熱意x能力x考え方の最大化の鍵はやる気アップだ。そして、自己実現の先には自己超越がある。

はじめに

2021年7月23日に始まった東京オリンピック2020は昨日(8月8日)で閉幕した。数多くの感動に感謝するとともに、関係者やアスリートの懸命の努力に敬意を表したい。第103回全国高等学校野球選手権大会(甲子園大会)が8月9日から8月24日まで開催され、続いて東京パラリンピック2020が8月24日から9月5日まで開催される。山口真由は「天才とは努力をし続けられる人のことである」と言うが、その通りだと思う。しかし、全員が天才ではないし、努力をし続けることができない人もいる。そんな多様な人材をまとめて組織を運用する場合には、何が課題なのだろうか。個々人の能力や経験を高めることも大事だけど、個人的にはいかにモチベーションを維持し、高めるのかという点が気になる。今回はそんなところを考えてみた。

ゼークトの組織論

2chのヒロがYouTube等で発信して有名になった「ゼークトの組織論」がある。世の中には、有能な人材と、知性・理解・理性・機転/判断力が欠如した無能な人材がいる。また、努力を惜しまない働き者と、すべきことを怠ける怠け者がいる。それぞれを軸として4つの分類する考え方だ。ナポレオン・ボナパルト(1769年8月15日 – 1821年5月5日)の名言に「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」という言葉がある。これは、どういうことかと言えば、怠け者で無能な人材は下級兵士として使えば良い。利口で働き者は参謀にする。有能で怠け者は最前線の指揮官にする。しかし、働き者で無能な人材は、軍隊から追い出すか、銃殺しろという。なぜなら間違った命令でも延々と続けて気がついた時には取り返しがつかなくなるためだという。

(出典:together)

人・仕事の結果と考え方・熱意・能力の関係

京セラやKDDIの創業者である稲盛和夫の言葉だ。両社が掲げるフィロソフィーにも明記されている。つまり、人生や仕事の成果を決めるものは、考え方と熱意と能力の考え方だという。能力や熱意は0から100だけど、考え方はマイナス100からプラス100だ。つまり、いくら能力があり、熱意があっても、考え方が邪(よこしま)では成功しないばかりか、社会に害をなす存在になってしまう。稲盛和夫はDDIを創業するときに、「動機善なるや、私心なかりしか」と何度も問いた(参考)。なぜなら、動機が善であり、私心がなければ、その事業が失敗するはずはない。しかし、その逆であれば成功はおぼつかないと信じていたからだという。

(出典:モチラボ

熱意とは

稲盛和夫が示す人生の方程式のうち要素はどれも大事だけど、社員や部下のやる気をいかに高めるか。モチベーションをいかに維持するかについて先駆者たちは数多くの研究をしている。マグレガーの性悪説に立つX理論と性善説に立つY理論や、ハーズバーグの衛生理論、マズローの欲求段階説などどれも興味深いが、個人的には次に示す期待理論が気に入っている。

(出典:スライドシェア

期待理論のモデル

期待理論とは、イエール大学ビジネススクールの教授であるヴィクター・ハロルド・ブルーム(1932年8月9日生)が提唱するモチベーション理論だ。ブルームはモチベーションの誘因として、対象の魅力度と達成への直結度、実現の可能性の3つを取上た。そしてこれらの掛け算が大きいほどモチベーションが高いという仮説だ。ブルームは、努力がパフォーマンスや成果につながるという信念と、その成果が本人に価値をもたらすという信念がモチベーションを支えるという考え方だ。

(出典:オフィスジャストアイ

職務特性モデル

このブルームのモデルをさらに細分化したものが職務特性モデルだ。米心理学者のJ.リチャード・ハックマン(1940年6月14日-2013年1月8日)と、米経営学者グレッグ・R・オルダムは「やる気」と「仕事の特性」の関係を分析し、職務特性モデルを理論化した。モチベーションを高めるのは外発的動機(報酬)ではなく、内発的動機(仕事の面白さ)とした。仕事が人を動機付ける度合いをMPS(Motivating Potential Score)と定義し、仕事の有意義性と自律性とフィードバックの掛け算で決まるとした。つまり、どれかがゼロならモチベーションはゼロだけど、それぞれが高ければモチベーションも高くなる。さらに、仕事の優位性は、技術の多様性とタスクの完結性とタスクの重要性の平均で決まるとした。部下が使命感を感じるような仕事を与えることが難しい場合にも、上司は部下に対して自律性とフィードバックを与えることはできる。このVISAFの5つの要素を念頭に置くことが重要だ。

(出典:BLOGOS)

やる気と残業時間

やる気と残業時間の関係は、以前も投稿した。モチベーションの低い事務的な作業は残業時間が少ない傾向にあり、逆に経営者やコンサルなど高度で複雑な業務はモチベーションも高く、残業時間も多い傾向にある。問題は、モチベーションが低いのに長時間の労働を強いられるブラックゾーンだ。そして、目指すべきは、短い残業時間だけど、高いモチベーションを持って仕事をするハイカルチャーゾーンだ。あなたの仕事はどのゾーンでしょうか?

(出典:当サイト

自己実現と自己超越

米心理学者アブラハム・ハロルド・マズロー(1908年4月1日-1970年6月8日)が提唱する欲求5段解説はあまりにも有名だけど、6段目があることはあまり知られていない。生理的欲求と安全の欲求は物質的欲求であり、社会的欲求と承認要求は精神的欲求だ。さらにその上位には自己実現の欲求があるというのが5段階説だ。マズローは、人間性心理学に対応した哲学を打ち立てるという試みも半ばの62歳の時に心臓発作で亡くなったが、マズローは晩年、「自己超越の欲求」があると提唱していた。つまり、自己実現は利己的な面があるが、それを超越する利他の心を体現するような段階があると指摘した。つまり、悟りの境地のようなものだろうか。

(出典:スパイスコラム)

まとめ

自己実現を果たした人も年齢を重ねると勲章やノーベル賞などを欲しがるようになる。しかし、それは自己実現という5段階目から承認欲求の4段階目にステップダウンするようなものだ。そうではなく、社会のため、人のために自己を超越するような行動に進みたいという6段階目に進むのが理想なのかもしれない。その意味では、稲盛和夫はこの自己超越を体現している素晴らしい実業家であると言える。

以上

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