はじめに
科目履修生で受講している「脳型情報処理機械論」においてクオリアを学んだ。クオリアとは、個々の体験が持つ主観的な性質と言われる。赤いリンゴを赤と認識する感性だ。しかし、一方で、虹の色の数が文化や民族によって異なる。つまり、赤というクオリアも文化に依存する。そんな流れから虹について考えてみたいと思った。
虹との遭遇
2017年7月から8月にかけて3週間ほどお休みを頂き、バルト3国を旅行した。最初がエストニア、そして隣国のラトヴィア、さらにリトアニアまで旅行した後、エストニアの首都タリンに戻ったのが誕生日の8月13日だった。何か食事でもしようかと散歩していたら、夕立にあった。急に降り出したので急いで雨宿りした。
ラエコヤ広場の虹
30分ほどで雨も止んだ。少し散歩しながら空を見ると美しい虹が出ていた。下の写真はその時の一枚だ。ここはタリンの旧市街のラエコヤ広場(Raekoja Plats)だ。ラエコヤとはエストニア語で市庁舎を意味し、まさにタリンの旧市庁舎の前にある。タリンの旧市街は迷路のようになっているが、そんな迷路を散歩するのも楽しみの一つだ。おおよそ8世紀前に商人が使っていた館が立ち並び、それらはレストランやカフェとして今も活用されている。
(出典:筆者が撮影)
年間の降雨量や降雪量など
タリンの気候を調べてみると、月間降雨量は冬場は少なく、夏場が多い。もっとも多いのが8月だ。それでもタリンを旅して雨に遭遇したのはこの時だけだった。冬場は雨ではなく雪だが、降雪量もそれほど多くはない。もっとも降雪量が多いのは1月の13mmだ。しかし、これは水換算なので、実際の雪の高さは5倍から10倍だが、それでも13cmほどだ。
虹は何色か?
日本の小学生に虹は何色か?と聞くとなんて答えるのだろう。7色!と答えるのだろう。だって、教科書にはそのように書いてあるからだ。なぜ日本では7色とするのだろう。調べてみると、イギリスでは5色とされていたけど、ニュートンが太陽光をプリズムで分解して、オレンジ色や藍色を加えて7色にした。西洋ではラッキーセブンというように7は縁起の良い神聖な数字だったのと音感と関係付けたかったという説がある。明治八年発行の教科書「小学色図解」で太陽光は7色と紹介したことで日本では7色が定着したようだ。
出典:livedoor.com
虹の色はデジタルではなく、アナログ
虹は儚いものだ。でもプリズムなら安定して太陽光を分解できる。そして、色の変化は連続している。デジタルではなく、アナログだ。だから、色をどのように定義するかに依存する。そもそも虹は何色か?という質問は、色は何色か?と聞くのと同じだ。答えは無限だ。でも、それではロマンもないし、不便なので、便宜上、色を定義しているに過ぎない。
出典:mshabit.info
国によって異なる虹色の数
これはMBAの授業でチャーミングな大久保あかね先生から教えてもらった小ネタだけど、国によって虹色の定義が違う。もっとも多くの色を定義しているのはアフリカのある部族だ。日本では、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫と定義するが、明治以前は5色だったという説もある。ニュートンは7色としたが、イギリスやアメリカは赤・橙・黄・緑・青・紫の6色とするのが一般的だ。フランスやドイツは5色とされているが、7色とか、3色という説もあるようだ。
出典:https://togetter.com/li/1192667
まとめ
コロナ禍はなんだったのだろう。感染者の急増時にも死亡者は急速に減少し、感染者が減少しても理由は不明として、マスク着用は継続を求められている。海外旅行も2017年が最後だ。国内の旅行も久しぶりに11月に奈良・京都に帰省した。台風が過ぎて、雨が止んだら傘をさす人はいない。それは雨が見えるからだ。雨が止んだら綺麗な虹を楽しむこともある。コロナ禍収斂を体感できる象徴的な出来事はなんだろう。落ち着いたら、またエストニアに旅行したいなあと思う。
以上
最後まで読んでいただきありがとうございました。
拝