はほぼなく。変化球がいっぱい飛んでくる。「筆記試験での論文の内容は面白いが、なぜこの内容を書こうと思ったのか?」と聞かれる。でも、その表情がポーカーフェイスでとても褒められているようには感じない。何を答えても、表情に変化がない。ああ、これはダメだ。滑ったと完全に諦めた。
再チャレンジを決心
指導頂いた先生には、当日の状況を報告して、せっかくご指導いただいたのに、今回はダメですね。また、もう一度チャレンジしますと伝えた。ただ、先生からは、質疑応答の内容は悲観するほどでもないので、大丈夫でしょうと言われた。落胆していた私にはとても嬉しかったが、正直心ない慰めにしか聞こえなかった(涙)。
まさかの合格・まさかの再会
その日の夕方幹事さんからメールの返信があったが、口頭試験で疲れ切った自分は無視していた。でも、合格発表の3月1日が近づいてきた時に、ふとその部会の事が気になり、同じ3月1日の部会には参加しますと連絡した。日本技術士会のホームページで合格を知り、気分最高でその部会に参加して幹事に挨拶しようとしたら、どこかで見覚えのある顔でニコニコしている。そう!あのポーカーフェイスの試験官だった!再会したその幹事の方は愛想も良く、表情も豊かで、とても親しげにあいさつしてくださった。その後も色々と話を聞くことができた。
まとめ
機会があれば、この試験官だった方にあの時のことを聞いてみたい。多分、こいつ、さっきメールしてきたやつだと、笑いをこらえるのが必死で、何を言っても、ポーカーフェイスだったのかもしれない。縁とは不思議なものです。
以上