ヒヤリハットを共有して、対策することで軽微な事故をなくし、重大な事故を防ぐ

はじめに

3月度は年間予算の最終執行月だ。担当している某省庁の電気工事も本日が最終日だった。ケーブルの敷設工事やサーバーの設置工事は完了し、サーバーの設定作業も完了し、システムの試験作業も完了している。残っているのは、古いケーブルの撤去作業だった。本当は古いケーブルを撤去してから新しいケーブルを敷設したいが、システムを停止させるわけにはいかないので、新しいケーブルの敷設工事をしてから古いケーブルを敷設する。幸い事故は起きなかったけど、珍しくヒヤリハットがあったので、記録に残しておきたい。

安全第一

工事現場では、「安全第一」と掲げていることが多い。しかし、これを言い出したのは1906年当時のUSスチールのゲーリー社長だ。それまでは、生産第一、品質第二、安全第三だったことはあまり知られていないかもしれない。また、最近の研究では、安全と生産性、品質はトレードオフではなく、相関が強いと考えられている。つまり、安全を追求することで生産性も品質も高まるという考え方だ。一説には、安全対策への投資対効果は2.7倍とも言われている。つまり、1000万円を安全対策に投資したら2700万円の波及効果があるという。これが本当なら最優先で投資すべきは安全対策となる。

ハインリッヒの法則

今回の工事でも、安全第一を徹底していたつもりだけど、ヒヤリハットは発生する。アイキャッチ画像でも示したように、重大な事故が発生したときに大騒ぎするのではなく、軽微な事故が発生したときに、その理由を徹底的に分析して撲滅することで重大な事故を未然に防ぐことが大事だ。もっといえば、日常的に発生しているヒヤリハットの情報を共有することで軽微な事故を抑制し、結果として重大な事故を防ぐことができる。普段は、ヒヤリハットが全くない日も多いが、発生するときは二度三度発生する。昨日はちょっと危険なそんな日だった。

ヒヤリハット事例(その1)

朝はKY朝礼を行い、安全動作の徹底を行い、特に問題はなかったけど、昼休憩の後に天井の低い廊下を脚立を持って移動するときに、脚立が蛍光灯の真下に入り込み、蛍光灯が消灯した。幸い、蛍光灯は破損せず、そっと脚立を問題のないところに移動すると、蛍光灯の歪みがなくなり、蛍光灯が再灯した。よかった。なぜ、このようなことになったのかといえば、作業場所の天井が高く、普段より大きめの脚立を利用したこと、廊下はかなり低いこと、照明が間引きされていて視覚による確認が不足していたことなどが上げられる。ただ、脚立の運搬時は斜めに持たずに水平で持つという基本作業の徹底が不足していたこと、作業員同士の声掛けが不足していたことなどが上げられる。今後の教訓としては、脚立の運搬時には水平に保つ、もしくは二人で運搬するなどの基本作業の徹底か。

ヒヤリハット事例(その2)

産業廃棄物が発生したため、指定の場所まで不要となった19インチラックや撤去したケーブル類を移動した。あとは産廃業者がトラックに積み込んで持っていってもらうだけだった。産廃業者は、先週は2名で対応していたが、今日は1名だった。19インチラックは重量物で作業員が4名係で移動していた。それを一人でトラックの2台に詰め込むのは現時点ではない。このため、工事長とも相談し、トラックに詰め込むところまでは手伝ってもらうことにした。ただ、その時にタイミングが合わず19インチラックを移動するときに指が挟まれそうなシーンが発生した。間一髪で指を離したので事故には至らなかったが、タイミング的にはやばかった。これの原因は作業員の声かけや確認作業が不足したためだ。なぜかといえば、作業方法もタイミングも文化も異なる作業員が混合したためだ。なぜそうなったのかといえば、産廃業者が2名でなかったためだ。なぜ2名でないかで、少し揉めたことも空気感が悪化した原因だが、手配時の条件として明示されたものではなかったためだ。さらにいえば、なぜ、産廃業者に任せなかったかといえば、急いで処理しないと次の搬入作業とバッティングする懸念があったためだ。今後の教訓としては、業者への手配時には作業員数を明確に指示する、仮に手伝う場合にも受け渡しの場所を明確にして責任の分界点を明確にするの2点だと感じた。

まとめ

今回はヒヤリハットに留まって助かった。もし、蛍光灯が破損したら物損事故になるし、指を挟まれていたら人身事故となる。事実関係の解明や、修理・治療の対応、クライアントへの説明や陳謝などに時間と労力を取られていただろう。夜のZOOM飲み会などにはとても参加できなかった。本当に安全第一の重要性を再認識した1日だった。いずれにせ、ほぼ1年に渡った工事も無事完了して良かった。

以上

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