やる気と労働時間は比例する。問題は、やる気が低く労働時間が長いケース。目指すべきは少ない労働時間で高い成果をあげる仕組みだろう。

はじめに

コロナ禍に対応してテレワークが一般化するなど働き方の改革は一気に進んだところもあれば、それほど変わらないというところもありそうだ。働き方改革というと、以前は労働時間の長いことを問題視していたが、最近は上司と部下のコミュニケーションをもっと活性化させようと1on1が流行っているようだ。問題は、社員一人一人が問題意識とやる気を持てるかどうかではないか。そのために、組織としてのミッションやゴールを明確にして、それに対するアプローチを社員一人一人が自律的に考えて行動できるかどうかではないだろうか。

(出典:SELECK)

やる気と勤務時間

以前のブログでやる気と残業時間は正の相関関係があると書いた。特に経営者とか、コンサルはやる気も高いし、勤務時間も長い。逆に、ドライバーやオペレータはやる気も低いし、勤務時間も少ないことを示した。ただ、これの「やる気」と言う表現だと、やる気の高いことが良いこと、やる気の低いことは悪いことと判断しがちだ。

単純な作業と複雑な作業

運動する場合にも、例えば腕立て伏せを30分続けろと言われたらどうだろう。自分は3分でもきつい(笑)。しかし、ゴルフなら3時間でも楽しい。この差は何かと言えば、同じ筋肉ばかりを使うような単純作業と、いろいろな筋肉を使う複雑な作業と言えるのではないか。これは頭脳労働でも同様、エクセルの単純な作業を長時間するとこれはきつい。脳の同じところばかりを使うのですぐに疲弊する。しかし、ブログを書くために情報収拾するなら何時間でもできる。これは生物としての特性と言える。
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出典:課題は残業削減?やる気アップ!その両方? – LuckyOceanのブログ

ドストエフスキーの「地下室の手記」

極端な例だけど、単純労働の繰り返しは拷問に相当するとドストエフスキーは「地下室の手記」で記述している。毎朝穴を掘って、午後にはその穴を埋める。そんな意味のない作業をさせると肉体的にも精神的にも苦痛になる。そんなことを上司や経営者は部下にさせていないかをよく考える必要がある。

テレアポの繰り返し

コールセンターではアウトバウンドの業務とインバウンドの業務がある。インバウンドとは、商品の問い合わせなどの入電への対応だ。最近はIVRと呼ばれるシステムで分類するが、それでもどんな問い合わせが来るかわからないのでドキドキする。しかし、アウトバンドは、ひたすらマニュアルに従って電話をかけて、説得したり、勧誘する。成功率が低かったりすると、結構メンタルをやられる。コールセンターのオペレータも大変だけど、それを管理するマネージャーも結構メンタルをやられる。

単純な事務処理の繰り返し

最近は、RPAが注目されている。パソコンで同じような内容を繰り返し処理する場合には、そのプロセスを自動的に処理するものだ。以前だとマクロを組んだが、最近はRPAでもっと高度なことまでできる。RPAが広く活用されるようになれば、単純な事務処理から解放されるだろうか。

建設業の現場

監理技術者として、いろいろな建設現場に立ち会った。工事が完了するかと心配するほど複雑で困難な作業もあるが、一方で単純な繰り返し作業もある。監理技術者としては、当然リスク値の高い前者に注目するし、なんとか完遂できるようにサポートもする。しかし、単純作業の繰り返しになると注意が散漫になりがちだ。しかし、トラブルが起きるのは意外と単純作業の繰り返す後者が多い気がする。適度なタイミングで休憩をとって、リフレッシュすべきだが、納期が迫っているケースとか、どうしても今日中に終わらないとまずい場合などは作業者も班長も理解しているのでつい頑張ってしまう。そんな時に大切なのは、上司と部下、仲間同士の信頼感だ。人間関係ができている現場では大丈夫だけど、そうでないときつい。

時間給と秒給

世界トップレベルのセキュリティの専門家は時間給ではなく、1秒いくらという秒給だという。世界トップレベルの専門家と一般の技術者では100倍、1000倍の生産性の違いがある。一般のホワイトカラーで秒課金はない。しかし、生産性が低くてダラダラと仕事をする人は残業で稼ぐが、仕事の早い人は残業にならないだけでなく、他の仕事までさせられる。なので、生産性を高めるインセンティブが働かない。これは解決が難しいけど重要な課題だろう。

(出典:MUP WEEK5

生産性を高めるにはどうするか

やはり具体的な数値で生産性を見える化する必要がある。例えばパソコンであれば、CPUの稼働率の推移を見れば、頑張って仕事をしているPCと何もしていないPCは一目瞭然だ。人間の生産性を高めようと思えば、その状況を見える化して、生産性の高い人が報われるような仕組みを導入することが必要だ。しかし、どのようにして、見える化するのかが課題。

脳波を測定して見える化することは可能か

最近は2-3万円のヘッドセットで人間の脳波をモニターすることが可能だ。絶対に嫌がられるけど、例えば、これを被験者に装着してもらって、単純作業や高度な作業に従事してもらい、その脳波をトレースすれば、どんな時に頭脳が活発に働いているのかどうかがわかるのではないだろうか。思いつきレベルだけど、例えば、頭脳が活発に稼働している時間の割合を見える化すると、活動状況をある程度把握することは可能だろう。
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出典:脳波計開発のPGV株式会社に出資 | 日本メクトロン株式会社

長時間労働が見込まれる時はセーブする

これは自分だけかもしれないけど、定時で絶対に終わらせる場合と、残業を4−5時間しても良い場合、もしくは無制限に残業できる場合では、ペース配分が当然変わる。定時で帰りたいときはもう100%で頑張る。でも、残業してもよければ、少しペースを抑えて体力配分をする。朝までかかるような作業なら、腹ごしらえして、ちょっとリラックスして、作戦を練ってから着手する。多分、これは限られた自分の頭脳や身体のエネルギーを枯渇させないための生存術だと思う。

まとめ

ロボットやRPAを含めて単純作業を自動化するのは、働き方改革に通じると思う。しかし、一方でそんなことをしたら自分の仕事がなくなってしまい給料が下がるとか、失業すると懸念する人もいる。そんな人の不安を払拭させるように、より複雑な仕事をするような職場環境や文化を醸成することは簡単ではないけど重要だ。以前も投稿したけど、アイリスオーヤマの大山会長から「中国の工場では、自由に使えるロボットを余剰に用意していて、工員はロボットを活用して作業効率を高めることができる。そして、成果に応じて工員の給料をあげる。結果として、社員の給料はあげるが、全体としての人件費は下がる。」という説明を聞いたことを思い出す(参考)。これは一つの理想形だろう。使えるものはなんでも使って、作業効率を高め、少ない労働時間で多くの成果をあげる。そんな風に、仕事の改革が仕事となることが働き方改革の柱になれば日本の社会や会社ももっと強くなるような気がする。

以上

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