精進料理とペスカタリアンの食習慣はよく似ている。五味五色五法五感五適を考える。

はじめに

食の文化から、東洋と西洋を結びつけるものがあるかと調べてみた。日中韓は、陰陽五行説に基づく五味五食をベースとした思想がある。西洋は肉食文化だけど、それに対するアンティテーゼとしての菜食主義者や完全菜食主義者がいる。さらには、魚介類は摂取するペスカタリアンもいる。ピタゴラスもペスカタリアンだというのは面白いと思った。

菜食主義者

菜食主義者をベジタリアンと呼ぶが、最近は乳製品や卵や魚介類も一切摂取しないビーガンも現れている。また、魚介類はいいんじゃないというペスカタリアンもいる。

ベジタリアン

菜食主義(Vegetarianism)とは、動物性食品の一部または全部を避ける食生活を行うことだ。赤身の肉、家禽類、魚介類、その他の動物の肉の摂取を控え、動物の屠殺による副産物の摂取を控えることだ。ベジタリアンになる理由には、倫理的同期、宗教的信条、動物権利擁護などの他、健康、政治、環境、文化、美学、経済、個人的な好みなどがある。菜食主義にはバリエーションがある。オボ・ラクト・ベジタリアンは卵と乳製品を含むが、オボ・ベジタリアンは卵を含むが乳製品は含まない。ラクト・ベジタリアンは乳製品は含むが卵は含まない。セミベジタリアンは、主にベジタリアン食品で構成されているが、まれに魚や鶏肉、時には他の肉類を含むことがある。

(出典:椎茸菜

ビーガン

完全菜食者(Vegan)は、ビーガンとも呼び、健康、倫理、宗教等の理由から特に食事において動物性食品の使用を控える人である。ビーガンには食事型と倫理型がある。食事型ビーガンは、肉、卵、乳製品、その他の動物由来の物質の摂取を控えてる。倫理的なビーガンは、食事だけでなく、いかなる目的のためにも動物の使用を反対し、動物に対する残虐行為や搾取を避ける。

ペスカタリアン

ペスカタリアン(Pescatarian)とは、肉は食べないが、魚を食べるベジタリアンで、ペスコ・ベジタリアンやペスカタリアンと呼ばれる。ペスカタリアンとは、イタリア語で魚を意味する「pesce」と「vegetarian」を組み合わせた造語だ。ベジタリアン協会は、ペスカタリアニズムを菜食主義と見なさない。日本料理では魚介類は欠かせないが、このペスカタリアンなら日本人も実践しやすい。ピタゴラスの定理で有名なギリシャの哲学者ピタゴラスは、肉を食べない食生活を過ごしたが、魚は食べていたと推測されている。その意味ではピタゴラスはペスカタリアンとなる(出典)。
(出典:Daily News Online)

精進料理

精進料理とは、仏教から成立した料理。素菜、素食を基本とする。精進料理では動物性の食材とネギ属の五葷(ごくん)を避ける。先の菜食主義者の中ではペスカタリアンが近い。精進料理は、僧侶の食事だ。冠婚葬祭やお盆の料理としても使われるが、こちらは本来の意図から外れていると意見もある。仏教系の精進料理は、日本だけではなく、中国・台湾・香港・マカオ・朝鮮などにも精進料理を提供する。精進料理は陰陽五行思想に基づき「五」に拘り、五味、五食、五法、五感をコンセプトとしている。
・五味:甘味、酸味、塩味、苦味、うま味
・五色:青、黄、赤、白、黒
・五法:切る、焼く、煮る、揚げる、蒸す
・五感:視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚

(出典:京・食ネット

禅僧の5つの生活習慣

禅宗修行僧の食事と精進料理について」の論文においては、禅僧の健康状態を明らかにするために、禅寺・円福寺の禅僧の食生活と生活習慣について調査して、円福寺の西方儀保老師は次のように述べている。

1) 禅僧のエネルギー消費量は非常に高い。
2) 禅僧の食生活は、ビーガン・ベジタリアンの食生活に酷似する。
3) 禅僧は通常の食事に加えて、5日に1度は特別な食事をする。
4) 禅僧の健康状態は良好であった。
5) 禅の精進料理の特徴は、五料、五色、五味と呼ばれる。熱して冷まし、手で触って柔らかくする。

五味五色五法五感五適

韓国料理の五味五色も青(緑):緑野菜、赤:唐辛子、黄:卵黄、白:卵白、黒:海苔だ。中国の五味五色は、緑・酸っぱい:肝臓、赤・苦い:心臓、黄・甘い:脾臓、白・辛い:肺、黒・塩辛い:腎臓だ。中国料理の薬膳は、五味五色にあたる料理の一例だ。日本の精進料理では五味五色に止まらず、五法五感五適を含めて5つの五にこだわっている。
・五味:醤油、塩、砂糖、酢、辛
・五色:赤、青、黄、白、黒
・五法:生(切る)、焼く、煮る、揚げる、蒸す

・五感:視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚
・五適:適温、適材、適量、適技、摘心

陰陽五行説

陰陽五行説は陰陽説と五行説を組み合わせたものだ。五行と陰陽の結合の発想は易の説卦傳に基づく。「陰陽説」は古代中国神話に登場する帝王伏羲が作り出した。陰と陽という相反する形で存在するという思想だ。陰陽は形に示せず、千変万化となる。陰陽は、+と-で二分類する考え方だ。五行説において五の起源は東西南北の四方に中央を加えたという考え方と、五つの惑星(水星・金星・火星・木星・土星)に基づくという考え方がある。
(出典:wiki)

まとめ

食文化の東洋と西洋の比較にトライした。東洋は五味五食といった思想でバランスの良い食生活を志向しようという知恵を感じた。西洋にも五味五食のような考え方があるかと調べたが、その類似性は見つからなかったが、菜食主義者やビーガン、ペスカタリアンといった人たちがいる。ビーガン向けの食事を用意するのは大変だけど、ペスカタリアンなら日本料理を楽しむことができると思う。オリンピックやパラリンピックの食事担当は宗教の問題もあり、非常に気を使っただろう。いずれにせよ、無事に開催できて、オリンピアもパラリンピアも全力を尽くした姿は感動的だった。

以上

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