目的志向型と問題回避型は実はベストパートナーかもしれない

初めに

人の行動パターンは色々だ。新しいことに積極的な人もいれば、慎重な人もいる。大事なことも人によって違うだろう。人をタイプ分けするのは簡単なようで、難しい。自分自身は目的が明確でないと行動にエネルギーを注入できない。でも、目的ではなくプロセスを重視する人もいるし、安全志向でひたすらリスクを避けるタイプもいる。往々にしてこのような全く価値観の違う男女が惹かれ合うことがある。人の行動とは面白い。

モティベーション

人が行動を起こす場合に何が動機になっているのでしょうか?その動機には2つのタイプがあると言う(LABプロファイル)。一つはこういう風になりたという目的を達成するために行動するタイプであり、他方は直面する問題を解決するために行動しようとするタイプだという。LABプロファイルとは、The Language and Behaviour Profileの略だ。言葉と行動のプロファイリングだ。下の表のように11の質問に回答することでパターンが見えるという。

目的志向型と問題回避型

目的志向型は、例えば、海外旅行に行きたい!とか、痩せてスマートになりたい!とか、美味しいものを食べたいと言った妄想・願望がモティベーションになるタイプ。問題回避型は、前述の目的志向型の例に準じて言えば、退屈な日常から離れたい!とか、お腹の脂肪を減らしたい!とか、毎日コンビニ弁当ばかりで飽きた!とか、直面する問題や不満を解消したい、回避したいという欲求がモティベーションになるタイプ。NLP(神経言語プログラミング:Neuro Linguistic Programing)では、こみゅにけーしょんスキルを研究した手法だが、やはり相手とコミュニケーションを取るには、相手がどんなタイプかを見極めることが重要だ。
出典:Life&Mind

目的志向型と問題回避型の比率

ある調査のよると目的志向型が40%、問題回避型が40%、両方が20%というつまんない結果が出たようだ。感性リサーチ代表取締役の黒川伊保子さんは、「プロセス指向の危機回避能力と、ゴール指向の問題解決力はどちらも大切です。」という(出典:ITセキュリティアネックス)。つまり、人間には利き腕があるように、咄嗟の場合にどのような思考法を採用するかが決まっていて、男性は目的志向型が多く、女性は問題回避が多いようだ。もちろん両方の思考方法が必要である。確かに典型的な問題回避型の男性の元上司を女々しい人だと感じたり、女性でも目的を持って行動する人を男前だと感じるのはそのためと妙に納得した。さすがだ。

タイプ別の対処法

目的志向型は、目指すべき方向性が明確になると意識が目標に集中するのでやる気がアップする。目的志向型の人にネガティブなことを並べて心には響かない。たとえば、勉強せずに遊んでいる目的志向型の子供に、遊んでばかりいると良い学校に入れないよ!成績も下がるよと叱責しても効果は薄い。それよりも、憧れの職業や目標とする人物像をイメージさせて、頑張ればなれるよ!と激励する方が効果があるかもしれない。褒めて育てつタイプとも言える。一方、問題回避型は、理想や夢を語られても、それは現実的ではないよ。難しいよとなるが、直面する問題を示し、このように行動することで解消できることを示すと、納得して行動する。そんなことでは地区予選で敗退するぞ、決勝に残れないぞとマイナス面を脅かすことで奮起するタイプ。厳しく指導して伸びるタイプとも言える。したがって、目的志向型タイプには、ターゲットを明確にして、ポジティブな言葉で鼓舞する。一方、問題回避型にはリスクを示して、具体的に指導する。そんな配慮が有効だ。

まとめ

現実には、どちらか一方が他方より優れているということではないと思う。状況に応じて、相手に応じて、この2つを使い分けることが大切なのではないかと思う。いわゆるアメとムチをうまく使い分けることが大切だ。松山英樹が2021年4月のマスターズ優勝という快挙を達成したが、攻めるホールと守るホールをしっかりと区別して対応していたという。実践にあたっては、厳しいとか優しいとかの単一のイメージではなく、複数のイメージを使い分け、そのギャップ(ゲインロス効果)を効果的に活用したい。また、目的志向型のリーダと問題回避型のフォロワーの組み合わせは最適だ。自分が苦手とするパートを得意とするパートナーを得ることは百人力かもしれない。

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