申し込みの準備を進めよう
技術士試験は一次試験と二次試験がある。二次試験には筆記試験と口頭試験があり、その申し込み期限が迫っている。受験申込書等の配布は4月1日から4月19日までだ。そして、4月5日から19日の間が受付期間だ。以前は5月の連休ぐらいまで受け付けていたが、最近は2週間と短くなっている。このため、申し込みに記述する内容は早め早めに用意すべきだ。
口頭試験で申込書に記載した小論文の質問を受ける
技術士の場合には、専門能力を有するかどうかを筆記試験と口頭試験で審査する。筆記試験が難関だけど、筆記試験に通過しても油断はできない。特に筆記試験でA評価をもらっていれば良いが、B評価が混じっていたりすると、口頭試験では厳しい質疑を受けるケースがある。また、申込書に記載した経歴や業務の詳細(=小論文)の完成度が低いと圧迫面接を受ける可能性がある。圧迫面接を避けるには、4月に提出する申込書の完成度を高める必要がある。
業務の詳細(=小論文)
申込書に記載するのは、基本的な個人情報や学歴、経歴と業務の詳細だ。経歴では、基本学校を卒業して勤務を開始してから現在までの経歴を5つほどに区分して、取り組んだ業務などを記載する。技術者としてのそれぞれの期間にどのような取り組みをしたのか、どのように成長してきたのかを示せると良い。そして、特にアピールしたい業務の詳細を720文字以内で記述する。
お作法
小論文の良い書き方と悪い書き方がある。良い書き方は、自分の役割、課題を示し、複数の解決策の案を示し、そこからどのような観点から解決策を採用したか、そしてその結果どのように解決したか。残課題はあるか、今後の予定はどうか、成果はどうか等を書いていく。悪い書き方は、業務報告だ。このような課題があり、このような解決策で解決して、このような成果をあげた。後者の方がシンプルだが、これだと本人の技術力や課題解決能力を評価できない。必ず複数の解決策を示し、A案だとこうだ。B案だとこうだ。しかし、C案だとこうなので、C案を選択したとプロセスを示す必要がある。そうでないと受験者の独自性や創意工夫した点をアピールすることの評価が難しい。評価できないと不合格なので、きちんと理解してもらい、評価してもらう必要がある。
ロジックとイメージ
採点者が理解したと思っていただくには、ロジックとイメージの両面からのアピールが必要だ。課題や解決策をイメージできるように記載して、右脳を攻める。その上で、論理的に論を進めて左脳にも納得してもらう。右脳と左脳の両方に納得いただく必要がある。ある受験者は、橋梁をテーマに書いた。受験者は長さ10mほどの橋梁を想定して書いた。しかし、採点者は100m9の橋梁を総手した。具体的な規模が書かれていないため、受験者と採点者の質疑応答は最後まで噛み合わずに不合格となった。イメージは理解してもらえても、なぜそれが解決策になるのかという理由が不明だと論理的ではないとやはり不合格になる。この辺りは、筆記試験でも、口頭試験でも重要だ。
マジックナンバー3
あることを論説する場合に3つの理由を示すと理解してもらいやすく、論理的と思って頂きやすい。このため、プレゼンなどでも、今回のこの提案をさせてもらう理由は3つあります。1つ目はこうこう、2つ目はこうこう、そして3つ目こうこうです。なぜ3つ述べるのが有効かといえば、課題を分析する場合にも多面的な切り口が重要だけど、誌面や時間の制約もある。1つや2つは少ないし、4つや5つは多い。特に重要なことを3つに絞って説明するとわかりやすい。ただし、3つならなんでも良いわけではない。その3つで、網羅できているか、同じようなことになっていないか、それぞれの論拠はあるかといったことも重要だ。
申込書の第三者チェック
自分だけで書いてチェックしてもなかなか完成度を高めることは難しい。第三者にチェックしてもらうことが有効だ。受験指導を業者に依頼したり、先輩技術士に依頼したりするのも有効だ。私もある機関を通じて指導を行っている。1回の添削は二千円として、3回のセットなら五千円としている。最初に受験する人はやはり3回ぐらい添削するとかなり完成度が上がるし、これなら口頭試験でも大丈夫だろうというレベルには上げられる。もし、必要なお問合せに投函いただければ対応します。
まとめ
技術士は技術部門最高峰の資格とされているだけあり、やはり難易度が高い。しかも、お作法やコツを知らないと何年も何年もかけて受験することになる。できれば、ストレートで合格してほしい。そのためには、やはり周到な準備と第三者のパワーを借りるのが一番だ。一人で悩んでいないで、仲間や先輩、第三者のパワーを借りながら、効率的に受験して合格してほしい。大切なことは合格することではなく、合格してからの活躍だ。
以上