マイクロプラスチックの解決策は光分解性プラスチックか?18歳の少年か?

はじめに

はてなブログでプラスチック問題について投稿した2017年に恥ずかしながら初めて「マイクロプラスチック問題」を知った。あれから3年以上が経過したけど、事態は改善したのだろうか。自分が大好きなスターバックスでは、2020年1月からはFSC認証紙ストローに代替させている。しかし、2018年6月のG7で議論された「海洋プラスチック憲章」には、一人当たりプラスチックゴミ排出量が多い米国と日本が署名を拒否していた。

図表1:海洋プラスチック憲章に署名せず

出典:Twitter(2018/10/10)

プラスチック資源循環戦略

G7では署名を見送ったが、日本政府は2019年6月に大阪で開催されるG20に間に合うように「プラスチック資源循環戦略」を策定した。

図表2:プラスチック資源循環戦略

出典:経済産業省産業技術環境局

バイオマスプラスチック

現在のプラスチックは石油から製造する。非常に安定しているのが特徴だが、それが海洋汚染の原因となる。バイオマスプラスチックは植物由来のプラスチックなので時間と共に劣化し、最後は分解します。京都議定者が交わされた1997年当時に関心が高まったけど、大量生産の困難性からフェードアウトしていました。マイクロプラスチックによる海洋汚染が2015年頃から注目され始めた。

図表3:バイオマスプラスチック

出典:植物バイオマス

マイクロプラスチック

ハミガミや化粧品などに含まれているマイクロビーズなどの一次マイクロプラスチックと、ペットボトルなどが波や太陽光の力で細かな断片になる二次マイクロプラスチックがある。下の図で言うと、右は一次で左が二次のマイクロプラスチックだ。

図表4:マイクロプラスチック
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出典:THE GIST

海中の生物循環

川を下ったマイクロプラスチックは小さな魚の口に入り、そしてその小さな魚を大きな魚が食べて、その大きな魚を人間が食べる。人間が食べても消化されずに排出されるという説もあるが、健康に良いわけがない。

図表5:生物循環
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出典:Yoga Pants Reviews

マイクロプラスチックのゴミの量

世界のプラスチックの生産量は、約3億3350万トンという。1990年で1億トン、2000年で2億トン、2010年には2.5億トン。世界のマイクロプラスチックのごみの増加率は多少低下しても、以前増加しつつづけている。

図表6:世界のマイクロプラスチックゴミ
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出典:Bio-based News

世界の海流

海流とは、世界規模で起きる海水の流れだ。月の引力で発生する潮汐(ちょうせき)流は時間とともに流れが変わるが、海流はほぼ一定方向に安定して流れる。ちなみに潮は朝のしお、汐は夕方のしおの意味だ。海流には寒流(青字の矢印)と暖流(赤字の矢印)がある。この暖流は下の図のように世界には5つある。この巨大な海流をジャイア(Gyre)と呼び、プラスチックゴミはこの海流にそってごみの集積所に集まる。
図表7:世界の海流

出典:世界の海流

The Ocean Cleanupプロジェクト

ダイビングが大好きな18歳の青年(Boyan Slat)が海がプラスチックのゴミで埋まっていることにショックを受け、なんとかしたいと考えた。調べると海上には2020年の推定で725万トンの量が存在することが判明した。これはエッフェル塔1000個分のゴミが海に漂っていることになる。大型船で回収する従来の方法だと79,000年が必要とされていたが、この少年が思いついた新しい回収方法なら五年で解消するという。新しい方法とは、海流の力を使って、海に長い浮きロープを連ねる方法だ。これだと年間数百万ドルの費用が発生するが、回収したプラスチックを売れば5億ドルの収益も期待できるという。2019年6月には、改良されたテストシステムが導入された。2020年10月には、太平洋ゴミベルトのプラスチック製のオーシャンクリーンアップサングラスを発売した。

図表8:クリーンアッププロジェクト
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出典:JungleBook News

河川でのゴミ回収(二次マイクロプラスチックの原料)

The Ocean Cleanupプロジェクトは2020年10月に、河川のプラスチックを遮断し、海洋に到達するのを防ぐ最初のソリューションを発表した。マイクロプラスチックを回収するには、その原料となるペットボトルなどをより上流で回収することが有効で原理は同じだ。川の流れを使って、ゴミを回収する方法だ。ただ、定期的にこのゴミを回収する仕組みが重要だ。
図表9:河川のプラスチックごみ
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出典:EcoWatch

マイクロビーズの利用削減(一次マイクロプラスチック)

マイクロビーズは、化粧品や歯磨きに活用されている。化粧品の1個の中になんと30万ものマイクロビーズが含まれていると言う。マイクロビーズは肌にも良いとは限らない。美容のために利用している化粧品を洗い流したものがマイクロプラスチックとなり、海に流れ、魚の体内に入り、それを食するような循環は想像してほしい。原料のラベルを見て、マイクロビーズが入っていないものを使うようにすることは一般市民にできることではないだろうか。
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出典:BaleoHacks

まとめ

普段使っているビニール袋やペットボトル、化粧品などが川を下り、海の中を巡回して1mm以下の小さな小さな粒になる。特に、赤い粒は餌と間違えて魚や鳥が食べてしまうという。そして、そんな魚を大きな魚が食べて、それを人間が食べる。マイクロプラスチック自体は無害かもしれないが、それが海中や砂浜をさまよう中で有害物質が付着して、それが生き物の中で巡回する。人間にも生物にも良いはずがない。18歳の少年が頑張ってアイデアを出してくれたが、人間の英知を集めて、地球の大掃除をするべき時が来たのだろう。海も生き物なので、海上のゴミを集めて、回収することは簡単なことではないが、工夫の余地は大きいと言える。何か貢献できないものか。

以上

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