はじめに
カタカムナについては、これまで「数文字の起源:古代文字の神秘と沖縄とインカを結ぶ藁算の不思議」や「古代の文字やカタカムナ文字から考える日本の起源。縄文時代以前にも多様な文字文化があったのか。」で投稿したが、なかなか神秘的だ。カタカムナ神社で存在すると古史古伝の書物がカタカムナ文献(ウタヒ)とされているが、楢崎皐月が1949年に発見したもので、公式な学会で認められたものではない。しかし、どうも気になる(笑)ので、少し調べてみたら、80首と長編だった。しかも、独自の文字(記号)で書かれているので、解読するのは簡単ではない。ここでは先駆者の研究成果を軽くレビューしたい。
カタカムナとは
日本には古代に文字がなかったとされているが、本当にそうなのだろうか。古代には文字や記号があったが、それは秘せられているか、ないことにされているだけではないのかという疑念がある。例えば、このカタカムナは曲線と直線の組み合わせで47文字が構成されている。「カタカムナ」から4文字目のムを除くと「カタカナ」になる。どちらが最初なのかは不明だけど、よく似ている。例えば、サやキなどそのものだ。漢字からひらがなが作られたとされているが、漢字はカタカナから作られたという説もあるようだ。確かに「花」は、「サイヒ」に分解できる。カタカムナからカタカナができて、漢字ができて、ひらがなが出来てというのは単なる仮説だけど、大陸と日本が繋がっていた氷河期の時代には日本と大陸の間の交流はあっただろうし、温暖化で大陸と切り離された後も、交流は続いていたのだろう。
(出典:神話の奇跡)
カタカムナウタヒ
楢崎皐月が書写して、時間をかけて解読した結果80首のウタヒ(歌)であるという。最初の10首を参考に示すと次のようなものだ。もうなんだかチンプンカンプンだ(涙)。
第1首:カタカムナ ヒビキマノスベ シアシアトウアン ウツシマ ツル カタカムナ ウタヒ
第2首:ヤタノカカミ カタカムナ カミ
第3首:フトタマノミ ミコト フトマニニ
第4首:イハトハニ カミナリテ カタカムナ ヨソヤコト ホグシウタ
第5首:ヒフミヨイ マワリテメクル ムナヤコト アウノスヘシレ カタチサキ
第6首:ソラニ モロケセ ユエヌオヲ ハエツイネホン カタカムナ
第7首:マカタマノ アマノミナカヌシ タカミムスヒ カムミムスヒ ミスマルノタマ
第8首:ウマシカタカ カムアシカヒヒ コトコロチ マタノトキ オカシ
第9首:アメノトコ タチクニトコ タチアメクニカンコ ソキタチカタカムナ マノトキトコロ トコタチ
第10首:メグルマオミナカ ヌシタカミ ヒスム カムミ ムスヒオノコロシマ カムナホグ アメツチネハシマリ
カタカムナウタヒ第5首
例えば、第5首に注目すると、カタカムナではカタツムリのように渦巻き状に記載する。29の記号が連なっていて、「ヒフミヨイ マワリテメクル ムナヤコトアウノスヘシレ カタチサキ」とされる。この意味は諸説あるけど、例えば、深野一幸著の『超科学書「カタカムナ」の謎』によると、「長い年月を旅しながら考えたり歌を歌ったり」といった意味だそうだ。ここで興味深いのは、最初の5文字「ヒフミヨイ」と13文字目からの「ムナヤコト」だ。日本人はなぜか数字の数えかたが色々ある。その一つが「ひー、ふー、みー、よー、いつ、むー、なな、やー、ここ、とー」という読み方だ。小さな時に母親にこれはどういう意味と聞くと数字の「いち、にー、さん」のことを「ひー、ふー、みー」とも呼ぶのだよと教えてくれた。なぜ?と聞いたけど、母親も知らなかった。しかし、その謎は、このカタカムナウタヒの第5首を見て納得できた。ヒフミヨイの記号を注意深く見ると、半円に小さな丸が45度ずつ半時計方向に遷移している。このように非常にロジカルな記号法であるとも言える。また、「日本書紀と日本語のユダヤ起源(徳間書店)」によれば、このヒーフーミーもヘブル語なら意味が通じるらしい。コヤネがアマテラスを洞窟から誘い出そうとしていった言葉にぴったりの意味だという。神秘は深まるばかりだ。
(出典:カタカムナ文明)
横書きにするとこんな感じ
自分の名前をカタカムナの記号で横に書いてみた。なんだか対称的な構造で面白い。このパターンを印鑑にして、押印しても多分、ほとんどの人は解読できないだろう(笑)。
シュメール人の神秘
日本語と古代ヘブル語には共通点が多いという。日本語とハンガリー語が似ていることは、「アルタイ語系のチェルク語に影響を受けたハンガリー語と日本語が似ているのはアルタイ語族仮説の証左か。」でも投稿した。その時に感じたのはシュメール人の不思議さだ。なぜ突然、文明を持った人類が現れたのだろう。シュメール人は、残念ながらカタカムナ文字ではなく、楔形文字で記録を残している。ユニコードにも登録している。今後、カタカムナの記号もユニコードに登録されるのだろうか。言語の相関性や文字の関連性などの研究が進むことを期待したい。
(出典:楔形文字)
まとめ
参考に記した解釈例を見ていると遠い彼方の宇宙から地球にたどり着いた先人が故郷を想って歌った詩のように感じる。壮大なロマンの歌だ。「日本人の起源:ブリヤート人が日本の祖先なのか」において日本人や古代ユダヤ人は古代血統で近いことを示したが、大いなる日本人の起源についての謎が一つづつ明らかになるのだろうか。その結果として、日本人が誇りを持って活き活きと輝くことができるとしたらそれは素晴らしいことだと思う。
以上
この後は付録です。この解釈が適切なのかの確信を持てないけど、かなり壮大なロマンを感じる部分があるので、引用したい(出典)。
(参考)カタカムナウタヒ
☆第一首の歌
カタカムナ ヒヒキ マノスヘシ アシアトウアン ウツシマツル カタカムナ ウタヒ
父や母の ことを 思い起こすたび あーあ どうして 乗せられるだろう
☆第二首の歌
ヤタノ カカミ カタカムナ カミ
心を閉ざして カタカムナ(神)に 任せよう
☆第三首の歌
フトタマノミ ミコト フトマニニ
やがて来る 新しい 時代に乗せて
☆第五首と第六首の歌
ヒフミヨイ マワリテメクル ムナヤコトアウノスヘシレ カタチサキ
ソラニモロケセ ユエヌオヲハエツ井ネホン カタカムナ
長い年月を 旅しながら 考えたり 歌を歌ったり この暮らし
どのようになるのかと 心から 心配する
☆その他
イマハヤミ ソラニモロケセ
心の底から思い起こせ遠い世界のことを
イハトハニ カミナリテ カタカムナヨソヤコト ホクシウタ
いつか言語も変化してこの言葉を誰が知ってくれるだろう
ソラニモロケセ ユヱヌオヲ ハエツ ヰネホン カタカムナ
私達は流れ者のように流れ着き定住したよ
アマカムナ アマカムヒビキ カムナガラ タカマソトハラ
オシクモネ タカマハルハラ アラカミチ ウマシアマタマ カムナミチ
私達は無限の世界に生き、心をあちらこちらに飛ばしながら心の痛みを和らげる。
アマカムナ アマカムヒビキ ヤホ ヤチホ
ヤサカ マガタマ アメアマヒ アツキ ナナヨノ タカマクラ
ヨロヅ ハジマリ イツノタマ アツキ トヨクモ アメノウケ
コゴリ コゴリミ ヒジリタマ アツキ フトヒノ アマヒクラ
ヤタチ ホホデミ イワネタマ アツキ アサヒノ ヒコネクラ
ソトヨ ニギスム エミノタマ アツキ ヒコネノ ホシマクラ
ウヅシマ ヒコユヅ ウヅメタマ アツキ ホシマノ サタテクラ
ヤシキ ハルホシ ナリマタマ アツキ タカマノ フタセクラ
オホキ アソフク クシサチタマ アツキ ヤサカノ アラカタマ
心の中に閉じこめた 懐かしい風景の中に 心のよりどころ、思い出の出発点
わびしさ、寂寥、喪失感 全てまとめて太陽の中へ 人は心を開き望みを託し
次の時代に思いを乗せて 人はそれでも生き続ける 何もない無量の時に流されて
アマカムナ アマカムヒビキ ア アヤ アカ ア ア アナ カシコ アオニヤシ
アマヒ アキツネ ミナカヌシ タカ カム ムスビ アマハヤミ
天地は悠久のごとく 流れを変えず 絶え間なく変化する あーあ、美しい。
カムナガラ タカマアラタマ アマツナギ タカマココゾル
アラカミチ ナギナムアガム カムナミナ
壮大な宇宙という考えを 人はどうして描けるだろう どこまでも果てしない宇宙
カムナガラ タカマカシキネ トヨカブシ チカラムスクラ
アオカミチ メグルアマタマ カムナミチ
星から星へと渡り歩き 当たり前だと思っていた 星よ、星よ、あんなに遠く
カムナガラ タカマソコソギ ソコチクネ アカアオムカヒ
アラカミチ ウツシヒヒラキ カムナミチ
私にとってどこまで暗く 遠い道であろうか いつか見た光景を再び・・・
アマカムナ アマカムヒビキ アマウマシ トキトコロウシ
モコロコロ トコロチマタシ トキオカシ ソコソギトコタチ メグルアマ
ああ壮大な宇宙よ 一つ一つの星が私に 手招きする。私をその手に 乗せておくれ。
イカツチノ トマベイツツミ マノウツリ イカツミマクミ
カヲミツミ マジハリカハル トモフルミ
天と地と交わる点が ないのだろうか。どこを探せばあるのだろうか。
オキミツゴ イカツミマクミ カラミマリ イキチツクシノ
モコロシマ オキヤマハシヲ ヒトヘヤへ マワリテメグル ヤシマコロ
遠く連なる山や川 輝くばかりの光の中で
過去も未来も連なって 私の目の前に現れる
アマヌウツリミ イツノオメ イカツミマクミ カラミマリ
ヤへオキミツゴ イキモコロ
光の速さに 体を乗せて渡っていたなんて 誰が知っていようか
アマカムナ アマカムヒビキ サドツクシ アメノヒトツネ
アメフタヤ アメノサデヨリ ワクムスビ イワツチイワス
オメタグヒ イカツカタワケ サヌキアワ ホグシオシコロ
オホタマル ヤクサイカツチ メグルマリ
どうかこの地で暮らすには 不思議とみなす、力があれば
暮らして行けない事もない。 生まれたままのそのままで
何も持たず、何もなく 雨さえ防ぐものもなく どうして生きて良いものか
アマタマノ ヒダリミギリノ サカウヅメ ソコソギツガヒ
メグルシマ ムスヒマトマリ ウヅメクソ アカアオクミヌ アマナヒメ
何かヒントがあれば少しずつと 考えを巡らせても
何も何んにもないのだから どんなに知恵を絞っても 無は無
アマカムヌ メグルホラミチ カヨフミチ アマダマイノチ
ウマシミチ ウツリマトマリ カハルツミ
アナタに対するこの気持ちを いつか伝えたいと心に思って
何も言えず離れ離れに なってしまった。
アマカムヌ イノチウツシミ カハリヌシ アマナカムナノ
フタハシラ イツツミイノチ コロムスビ
いつか会える時があれば 私の心の底の叫びを
聞いてもらいたい。強く強く 思う。
アマカガミ ヤホアメヨロヅ アマイノチ マトマリイノチ
ココロワケ アワセカサナル マノココロ
心の中に染みついた気持ち 立て直すことが出来ない
この気持ち。これをどう整理をつければ良いのだろう。
ヤヘビトカサネ モコロシマ アマノサカマキ ヤへネサク
クラオタケフツ ミツハノメ クラミツハヤビ イキココロ
クラヤマツミノ ヤクササネ
雨も風も雪も太陽も 自然現象そのままに
自分の心に取り入れて 流れのままに流されて 漂うようにユラユラと
ヨロヅクニ ウキフイカツチ アマナヒメ ヤチホマチマリ
ハコノクニ ヤブリツラヌク アマハヤミ ミトロカエシノ
カハルミチ アラタマトマリ ウツルクニ
嵐が去れば又元のように なって過ぎ行く自然のように
私の心も再生されて ゆっくりゆっくり元に戻ること。
それを祈ってゆっくり考えてみよう。
アマタマヌ メグルカムハラ オホトマべ ウツリマトマリ
マリアマナ マワリカムナノ モトムスヒ オモダルマリミアラレハエ
人は地球に立った時、どんな気持ちがしただろう。
この美しい地球と共に滅び行くまで心を込めて生きて行こうと決めました。
カムナガラ ササコネコジリ タガビラキ トロサゴマジリ
イケコヤシ タガラモリミチ ヤサカナリ
人は努力を惜しまず、新しい人生をゆったり生きる。
どんな時にも心を開き努力する。
カムナガラ アカシチクヌネ ヌルミトロ カザククキムロ
トロクスミ タガラモリミチヤサカナリ
心の中に住んでいる遠い昔を思い出さず、 新しい時代を生きて行こうと決めて、
やっと心が落ち着いた。
カムナガラ タケホトヨタナ トヨミムス ヌルミサカヒへ
ヨノマアサ タガラモリミチ ヤサカナリ
昔の教えを思い出し、新たな方法で今に合わせじっくり考え、 必ずうまくやってみよう。
カムナガラ ハヤメハヤタマ タケホイネ ワカツククナネ
ネハシキリ タガラモリミチ ヤサカナリ
色々な作物を作り、書物をひも解き、何が今必要か、
考えあぐね、壁に突き当たり考えている。
カムナガラ ハヤマムシトメ トヨサカミ トガリサホサシ
カザチヨリ タガラモリミチ ヤサカナリ
長い道のりも、心一つで明るくなって
この道をまっすぐず-と歩いて行こう。皆で!
(参考文献:超科学書「カタカムナ」の謎 深野一幸著 廣済堂出版)
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
拝