東洋医学その2:心身ともに健康にいることで心身の免疫を高める。自然の免疫機能は優秀だ。

はじめに

東洋医学について3回に分けて投稿したい。前回は、東洋医学の基本的な考え方と4つの気について解説した。今回は、気・血・水の薬膳理論についての投稿にトライしたい。前回もリファーしたが、前漢代に編纂された黄帝内経は、一部の9巻にあたる『鍼経(しんきゅう)』と、2部の9巻にあたる『素問(そもん)』で構成する。その鍼経では、経脈、経穴、刺鍼、また営衛、気血などについて系統的で説明されている。

その1:東洋医学の考え方と4つの気(前回
その2:気・血・水と薬膳理論(⇨ 今回)
その3:五行理論の相生と相克(次回

気・血・水

薬膳理論

気・血・水は人体を構成し、生命活動を維持する重要な物質だ。特に、血液以外の水分は津液(しんえき)と呼ばれる。気は、生命活動の原動力である。血は、全身を流れる血液だ。血液は、赤血球、白血球、血小板の細胞成分と血漿(プラズマ)と呼ばれる液体部分から成り立っている。水は津(しん)と液で構成し、基本的に食べ物から抽出される。津は、陽性の水分であり、清んで粘り気がなく、体表を潤し、体温調節に関与し、汗や尿となって体外へ排泄される。液は、陰性の水分であり、粘り気があり、体内をゆっくりと流れ、体表部では目、鼻、口などの粘膜や皮膚に潤いを与える。これら気・血・水は臓腑・経絡を機能させる基本物質であり、臓腑・経絡の生理機能によって生成されるものだ。

(出典:東洋薬膳

気・血・水の不調

生命を維持するには、気・血・水が非常に重要だ。逆にいえば、気の不調、血の不調、水の不調が心身の健康を害し、病気の原因となるという考えだ。例えば、気の不調とは、無気力や疲労感などの気虚(ききょ)といい元気がない状態だ。頭が重かったり、息苦しいなど気鬱といい、精神的ストレスでイライラしたり、不安、憂鬱感を感じる。のぼせや動悸、発汗、不安感などは気逆と言い、気の循環が乱れた状態だ。同様に血の不良には月経以上や便秘などの瘀血(おけつ)や貧血、皮膚の乾燥、脱毛などの血虚(けっきょ)と血が不足している状態だ。最後の水の不調は、身体のむくみやめまい、頭痛、手足の冷え、下痢などの水毒・水滞がある。

(出典:ツムラ

マイナスの3つの気

病は気からというが、本当に気は重要だ。気は目には見えないが、生命活動を維持する根源的なエネルギーだ。個人的にはソマチットが関係していると思っている(参考)けど、これは別に投稿した。気に不具合は特に次の3つが状態がある。
気鬱:気の流れが停滞して、詰まった状態が気鬱である。どよんとした状態である。
気逆:反対に上半身から下半身にいくはずの気が逆流してしまった状態である。
気虚:気の量が不足した状態である。気力がなく、食欲も落ちる。


(出典:大阪大学)

免疫と疾病

2020年から2021にかけては新型コロナで世界の国々で猛威を振るったが、これに対応する1番の方法は個人の免疫を高めることだ。そもそも感染者とはウイルスに感染して発症した人のことを言う。仮にPCR検査で陽性と判定されても無症状の人は基本的に感染者ではない(出典)。免疫を高めることが重要だ。仮に1000人に陽性者がいても、感染者が10名なら、それは99%の人が免疫を高めていると言うことだ。ワクチンを何度も打って、免疫が出来ていても、喉や鼻にウイルスが付着することはある。感染していない単なる陽性者をいつまで感染者と呼ぶのだろう。陽性者と感染者を正確に区別して報道してほしいと思う。

ビタミンC・B1・LPSの不足

15世紀の頃の大航海時代では船員がビタミンCの不足でバタバタと倒れた。いわゆる壊血病だ。数ヶ月も洋上生活を強いられる新航路では、新鮮な野菜や果物を補充できず、乾物や塩漬けの食料で凌ぐためビタミンが不足して発症する。レモン汁を飲ませたレッド・ドラゴンの船員は壊血病の死者が出なかったという症例もあったが、今のコロナ騒ぎのようなもので、正論が正論として認めらるまでには150年近くかかった。日本では、江戸から昭和初期にかけて玄米食から白米食に切り替わった。江戸時代には白米は贅沢な食事であり、白米ばかり食べていた人が脚気になるのに、国元に帰って玄米を食べているとすっかり元気に鳴るので、贅沢病とも言われた。江戸では、精米で生じた糠でつけたタクアンや蕎麦からビタミンを補充したという。昭和30年以降は、衛生環境の改善が原因となり、LPSが不足して、いろいろなアレルギーとなる事例が増えた。LPSとは、リポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)と舌を切りそうな名前だけど、日本語で言えば糖脂質やリポ多糖と呼ばれるものだ。つまり、糖と脂質の結合構造体であり、水にも油にも溶ける性質を持つ。LPSは、口から入っても、皮膚についても毒性がなく安全な物質だ。動物実験ではLPSを1日に、体重1㎏あたり10μg程度与えると、病気の予防改善などの効果が見られるけど、その数万倍を食べさせても毒性は見られないと言う。土壌や野菜についているLPSや腸内にあるLPSなど、腸内の細胞や皮膚の細胞にはLPSが必要であり、LPSが不足すると免疫が低下し、アレルギー等が発生するようだ。LPSの有用性の認知も長い時間がかかるのだろうか。

(出典:Macrophi

活性酸素種・過酸化脂質と抗酸化物質

健康を維持するには、酸化物質と抗酸化物質のバランスをとることが重要だ。特に活性酸素種や過酸化脂質を大量に摂取すると、生体に有害な酸化ストレスが発生し、さまざまな弊害の原因となる。特に、体の中で発生する酸化ストレスに活性酸素を除去する抗酸化能力が追いつかない状態になると、遺伝子に損傷を与え、老化や発ガン・生活習慣病の一因となる。また、心理的・肉体的ストレスや、紫外線や放射線、タバコや酸化した食品、過度な運動なども酸化ストレスを増加させる要因となるので、注意が必要だ。

(出典:St. Maria)

マクロファージとNK細胞

前述の黄帝内経には、「聖人は未病を治す」とある。これは、成人=名医は、病気を直すことではなく、病気になりそうな未病の人を正常な状態に戻すと言う意味だ。我々の身体には生まれつき免疫が備わっている。免疫とは、病原菌や異常のある細胞を認識して排除する機能だ。体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、身体の中の様々な免疫細胞が炎症反応を起こし、異物を攻撃・排除しようと働く。炎症反応には、急性炎症と慢性炎症があり、急性炎症は主に自然免疫反応による物だ。自然免疫とは、身体に異常が発生した時に最初に働き始める第一防衛システムであり、救急隊だ。マクロファージや好中球、ナチュラルキラー(NK)細胞といった免疫細胞が異物を認識すると速やかに攻撃し、炎症が終息する。しかし、自然免疫によっても異物を撃退できない場合には、マクロファージなどがT細胞やB細胞といった他の免疫細胞であるリンパ球に応援を要請することで獲得免疫反応が起きる。このように獲得免疫とは、自然免疫によって異物を撃退できない場合に働く第二防衛システムのことだ。


(出典:macrophi

まとめ

健全な心身を保つには、適度な食事をして、適度な運動と適度な睡眠をとり、心身のバランスを良い状態に維持することだろう。元気だから仕事をするのではない。仕事をするから元気なのだとは高齢者が多く勤める高齢社で言われていることだ。農家の方も高齢になっても元気だ。自分の叔父は90を超えても農家を現役でやっていた。さすがに100歳を超えて、農機具などを使うと周辺に迷惑をかけると言うことで自重しているようだ。やはり適度に陽の光を受けて、土に触れ、稲や野菜の成長を見守るような生活は長生きには良い効果があるのかもしれない。次回は五行理論についての理解を深めたいと思う。

以上

最後まで読んで頂きありがとうございました。

(参考)
その1:東洋医学の考え方と4つの気(前回
その2:気・血・水の薬膳理論(⇨ 今回)
その3:五行理論の相生と相克(次回

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