技術士事務所の設立や活動に向けての今後の課題と対応策の整理

はじめに

本年3月に経営大学院を卒業してMBAを無事取得した。修論では技術士の活性化をテーマとして研究し、その成果を踏まえて、勤務を継続しながら技術士事務所を設立して、完全独立までの助走期間を活用することの有効性を自らが証明したいと思っている。これまで出来たこともあれば、なかなか難航しているものもある。頭の整理を目的として一度整理してみたい。

事務所の開設に向けて

ドメインの登録

個人事業主としての活動したり、法人を設立して活動するには、まずはドメインの登録が重要だ。自分も色々なドメインを考えて、登録した。結局、6つほど登録して最終的には「kz-pe.com」に決めた。最初はお名前.comで色々探したけど、解約方法が不明なのと、初期設定を間違ってしまったりした。Xサーバーは2回目なので問題なく設定を完了したと言いたいけど、ここでも登録の手順を間違えた。生涯無料キャンペーンでドメインの利用料が免除されるはずなのに、最初にドメインを登録したので、ドメイン利用とサーバー利用でダブルで請求を受けてしまった。Xサーバーに相談すると、返金は出来ないけど、今使っているドメインを生涯無料キャンペーンのドメインに変更することは可能との返事があり、それで無事決着した。手順通りに実施すれば間違うことがないはずなのに、なんでこんな間違いをするのかと思う。反省(笑)。

図1 Xserverのキャンペーン(参考1)

WordPressベースのホームページ開設

WordPressが便利だ。WordPressは2003年に運用開始したコンテンツ管理システム(CMS)であり、PHPとMySQLで構築されている。誰でも無料で利用できて、自由に改変できるオープンソフトウェアだ。現状ではCMS市場の60.8%を占め、WEB全体の約40%はWordPressベースという(参考2)。でも、その存在を教えてくれたのは息子だった。経営大学院の友人と、こういうスキルも授業で教えるべきだよねと言ったら、授業にあるよとの回答(涙)。そういえば、あった。でも、眠そうなのでパスしたのだった。しっかりと授業でマスターすれば今頃楽勝だったのにと思う。反省(涙)。ただ、WordPress自体はXサーバーの中で簡単に初期設定してくれるので大きな問題はない。問題は、「テーマ」と呼ばれるもの。

図2 WordPressのお薦めテーマ(参考3)

テーマの選定

WordPressは汎用的なソフトであり、その上でさまざまな「テーマ」と呼ばれるソフトがある。無料のテーマと有料のテーマがある。無料のテーマも充実していて、趣味、嗜好や用途に応じて選べば良い。Cocoonも便利だ。無料でも十分だけど、自分はTHE THORという有料のテーマにした。標準で様々な機能を作り込んでいるので安心だと思ったからだ。有料のテーマのメッカがEnvatoだ。ここには5万以上の有料テーマが揃っている。さらには利用できる素材は数百万点という。ここでヒット作を展開してIT長者になった人も多いだろう。ここには、動画、音楽・効果音、グラフィックデザイン、写真、Webサイトテンプレート(テーマ)、プラグイン、3D素材などが満載だ。特に写真は100万点以上のプロの写真を1枚2ドルから利用できるのでお手軽だし、月額16.5ドルで5500万点以上のアイテムを使い放題のサービスもある。これは驚きだ。

図3 Envatoのトップサイト(参考4)

プラグイン

WordPressの特徴は、様々な機能をモジュール化したものをプラグインと呼んでいて、これが5.5万以上も存在するので、やりたいことは大体できることだ。ただし、プラグインも玉石混合なので、最初のうちはダウンロード回数が多く、評価が高く、最新バージョンがリリースされているかを確認すれば安心だ。また、同じ機能を持つ複数のプラグインを導入するとバッティングの可能性や処理が遅くなる可能性も懸念されるので、目的を明確にして、その目的のために最適なプラグインを選択することが重要だ。ただし、サイトによってお薦めプラグインや必須プラグインが違っているのでどの意見を採用するのかは最終的に自己責任で決める必要がある。

図4 プラグインを導入する上での注意事項(参考5)

Googleアナリティクスの設定

これは経営大学院でも活用した。自分ははてなブログに投稿していたので、便利だなあと感心した。しかし、問題があった。Googleが提供していて、Gメールで特定する。メールはいくつもあるけど、Gメールは一つなので、Googleアカウントも一つだ。グーグルアナリティクスではUAで始まるIDがあるが、これがひとつしかない。一応タグの設定なども実施したけど、いまいちだ。問題はGoogleアナリティクスの設定がいまいちなのか、自分のサイトへのアクセスがいまいちなのか区別できない点だ(涙)。3月から5月のアクセス状況を見ると、「平等と公平と思いやり」が1.6万回ほどでバズっている。Twitterで広まったようだ。8位に木崎洋技術士事務所がランクアップしているのは嬉しい。特に平均ページ滞在時間が1分11秒と長いのも嬉しい点だけど、直帰率が31.58%と高い。同じサイト内の別の投稿記事を見てもらえるような工夫が必要だ。

図5 Googleアナリティクスの結果

日々の投稿

初めての投稿が2021年3月16日だ。本サイトの目的と今後の抱負などを簡単に記載した。3月はこれを含めて7件投稿した。4月はほぼ毎日投稿した。4月2日は投稿していないが、やはり毎日投稿することが大事と気づき、4月3日以降は毎日投稿している。今日で43日目だ。7月10日までが継続すれば100日連続だ。そして2022年の誕生日まで継続することができれば500日だ。継続は力なり。継続すれば何かが見えてくるような気がする。ネタに困ったときや、時間のない時は、はてなブログに過去に投稿したものをベースに一部改訂したり、加筆したりしているのはご容赦願いたい。連続投稿が目的化しないように、本末転倒にならないように、目的を忘れないようにしたい。

事務所活動のための行政等への手続き

名称の決定

本当は単純に木崎技術士事務所とするか、もう少しひねるか検討していたが、同性の先輩技術士が技術士事務所を解説している。専門分野は異なるけど、重なるのは不味いので、ファーストネームを含めた名前にした。これならバッティングはないだろうと判断した。

税務署への提出

本当は4月内に登録を済ませるはずだったけど、綺麗な字とも言えないので、手書きはやめてサイトからフォームをダウンロードしてパソコンで作成したものを提出した。提出した資料は結局次の4つだ。
資料1)個人事業の開業・廃業等届書(参考6)
・これは最寄りの区の主管税務署に提出する。
資料2)所得税の青色申告承認申請書(参考7)
・これも、資料1と同時に、最寄りの区の主管税務署に提出する。
資料3)ID・パスワード方式の届出(参考8)
・スマホやパソコンで確定申告する方法には、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式がある。
・自分はID・パスワード方式にした。区の窓口の人もこちらをお薦めしてくれている感じだった。
資料4)事業開始等申告書(個人事業税)(様式9)
・個人事業を開始する時には管轄(自分なら東京都)の税務署に申告が必要だ。
・手続きは簡単で所定の様式に必要事項を記載して提出するだけだ。
・大きいのは年間290万円までの事業主控除だ。
・また、青色申告で事業所得が赤字の場合は翌年以降3年間繰越控除が可能だ。

商号登記

申請したけどうまく受理してもらえていないのが次の印鑑届書とこれに付随する商号登記申請書だ。
・印鑑届書(参考10)
最寄りの法務局に届け出ます。個人の実印、個人の実印の印鑑証明、社印(個人の実印で兼用可能)、登録料3万円、印鑑届書、商号登記申請書、身分証明書が必要です。
・商号登記申請書(参考11)
ここで難しいのが営業の種類だ。適当な用語ではダメで、申請が通る「営業の種類」というものがあり、それをそのまま記入するしかないようだ。「技術文書並びに文献の出版業」であれば前例はあるようだ。個人事業主の場合には、商号登記は必須ではないけど、登記した方が安心だ。商標登録と違って毎年の登録料も不要だし、永年有効なのも魅力だ。タイミングを見て、再度チャレンジしたいと思う。

日本技術士会への届出

盲点だったのがこれだ。日本技術士会のサイトでは、事務所の名称・所在地を変更する場合には、登録事項変更届出書(様式第11)と証明書(登録用書類No.4)を提出する。個人事務所に登録変更する場合は、登録事項変更届出書のみ提出する。ただし、会社等に勤める傍ら、個人事務所として登録する場合は、同意書(登録用書類No.3)を添付するとある。そして、この同意書を見ると、会社の公印が必要だ。現在、会社からは会社に勤務しながら個人事業主として活動することは会社としての規制の対象外ですという回答を得ている。会社には、同意書に公印捺印して日本技術士かいに提出することが必要なことを説明したが、それに応じてくれるかどうかは会社の判断待ちだ。公印押印には稟議が必要だ。一連の処理の根拠は昭和59年総理府令第5号の技術士法施行規則第14条の規定だけど、流石に同意書までの規定はない。つまり、これは法律の問題ではなく、日本技術士会の運営ルールに基づくものなのであり、日本技術士会内で審議すれば改善できるのではないだろうか。企業内技術士が個人事務所を設立して、社内外で活躍するためには解決すべき課題と思う。

技術士法施行規則
(登録事項)
第十四条 法第三十二条第一項の規定による技術士登録簿の登録事項は、次のとおりとする。
一 登録番号及び登録年月日
二 氏名及び生年月日
三 第二次試験に合格した年月及び合格した第二次試験の技術部門の名称(法第三十一条の二第一項の規定により技術士となる資格を有する者にあつては、同項の規定による認定を受けた年月及び文部科学大臣が指定した技術部門の名称)
四 自ら技術士としての業務を営もうとするときは、その事務所の名称及び所在地
五 他の技術士、会社その他の者の事務所に勤務するときは、その勤務する事務所の名称及び所在地
2 法第三十二条第二項の規定による技術士補登録簿の登録事項は、次のとおりとする。
一 登録番号及び登録年月日
二 氏名及び生年月日
三 第一次試験に合格した年月及び合格した第一次試験の技術部門の名称(法第三十一条の二第二項の規定により技術士補となる資格を有する者にあつては、同項の規定により文部科学大臣が指定した大学その他の教育機関における課程を修了した年月及び当該課程に対応するものとして文部科学大臣が指定した技術部門の名称)
四 補助しようとする技術士の登録番号及び氏名並びに当該技術士の事務所の名称及び所在地

事務所の活動に向けて

受験者指導

これもあるパートナーからの依頼を受けて対応している。技術士試験の二次試験(筆記)では600字の原稿用紙に2枚とか3枚とかで論述する問題が多い。お作法を知らない受験生の答案は大体中盤で息切れしている。そうではなく、序盤は抑え気味にして、中盤から最後にかけての論説で「なるほど」と納得させる展開が必要だ。技術士の試験では、新規性は問われないので、業界の動向や研究者の論文などを問題意識を持って読んでいれば、出された課題に対する解決策とその留意点を示すことはできるはずだ。技術士試験では課題解決能力を求められるが、これは単に解決策を提示するのではダメだ。どんな解決策でもプラスの効用とマイナスの弊害がある。与えられた課題はこのような解決策で解決することができる。しかし、このような新たな問題が生じるので、これに対してはこのように対応すべきという点まで論述するべきだ。医療で言えば、薬の効用だけでなく副作用をきちんと説明する。風邪薬と一緒に、その副作用で胃が荒れるのならば、その対策としての胃薬をセットすることまでがプロの仕事と言える。

セミナー開催

現在、あるパートナーからの依頼を受けて定期的に外部セミナーの講師を実施している。当初は埼玉県や千葉県に訪問して対応したが、コロナ禍への対応としてZOOMによるセミナーに切り替えた。このため参加者は北海道や九州など全国規模となり、参加者も増えている。ZOOMでのセミナーの問題は、参加者が事務所に集まっている場合だ。一方通行の講演なら問題ないけど、自分は双方向の講演にしたいし、参加者同士のディスカッションも必須だけど、周りの声が聞こえてディスカッションできないという問題もある。どのように改善すべきかが課題だ。

マッチング事業

これはまだ構想段階だけど、技術士など専門家の活動を希望するニーズと、活動したいというシーズをうまくマッチングできないものか。中小企業診断士とのタイアップのアイデアも出ている。今後時間をかけて可能性を検討していきたいと思う。

メルマガ

ほぼ毎日投稿しているので、賛同してくれるファンを集めて、その方にメルマガ的に配信することは有効かもしれない。具体的にどのような方法でやれば良いかを含めて調査が必要だ。

今後の課題と対応の方向性

経理ソフトと青色申告の準備

税務署に青色申告をすると宣言したけどなんの準備もしていない。銀行口座は、公私を分離するために、別の口座を用意して、技術士としての活動に伴う収入と支出はその口座にしている。問題は、銀行振り込みでない支出の取り扱いだ。例えば、商号登記のための3万円を現金で支払った場合の記録はどうすべきなのだろう。技術士の口座から個人の口座に3万円を振り込んで、その詳細を備考で明記しておけば良いのだろうか。

コロナ禍での適切な対応

コロナ禍はいつ鎮静するのだろう。江戸時代の末期に江戸を襲ったコレラでは3万人の死者が出た。100万人の都市で3万人なので3%だ。そもそもコレラが最初に日本で流行したのは1822年(文政5年)なのでほぼ200年前だ。一旦沈静化したコレラは、1858年(安政5年)に再び流行した。江戸では8月に急増し、死者10万~26万人出たという(参考11)。明治10年には横浜でコレラが再発した。これは当時の清国アモイのコレラが米艦経由で持ち込まれた。明治13年までの死亡者は10万人とも言われる。当時のパニックは大変なものだったが、根本的な対策として有効だったのは下水道の普及だ。文久2年に発行された衛生全書では「身体と衣服を清潔に保つ」、「室内の空気循環をよくする」、「適度な運動と節度ある食生活」などを推奨している。こちらの方が納得感があるのは自分だけだろうか。

科目履修生

3月に東京大学の科目履修を申請したが、希望する科目が後期だった(涙)。色々な大学で科目履修生を募集している。3万円ほどの授業料で学生の身分を得られるのは費用対効果が高いし、大学の図書館なども利用できるメリットも大きいと思う。

ゴルフ

最近は週に2回ほど近所の室内練習場に通っている。基本火曜日の18時からがセルフ練習で木曜日の18時からがレッスン練習だ。わずか一時間ほどだけど、プロの指導者に教えてもらって、それを自習するのは健康のためにも役立っていると思う。ただ、なかなかスコアの改善に至っていないのが残念だけど、練習してから成果が出るまで1−2年はかかるので中長期的な観点で継続していきたい。

動画投稿

YouTubeへの動画投稿は有効だとは思うけどなかなかそこまで踏み切れない。その前にまずはコンテンツの充実が先決だろうと思うし、どこで勝負するのかという戦略も必要だ。それにしても世の中のYouTuberの頑張りには脱帽する。何かわからないことがあってもYouTubeを検索すると大抵のことはカバーしているのではないだろうか。すごい世の中になったものだ。

まとめ

以前「技術士を目指す人のための技術士を目指してよかったと思うこと」を投稿した。技術士の多くは社内技術士であり、社内技術士の多くは社外活動に関心を持ちながらも社外活動を実践していない実態は修論でも研究した。ではどうするか。一人でも多くの社内技術士が社内外で活躍するには、何が課題か、何がコツか、そういうことを自ら実践して発信するしかないと思っている。それが本サイトの目的の一つでもある。現状では、副業を認めている企業は少数派である一方で、技術士のような専門家の社外活動を禁止している企業も少数派だ。多くは、公には発表していないけど個別の相談で認めているところが多い。しかし、日本技術士会のルールでは社内技術士が技術士事務所を開設するときには会社の同意書を求めている。しかも、この同意書には代表者の公印を求めている。社内技術士が勤務する企業はいわゆる大手が多く、大手企業ほど公印申請は大変だ。また、企業側も公に認めると発表していない状況で同意書への公印捺印に二の足を踏む企業も多いのではないだろうか。このような事態を打破するにはどうするのがベストなのだろう。課題は尽きない。

以上

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