MBA名授業:豊田貴裕教授によるマーケティング論と販促コンペへの挑戦を振り返る。

はじめに

2020年4月より、2020年度の授業が始まった。水曜日に豊田貴裕教授のリサーチ技法、土曜日も豊田教授のマーケティング論と藤村教授によるプロジェクト(修論)だ。今回は、豊田教授によるマーケティング論の初回の講義を中心にレビューしたい。

マーケティング論

受講生はほぼ新入生だった。2年生は私ともう1名のみだった。なぜかと言えば、人気授業だからだ。自分も昨年のこのタイミングでこの授業を受講することを悩んだが、生産管理の講座を受講した。自分自身が経営工学部門の技術士であり、専門分野が生産管理だからだ。メーカーに勤務したわけでもないので、学生時代のアルバイトを除き、ほぼ机上の知識だったので、もっと深めたいと思ったが、ただ、残念ながら期待に沿わないためやめた。マーケティング論に変更しようとしたけど、尊敬する米倉教授からオープンイノベーションの授業が素晴らしいというので、そちらに変更した。ただ、この授業はインド人の教授による英語の授業だった。刺激的だし、発言や質問にも最初は苦労した。特に、先生が連発するケストンの意味がわからない。先生に「ケストンとはなんですか?」と聞こうと思った瞬間に、理解した。それは「Question」だった。インド人なまりの癖が少しわかったので、補正して聞くとだんだん理解できるようになった。

フィリップ・コトラー

マーケティングといえば誰を連想するだろうか。ハーバード大学の経営学者マイケル・ポーター教授を思い浮かぶ人がいるかもしれないが、やはり近代マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラーだろう。コトラーの著作は膨大だが、最近ならマーケティング4.0などが有名だろうか。
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出典:アマゾン

所有と利用

価値について考えたい。価値とはなんだろう。先生は、それは購入前後の価値の差分だという。例えば、ブランドバッグを購入すると購入するだけでも興奮する。私も新入社員の時に欲しいバッグがあり、新宿で探して、渋谷で探して、銀座で探してやっとイメージ通りのバッグを見つけた。ランセルのA4縦資料が入る肩掛けタイプの革製のバッグで、昭和50年代で確か3万円ほどした。イメージしていたバッグそのものなので直ぐに欲しかったけど、当時のサラリーを考えるとなかなか手を出せない。結局1週間ほど悩んだ末に購入した。嬉しかった。しかし、所有して嬉しい時代は過ぎた。最近では所有から利用へのシフトが加速している。いわばサブスクリプションモデルだ。
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出典:ricoh

商品の売り上げを伸ばす方法

コロナ禍への対応として、授業はZOOMによるオンライン授業だった。先生も少しずつ慣れてきていて、ブレイクアウトルームの機能を使って、3つのグループに別れた。受講生は5−6名ずつに別れる。テーマはあるものの売り上げを伸ばす方法だ。サブルームでは、1年生が五人で2年生は自分のみだったので、ファシリテーターになった。まずは何を売るか。ある生徒が、フリクション型のペンを提案したのでそれにした。どうやって売り上げを伸ばすか。口コミで広げる。市場調査してライバル商品を分析する。サンプル製品を配布する。適切な価格に改定する。では、ターゲットはどうするか。学生に絞るか、市場を広げるか、掘り下げるか。最初は大学生などにサンプル品を配布して、鉛筆需要からの乗り換え市場を開拓するという案が出た。ネットで調べると、なんとカラー版が出ているではないか。いわば塗り絵のクレヨンや色鉛筆がフリクションペンで実現している。これなら十本セットや、二十本セットを子供や孫への贈答用として販売することも可能だ。そんなことを整理して提案した。
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出典:rakuten

フレームワークの理解

マーケティングのアイデアを出す時には、フレームワークを知っていると便利だ。しかし、それは最初から使うものではない。最初はワイワイ、ガヤガヤとアイデアを出し合うのが良い。ではいつ使うかと言えば、ある程度出尽くしたアイデアを整理する段階だ。例えば、4Psのフレームワークを使って出されたアイデアを整理する。製品に関することか、価格に関することか、場所に関することか、販売促進に関するもことか。もしくはそのどれにも該当しないことか。大切なことはそのようなフレームワークを活用して、漏れやダブりがないかをチェックすることだ。そして、また新たなアイデアを捻り出す。下のサイトには有名な20選が記載されている。SWOT分析、PEST分析、3C分析、ビジネスモデルキャンパス分析、アンゾフのマトリクス分析、バリューポートフォリオ分析、PPM分析、ファイブフォース分析などだ。どれも面白いけど、大事なことは適切な手法を適切に活用することだ。
出典:https://ferret-plus.com/2980

手段目的連鎖モデル

物事を分析する時には因果関係を明らかにする必要がある。マーケティングでは特に手段と目的の連鎖関係を紐解くことが求められる。そのような場合に有効なのがMeans-End-Chainモデルだ。日本語では手段目的連鎖モデルというようだ。
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出典:Understanding Consumer Decision

CSポートフォリオ

横軸に重要度、縦軸の満足度でマッピングする手法だ。重要度の高低、満足度の高低で4つのゾーンに分かれる。最重要な場所はどこだろう。自分は共に高いゾーンだと思う。でも、店舗改善をする立場からなら、重要度は高いのに満足度が低いゾーンの課題を分析して解決策を提案することかもしれない。しかし、重要度が低いゾーンも重要だ。なぜ重要か言えば、それは顧客が重要と認識していないだけで、本当は重要なゾーンかもしれない。例えば、ダイソンの掃除機は「吸引力が低下しないただ1つの掃除という宣伝文句。これは嘘ではないが本当でもない。どういうことか言えば、ほとんど日本製の掃除機は吸引力が低下するが、それでもダイソンの掃除機よりも吸引力が高い。日本メーカは吸引力の向上が重要と考えたが、ダイソンは安定性が重要と考えた。結果ダイソンは高価格掃除機という市場を作り上げた。
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出典:象と散歩

販促コンペ

26の課題から1つを選択して、設定された条件に基づく販売促進策をエントリーする。優勝商品は百万円だ。これはすごい(笑)。先生からは事前に選定された5つの課題を学生に割り振る。じぶんは東洋経済の課題にした。
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出典:第12回販促コンペ|宣伝会議

東洋経済新報社

経済の雑誌だ。明治28年(1895年)に設立したので、125年の歴史を持つ「週刊東洋経済」は、当初は『東洋経済新報』として発行された。由緒ある雑誌だ。近年はオンラインやウェブなどにも対応している。募集目的等を引用する。

募集する企画の目的・目標

ビジネスパーソンに雑誌の良さを改めて実感してもらい、『週刊東洋経済』を継続して買っていただくことが目的です。読んだことがない方が手に取り、さらにその後もずっと読み続けたくなるためのアイデアを募集とあった。ネットに情報があふれる現代では、信頼性が担保された情報や視野を広げ、深い思索を与えてくれる記事の重要性が増している。『週刊東洋経済』は創刊125周年、現存する最古の週刊誌だ。東洋経済の特集は、担当の記者が2カ月以上にわたり緻密な取材を通し、徹底的に深く掘り下げるので、非常にわかりやすい。ただ、競合他社も多く、熾烈な競争を強いられる業界だ。

まとめ

自分たちは、サブスクリプション型での購読者からの料金の一部を社会貢献にあて、そのテーマを読者を対象とするアンケート結果で決め、その結果を紙面でフィードバックするというスキームを提案したが、100万円は貰えなかった。やはりもっとインパクトのあるアイデアとセンスが必要だと痛感した。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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