液体ガラスで木材もコンクリートも長寿命化。ガラスの不思議と黒曜石の神秘。

はじめに

昨日、「液体ガラスによる長寿命」をアイリスオーヤマの大山会長に提案したことを投稿した。その後の実用化状況等をキャッチアップしようと調べてみたら、着実に進化しているとともに、ガラスの起源=黒曜石=縄文時代と繋がってきた。少し整理しておきたい。

液体ガラスで耐熱木材

石英ガラスは2000度Cで液体になる。1970年になると、コロイドの一種であるゾルを濃縮や重合反応でゲル化する「ゾル・ゲル法」が考案され、約1000度Cでガラスを液体にできた。そして、現在は常温領域でのガラスの液化に成功している。この液体ガラスを木材やコンクリートに組み合わせることで図1に示すような、素材革命が可能となる(参考1)。

図1 液体ガラスの利用用途

液体ガラスでコンクリートの寿命200年に

液体ガラスを木材に浸透させたクリスタルウッドには4つの特徴がある。①腐食や虫害の防止、②長寿命化・木目の保護、③無機塗料で安全、④木材以外の素材にも適用可能。注目されている素材の一つが図2に示すようなコンクリートだ(参考2)。コンクリートの表層部に4-5mmの液体ガラスを浸透させると耐摩耗性が増大する。特に耐水性や高いが、これは逆に言えば水を吸収しないことにもつながるので、道路への適用は微妙かもしれないが、建造物への適用は寿命を格段に伸ばすことができる。橋梁やトンネル、高速道路などの補修剤として利用可能だ(参考3)。耐水性が高いためダムのコンクリートへの適用や、塩害で劣化し安い岸壁への適用も効果が大きい。小型軽量のボートに適用すれば耐水性や耐久性を飛躍的に向上させられるだろう。金属素材の屋根ならテリオスコートという液体ガラスがおすすめらしい(参考4)。

図2 コンクリートと液体ガラスの組み合わせ

ガラスとは

ガラスの起源は紀元前4000年以前の古代メソポタミア時代のガラスビーズというのが通説だ。そして、天然のガラスとしては黒曜石が重宝された。黒曜石については、「石器から紐解く民族移動」として以前投稿した(参考5)が、黒曜石こそ縄文文化と言える。黒曜石は鋭いエッジに沿って割れるためナイフ型の石器として重宝された。良好な黒曜石はどこでも採れるわけではない。日本国内では70箇所以上の産地があるが、特に諏訪地区と隠岐島だ。諏訪地区は縄文中期に最も人口が集まっていた縄文王国だし、隠岐の島の久見高丸遺跡や出雲市や松江市の遺跡で多数黒曜石を使った石器が発掘されている。

図3 黒曜石とその分布

黒曜石の神秘

図4に示すように、高原山黒曜石産地遺跡群の剣ヶ峯地区で推定1万8-9千年ごろの黒曜石の加工跡が見つかった(平成20年2月、参考6))。黒曜石の遺跡としては国内最古だが、約2万年前から黒曜石を使う文化があったというのは歴史的な意味は大きいだろう。

図4 高原山黒曜石産地遺跡剣ヶ峯地区

まとめ

液体ガラスを調べていたら、大好きな縄文時代に繋がった。黒曜石は縄文時代から広範囲に流通していたと言われており興味は尽きない。それよりも、液体ガラスを木材やコンクリート、金属などと組み合わせて優れた特性を有する素材としてこれからのイノベーションを推進する台風の目になるとしたら面白い。おうちのお風呂のタイルの目地が緩くなっている。もしかしたら液体ガラスを使えば綺麗になるだろうか。

以上

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