香りは大脳新皮質を経由せず大脳辺縁系に直接作用し、心身に作用する。

はじめに

人間の舌で区別できる味は5つだけど、収穫では何百もの香りを区別できる。ワインや料理の香りをまず楽しむのは理にかなっているようだ。今日は、そんな香りの紅葉や仕組みや不思議さについてまとめてみた。


(出典:r-body

香り・匂い・臭い・嗅覚・フェロモン

香りは良い意味で使うけど、匂いとか臭いはマイナスの意味だ。フェロモンというと少しセクシーな感じだし、嗅覚というと学術的だ。それぞれの英語は下の表の通りだ。

日本語 英語 コメント
香り fragrance/incense プラスのイメージ
匂い・臭い smell/oder/stench/stink マイナスのイメージ
フェロモン pheromone セクシーなイメージ
臭覚 sense of smell 学術的

セクシーな香りとリラックスな香り

同じ香りであっても男性的なさわやかな香りと女性的な甘く魅惑的な香りがある。セクシーな香りもあれば、リラックス効果を期待できる香りもある。あなたには好きな香りがありますか?


(出典:cancam

嗅覚の効用

動物には五感があ流が、植物には五感はない。ただ、植物からは良い香りがするし、自分の存在をアピールしているように感じる。動物の中で最も鋭い嗅覚を持つのはブラッドハウンドは人間の1,000万倍から1億倍の鼻の感度を持っている。1億倍は凄すぎる。なお、鮭やナマズなどの魚類の臭覚は発達していていて、臭覚を活用して水域を特定したり、ヒエラルキーを維持している。しかし、鯨類は味覚は発達しているけど収穫は存在しない。なぜだろう。

(出典:いぬのきもち

脳のバランス

ヒトは五感の中でも特に目や耳からの情報に依存し、大脳新皮質がフル活動している状況だ。脳をバランスよく使うには、臭覚を活用するのがお勧めだ。臭覚は五感の中でも太古から存在する原始的な感覚であり、大脳新皮質を経由せず、ダイレクトに大脳辺縁系に届くので、理性が働く前に感情に直結する。香りの情報は脳の視床下部から自律神経系・ホルモン系・免疫系に影響を与えるために心身のバランスを整える効果があるという。

(出典:yomeish

脳の活性化

どのような香りが脳の活性化に効果があるかを実験した結果は、下の図に示すように、レモンが最も活性度が高いことが判明した。ラベンダーも蒸留水もあまり変わらないのが興味深い。また、日本には「身土不二(しんどふじ)」という言葉がある。これは、ヒトの身体とヒトが暮らす土地は一体という考え方だ。つまり、生まれた土地の収穫物を食べて、その土地で生活し、最後はその土に帰る。現代社会では難しいけど、土地の中で生命が循環するイメージだ。

(出典:yomeish

消臭・抗菌・殺菌作用

奈良の吉野では柿の葉寿司が有名だ。桜餅や柏餅も葉で包む。これは食材の腐敗を防ぐ昔からの知恵だ。檜も抗菌効果があるので、寿司下駄に使われたりする。日本酒も杉の樽に仕込まれているのを飲むと木の香りが鮮明なだけではなく、殺菌効果や酒の品質劣化を防ぐ効果などもあるようだ。

(出典:yomeish

嗅覚は大脳辺縁系に直結

米国の神経科学者であるコロンビア大学のリチャード・アクセル(1946年7月2日生)教授や – )は、米国の生物学者であるリンダ・バック(1947年1月29日生)と共に、臭覚系の研究により、2004年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。この研究の中で、聴覚や視覚が知的行動を司る大脳皮質を経由するのに対して、嗅覚は大脳辺縁系に直接作用していることが明らかになった。

(出典:amoreplease

動物脳を刺激し、本能が反応

前述の通り香りは大脳辺縁系に直接到達する。具体的に、鼻から嗅上皮、嗅細胞(嗅毛)、嗅球を経由して大脳辺縁系に届く。大脳辺縁系は本能的な行動や喜怒哀楽などの感情を司る所だ。これが他の五感と異なる臭覚だけの特徴だ。また、香りと記憶が連動すると、良い記憶とセットになった香りを嗅ぐだけで幸せな気持ちになる。逆は避けたい(笑)。

(出典:promotool

臭覚のメカニズム

臭覚受容体

臭覚器官を刺激する香りは、その香りの分子の形や大きさが異なっていて、香り分子ととの受容体がペアリングするメカニズムだ。哺乳類は香りの受容体をコードする約1000の遺伝子があるという。キーとロックのような仕組みだ。このメカニズムはまだ完全には解明されていないが、収穫の受容神経細胞は形状説や振動説がある。


(出典:royal society

スワイプカード理論

鼻には小さなタンパク質のスイッチである受容体(Receptors)がどのように香りの分子を識別しているのかとうい点についてはまだ完全には解明されていないようだが、有力な理論は香り分子の形状を重視する説であり、これ以外には臭覚物質の振動周波数を識別するというTurinの理論がある。つまり、香り物質の形状で識別するのか、それとも分子振動により識別するのかだ。

(出典:royal society

振動説・スワイプカード理論

嗅覚の事象をドナー(D)とアクセプター(A)のから分析したのがスワイプカード理論だ。これは、ドナーからアクセプターへの電子トンネルは嗅覚フォノンの励起によって促進される。トリノの理論では、信号伝達はDからAへの電子遷移によって決定される。ざっくりと言えば、原子レベルの量子化された電子状態や振動状態間の量子遷移は、フェルミの黄金律によって計算できるという考え方である。


(出典:royal society

松果体の存在と不思議

香りとの関係で気になる器官が松果体だ。松果体は99%が珪素(silicon)でできているスーパー元素である。ヒトの眼球も珪素でできていて、太陽光を浴びると幸せホルモンであるセロトニンを分泌するような機能を担っている。光に反応するために第三の目とも呼ばれている。子供の頃はグリーンピースほどの大きさだけど、大人になると米粒ほどに小さくなる。現代人の松果体は縮小しているようだ。メキシコには、メガなく、この松果体が反応すると言われている魚がいる。

(出典:ameblo

目を持たない魚

洞窟に住むブラインドケーブ・カラシンという魚は目が退化している。中米の洞窟の中で生活していたためにメラニン色素が失われ全体的に白っぽい外見で、目が皮膚で覆われている。その代わりに、臭覚や側線などの別の感覚器官が発達していて、周囲の様子を察知しながら泳ぐ。

(出典:incense

まとめ

香りの感じるメカニズムの解明はかなり進んでいるけど、完全には解明されていないということを今回知り、逆にびっくりした。香り分子の形状によって識別しているのか、振動周波数で識別しているのか、さらなる研究が進んでいるようだ。この仕組みが明確になれば、遠隔で香りを伝達させることも可能になるかもしれない。Tele-incenseのようなものも将来実現するのかもしれない。香りのメカニズムは、まだ消化不足の点もあるが、引き続き調べておきたい。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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