天敵からの生き残りと子孫繁栄が感情の役割という説は面白い。

はじめに

人間には、感情(Emotion)と理性(Rational)がある。女性は感情の要素が一般的に強く、男性は逆に理性の要素が強い。自分は言い方よりも言う内容が大事だと思うけど、そうではなくどのように伝えるかが大事だという人もいる。両方が連携し、重なり、補完し合うことが大事なのだと思う。今日は、そんな感情について少し考えてみたい。


(出典:karimelganayni)

基本的な感情

感情と行動は相対する。嬉しいときには笑う。悲しいときには涙する。恐怖を感じるときには身構える。嫌悪を感じると距離を置く。怒るときには頭から湯気が出る。驚くときにはなぜか目と口が開く(笑)。アメリカの心理学者でカリフォルニア大学サンフランシスコ校のポール・エクマン(1934年2月15日生)名誉教授は、「すべての人類の文化圏で普遍的に経験される6つの基本的な感情」を特定した。それが下の図の、幸せ、悲しみ、嫌悪、恐怖、驚き、怒りの6つである。その後、誇り、恥、恥ずかしさ、興奮などが追加された。

(出典:verywell_mind

多彩な感情

基本的な感情がいくつかはさまざまな議論があるが、仮に前述のように6つだとしても、これら基本的な感情を組み合わせるとさまざまな感情が生まれる。Proceedings of National Academy of Sciencesに掲載された研究では27種類の感情を特定している。下の図は、それとは関係ないけど、28の感情を列挙したものだ。

(出典:はてなブログ

ルイスの自己発達理論

米国の心理学者であり、小児科及び精神医学の著名な教授であるマイケルルイス(1937年1月10日生)は、自己発達理論を提唱した。子供は生後半年ほどで喜びも驚き、怒り、恐れなどの原初的情動を示す。そして1年半ごろには照れや羨望や共感などの自己意識的情動を獲得する。チンパンジーなどの大型類人猿も自己意識的情動を示す。ヒトは生後2−3年で奢りや誇り、恥、罪といった自己意識的評価情動を持つようになる。ルイスは、ヒトだけが自己意識的評価情動を持つと考えている。あざとさとは人の感情に訴える行動と理解するが、幼児や赤ちゃんは可愛さやあざとさを本能的に身につけている。
(出典:ルイスの自己発達理論

一次感情と二次感情

米国の心理学者であったロバート・プラチック(1927年10月から2006年4月)アルバート・アインシュタイン医科大学元名誉教授は、プラチックの感情の輪を提唱した。それは内側には8つの一次感情があり、外側に8つの2次感情があるというモデルだ。例えば、愛は喜びと信頼という2つの感情が組み合わさったもの。服従は信頼と恐れが組み合わさったものとする。また、一次感情を一つ飛びに組み合わせると、例えば喜びと恐れは罪悪感、信頼と驚きは好奇心など別の8つの感情が出来上がる。一次感情が8個あり、この任意の2つの感情の組み合わせで二次感情ができるとすると、これは単純な組み合わせの数なので、28通りとなる。ただ、その定義が本当に正しいと言えるのだろうか。

(出典:note

流動性知能と結晶性知能

米国の認知心理学者ジョン・レオナルド・.ホーン(1928年9月から2006年8月)博士は、すでに蓄積した知識や経験を活用する結晶性知能(crystallized ability)と新しいことを学んだり、環境変化に適応する流動性知能(fluid reasoning ability)を定義した。流動性知能は加齢や脳の器質的障害の影響を受けやすいと言われるが、いつまでも変化を楽しむ若い脳でありたいものだけど、25歳ごろにピークにあり、65歳前後で低下する傾向にある。一方の結晶性知能は、洞察力や想像力が該当し、経験や学習を続けることで高齢になっても安定している。坊主や政治家がいつまでも元気なのはこの結晶性知能を活用しているからだろうかと思う。そして、この両者が組み合わさったところに推理力や判断力、発想力があるという考えだ。


(出典:健康長寿ネット

アイゼンクの特性論

ドイツ生まれのイギリスの心理学者ハンス・ユルゲン・アイゼンク(1916年3月から1997年9月(は、知能と人格に関する研究で有名だ。わかりやすい理論なので、引用数もダントツに多かったようだ。例えば、縦軸を情緒の安定・不安定、横軸を内向的・外向的とすると、4つのタイプに分類される。自分はどちらかといえば右下のゾーンだ。多血質となっている。確かに血は多いかもしれない。この対局は内向的で情緒不安定だ。多血質と憂鬱質、粘液質と胆汁質の組み合わせは互いに補完するために価値観は異なるけど相性は良いのかもしれない。

(出典:はてなブログ

まとめ

感情は本能的なものだ。昨日も投稿したけど、自分の天敵から身を守るためには、恐れや嫌悪、悲しみ、怒りなどのネガティブの感情とそのような感情に基づく慎重な行動が生き残りには必要だったに違いない。一方、喜びや信頼といったポジティブな感情は、恋人を見つけ、結婚し、子供を産んで育てるといった子孫繁栄のためには必要だ。本能に従うとか、直感に従うと言うと非論理的に聞こえるけど、何らかの因果関係があって感情が生成され、それに従って行動するとすれば、生物が誕生してからの知恵と経験に裏打ちされているのだとすれば、そこには絶対的ではなくても、ある種の真実はあるのだろう。

以上

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