はじめに
連休が始まったけど、受験者指導や、研修用資料の作成などで忙しい。月刊「技術士」への現行案も作成して、確認待ちだ。添削の資料もできた。研修用資料は、今年の7月ごろから始まる「モバイルの技術動向と建設部門等での活用事例」の資料だ。名古屋に赴任していたときに非常勤講師で作成した資料をベースに作り直している。スライド200枚ぐらいになりそうだ。色々調べていると新しい情報に出会うことが出きて楽しい。連休が終わるまでには目処をつけたいところだ。
技術士を目指す動機
なぜ技術士を目指そうとしたのか。自分の場合には、学生時代に資格本を読んで寮生と技術士もいいね!なんて話をした記憶はある。会社に入ってからも尊敬する先輩で技術士を取得している人がいて、凄いなあと思っていた。でも、まさか自分がチャレンジするとは思わなかった。挑戦することになったのは、会社から募集があり、合格したら報奨金が出るというキャンペーンにすっかり乗ってしまった。結局、合格したタイミングでその報奨金は無しになっていたけど、それ以上のリターンはあったと思う。
技術士に登録して良かったと思うこと
自分は情報通信を専門とする技術士です。なので、土木のこととか、道路のこととか、生物化学のこととかは門外漢だ。でも、日本技術士会が開催するセミナーとか、技術士を目指す人を応援するボランティア団体の活動に参加すると技術士の20部門(総合技術監理部門を除く)のいろいろな人と交流することができる。そして、それぞれに個性が強いなあと感じます。そんなエイリアンのような異部門の技術士の話を聞くとそうなんだと、自らの無知を知ることになります。例えば、コンクリートがどうやって作られるのかなんて考えたことがなかった。コーヒーの豆をどのように加工して、その安全管理を誰がどのようにしているのかなんて考えたことがなかった。道路の陥没事故が起きたり、リニア中央新幹線の建設で生じる数々の問題をどのように解決するのかなんて考えたことがなかった。つまり、自分が無知だと知ることができることが一番良かったと思う。
技術士は仲良し
技術士を受験する前に、ITコーディネータという資格を取得した。グループワークして、議論して、結論をまとめた。つまり、テナント(ユーザ)とシステム開発会社の間に入って、両方の言い分や希望や要望や制約条件を聞いて、理解して、調整する。それはアナログ的な人間的な活動(笑)です。しかし、このITコーディネータは儲けに直結するのでその研修が全て有料でしかも高い。実際の案件を取るのは個人の力量に委ねられるが、個人での営業には限界があるので、どこかの組織に所属して、その組織の一員として貢献しながら受注を増やす。そんな感じだ。だから、どちらかというと狩猟民族的な野生の勘とエネルギッシュな行動力と、ちょっとハッタリの効いた言動が求められる(と私は感じた)。一方、技術士は、良くも悪くも技術バカが多い。服装もパリッとしている人よりは、服装に無頓着な人が多い。プレゼンの仕方よりも、プレゼンの内容が大切だと信じている人が多い。その分、実直で、信用できる。技術士には前述の通り、総合技術監理部門と20の専門部門があり、各部門にはそれぞれ専門の科目がある。従って、自分と同じ専門分野の人に会うことは少ない。しかも、技術士法で、自らの専門分野以外の仕事をしてはいけないと定めている。従って、技術士は自らの専門分野をしっかりと見極めて、分をわきまえて行動する。なので、技術士通しで競合することは少ない。一つの専門分野の技術士でできることは限られるので、必然的に他の部門の技術士と連携して対応するので、仲が良い。他の技術士の人格と能力を尊重し、誹謗中傷することはない。
技術士の継続教育(CPD)
技術士法ではCPDを技術士の責務と定めている。年間50時間を目標としている。そもそも技術の進歩は目覚ましいので、常に自らが専門とする技術分野の動向にはアンテナを張っておき、興味のある分野のセミナーや研修には積極的に参加することが必要だ。しかし、研修によっては高価だったりするが、日本技術士会が開催するセミナーは、会員なら1000円というのが多い。非常に安い。しかも、自らの専門分野以外のセミナーでも自由に会員として参加できる。この前も、建設部門で自転車道路の現状と将来についてのセミナーがあったので参加した。非常に面白かった。講師の人と名刺交換もした。他の資格で、こんなに知的好奇心を満足させてくれるものは多分ないのではないかと思う。
複数部門へのチャレンジ
技術士法では、「名称表示の場合の義務」が定められている。つまり、技術士として業務を行う時には、自らの専門分野を明確にする。従って、自分の専門分野以外の仕事を必然的に遠慮することになる。でも、現在の社会的な課題は、一つの専門分野で解決出来るようなものは少ない。どうしても多面的な考察や検討が必要だ。それを合法的に行うには、複数部門に合格したマルチホルダーになる必要がある。実際、日本技術士会では、マルチホルダーが多い。そして、技術士仲間で飲み会を行うと、「次は何を受けるの?』というのがほぼ定番の会話となる。一人で4つも5つも登録している強者もいる。まあ、これも継続教育と言えるかもしれない。自分も最初は電気電子部門にチャレンジして、その勢いで総合技術監理部門にトライして、さらに調子に乗って経営工学部門にトライした。ここまでは運良く合格したけど、最後に受けた情報工学部門では撃沈した(苦笑)。
ゴルフで交流
日本技術士会は地域ごとに本部がある。例えば、名古屋なら中部本部だ。そして、名古屋に単身赴任していたときには、中部本部のゴルフ大会に参加した。宿泊施設に前泊したので、大先輩の技術士の先生の話を色々と聞くこともできた。スコアはいまいちだったけど、ドラコン賞も一つもらえた。普段プレイするような格安のコースではなく、キャディがついて井上誠一さんが監修した名門コースでした。非常に楽しかった。機会があれば、そして都合が合えばまた参加したいと思う。
まとめ
技術士を目指すことは大変だけど、技術士に登録して、技術士として活動することで人生が変わる人もいるだろう。収入アップになる人もいるだろう。でも、個人的にはそのようなことも大事だけど、技術士としての知的好奇心を最大化して、そして多くのことを学ぶことができることが最も良い点ではないかと思う。ぜひ、受験するかどうかを悩んでいる方も、技術士を目指して欲しいと思いう。その過程は大変かもしれないけど、その大変さを含めて、楽しんで欲しいと思います。
以上
最後まで読んで頂きありがとうございました。
拝