1. はじめに
ウズベキスタン、特にタシュケントの地下鉄駅は素晴らしい。それぞれの駅が、まるで博物館のような個性を放っている。初日はドキドキしながら利用したが、何度も乗るうちにすっかり慣れてきた。今日は日本では「海の日」で、仕事のメールもあまり来ないはず。そこで朝から、タシュケントのメトロで環状ルートに沿って集会を挑戦してみた。また、仕事柄GPSデバイスを持ち歩いているので、1日の軌跡をなぞってみた。午後からは博物館を巡ったけど、それはまた別の機会にしたい。実際にタシュケントのメトロに乗って感じた魅力や課題と、少し調べた今後の拡張計画や未来についてまとめてみました。

2. タシュケントのメトロを使ってみて感じたこと
2.1 現在の路線
現在、タシュケントのメトロには4つの路線がある。国営企業のタシュケント・メトロポリタン(Toshkent Metropoliteni)が運営している。以前は、ウズベキスタンの国営鉄道の一部だったが、現在は、ウズベキスタン運輸省の直属組織となっている。国営鉄道は、7月23日から7月28日に利用する予定。今回は、メトロに絞ってまとめたい。

2.2 素晴らしいところ
(1) メトロの駅の構内が素晴らしい
これはさまざまなメディアやSNSでも紹介されているが、構内がまるで美術館のようだ。しかも、それぞれの駅によって個性がある。天井が高いので、開放感もある。特に乗換駅の構内が素晴らしいと思う。

(2) メトロの利用料金が安い
タシュケントのメトロの特徴は、全区間一律料金であることだ。一律料金なので、改札の入場時に支払うだけだ。支払い方法には2つあり、それぞれの料金は次のとおり。圧倒的な安さは素晴らしい。
1) ICカード・クレカ決済・スマホ決済:1,700スム(約24円)
2) QR乗車券:3,000スム(約43円)
見た限りでは、ほとんどの利用者が1)の方法を使っていた。自分もクレカでのタッチ決済のみだった。日本でもクレジットカードのタッチ決済が始まっているが、Suicaなどの方が便利なため、これまで使う機会はなかった。こちらではクレジットカードを利用しているが、反応も早く、とても便利だ。しかも、改札を出ない限り、4路線を自由に乗り継げるのは便利だ。
(3) 利用客のマナーが素晴らしい
これは主観的だけど、比較的マナーは良い。日本のような整然とした行列ではないが、降りる人を優先し、自然に譲り合っているので気持ちが良い。
(4) 避難場所を兼ねている
地下鉄のホームだけでなく、地上からホームへ向かう地下通路も非常に広い。天井はそれほど高くないが、横幅があり、かなりゆったりしている。平和な時代には、コンサート会場にしたりすることもあるようだが、災害時や戦争になったときには、市民の避難場所となるように設計されている。
(出典:YouTube)
2.3 残念なところ
個人的には、残念と感じることは次の3点ぐらいかなあ。
(1) ループが完成していない
今朝は早起きしたので、メトロの旅に出た。路線図を見るとループになっているので、これにチャレンジした。今日の最寄り駅は青い区間(ウズベキスタンライン)のToshkant駅なので、ここからこの区間の最後のDo`stlik駅に向かう。そこで黄色の区間に乗り換える。Texnopark駅から最終区間のQipchoq駅まではほぼ地上の走行で外が見える。途中、ウズベキスタンでは珍しいゴルフ練習場やゴルフ場の近くも通る。車窓からは確認できなかったが、タシュケントでゴルフができることを知ったのも意外な発見だった。未完成なのは、赤い区間(チロンゾールライン)のChinorからSergeliの区間だ。メトロの乗り換えができないので、途方に暮れていると、メトロバスに乗れと言われる。乗ったら無料だった。メトロができるまではピストン輸送を続けるようだ。
(2) タシュケント国際空港に乗り入れていない
ウズベキスタンの空の玄関がタシュケント国際空港だ。路線図を見るとこの周りを周回している。ここはぜひ、空港にも乗り入れてほしい。そうすれば旅行客も白タクにぼられることもなくなるだろう(苦笑)。
(3) エアコンがまだ未整備な区間がある
全車両を確認したわけではないが、エアコンが効いている車両と、そうでない車両があるようだ。特に黄色の区間は地上というか高架上を走行するので、結構暑い。車内でアナウンスがあり、乗客が一斉に窓を閉め始めた。その後、エアコンが効いてきた。多分、そういうアナウンスだったのだろう。
3. タシュケントのメトロの未来
3.1 政府の発表
2026年5月、ウズベキスタン政府は2035年を見据えたタシュケント地下鉄の大規模拡張計画を承認した。この計画の目的は単に駅を増やすことではなく、「人口が急増する首都の移動を、自動車中心から地下鉄中心へ転換する」ことにあるという。これによると、2030年までの目標として、路線を延長し、駅数も1.6倍に増やし、1日の利用者を2.3倍にして、列車間隔を約半分にするという。
| 項目 | 現在 | 2030年目標 |
|---|---|---|
| 路線延長 | 約70km(4路線) | 103km(4路線) |
| 駅数 | 50駅 | 79駅 |
| 1日利用者 | 約78万人 | 180万人 |
| 列車間隔 | 約4~6分 | 1.5~3分 |
(出典) President Mirziyoyev approves major expansion of Tashkent Metro through 2035
3.2 タシュケントのメトロの未来
4. まとめ
タシュケントの地下鉄は、「移動手段」であると同時に「観光スポット」でもある。美術館のように美しい駅、驚くほど安い運賃、市民のマナーの良さなど、実際に乗ってみて初めて分かる魅力がたくさんある。一方で、環状線が未完成であることや、国際空港へ乗り入れていないことなど、改善の余地も残されている。しかし、政府は2035年を見据えた大規模な拡張計画を進めている。環状線の完成や空港アクセスの改善、新型車両やホームドアの導入など、タシュケントの地下鉄は、さらに便利で安全な交通機関へ進化しようとしている。
タシュケントを訪れるなら、ぜひ地下鉄にも乗ってみてほしい。「世界でも屈指の美しい地下鉄」と呼ばれる理由を、きっと実感できるだろう。次に訪問するとき、地下鉄がどこまで進化しているのか、今から楽しみでならない。そして可能であれば、タシュケントの都市交通の発展に、日本企業も貢献してほしいと思う。
以上